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夢幻水滸伝

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第十話 関ヶ原の夜戦その十

「待ってたで」
「やはりですか」
「おられましたか」
 滝沢と雅はその芥川の前に来て言った。
「私達が来るのを待っていた」
「そうなのですね」
「そや、ここで戦局を挽回に来る」
 そう来ると読んでいた、それでというのだ。
「そやからや」
「待っておられましたか」
「既に」
「そういうこっちゃ、ほなやろか」
 今からというのだ。
「勝負な」
「そうしますか」
「これから」
 滝沢は馬上で双刀を構え雅も手の平を前に出した、そうしたうえでまずは雅が手の平から衝撃波を出した。滝沢も風の刃を出す。
 その彼等にだ、芥川は右手に手裏剣を出した。八方に刃がある手裏剣、彼の持つ神具の一つ三光手裏剣だ。
 その手裏剣を投げた、すると。 
 一つの手裏剣が瞬く間にだ、無数に増えて二人を襲った。それで衝撃波も風の刃も打ち消してさらにだった。
 二人に襲い掛かって来た、雅は再び障壁を出して自身と滝沢の身を守った。だが。
 手裏剣の数があまりにも多い、それで滝沢に言った。
「このままでは」
「くっ、守っていては駄目だ」
「はい、それでは」
「爆炎!!」
 滝沢は強く叫び右手の今剣を一旦収めその右手を前に突き出して術を放った。すると芥川がいた場所に。
 凄まじい、千人は楽に吹き飛ばしそうな爆発が起こった。魔術師系の中でも最高位の術の一つだった。
 それを芥川に放った、だが。
 芥川はかわしていた、それでこう言ったのだった。
「危なかったわ」
「やはりな」
「そや、兵隊ならともかくな」
 芥川は笑って滝沢に話した。
「星の奴には通じんやろ」
「見切るか」
「見切るか防ぐかや」
「術もまた」
「それは自分もやろ」
「はい、あの程度の使い方はです」
 滝沢も否定せずに答えた。
「牽制こそになれ」
「牽制としては確かによかったわ」
「星の者には通じません」
「そういうこっちゃ、つまりは」
「衝撃!」
 雅が滝沢と連携してだ、そしてだった。
 両手から術を放った、それで芥川を攻めるが。
 芥川は今回もかわした、狐に乗ったまま素早い動きでだ。そうしてから今度は雅に対して悠然として言った。
「こう来る」
「くっ、お見事」
「読んでればかわせる、しかしや」
 芥川はここでこうも言った、彼が放った無数の手裏剣達は二人を襲い続けている。二人はそれを刀や術で撃ち落とし馬を操り防ぎかわしているが。 
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