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MS Operative Theory

作者:ユリス
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内部図解
  MSの操縦訓練①

——実戦同様のデータ戦闘も可能な、操縦訓練/シミュレーション——

 MSやMAなどの起動兵器のパイロットとなった後も、技量を向上させるためには座学やフィジカル/メンタル面のトレーニング、そして何よりも操縦訓練が重要となる。「百回の訓練より一回の実戦」などとも言われるように、中には実戦での経験を重要視するパイロットもいる。確かに実戦経験も重要だが、十分な技量を持たずに実戦に投入されれれば、経験を積む前にパイロットの命が失われる可能性もある。また、平時にはMS戦が発生する機会も減少するために、ベテランパイロットでも技量や勘が鈍ってしまう。それに戦争中であっても、敵の新型機の出現や、新たな戦技が考案された場合などでは、それに対応するための訓練も必要となる。このような理由から、操縦訓練はある意味では実践以上に重要なものと言える。

 機動兵器の操縦訓練は大きく、シミュレーターによるものと、実記を稼動させて行うものに二分される。シミュレーターは、MSのコックピットを模した据え置き型(MSのコックピットをそのまま転用したモデルも多い)や、実際にMSのコックピットを用いて行われる場合が多い。据え置き型のシミュレーターは、基地訓練や艦艇内に独立しておかれるタイプで、アミューズメント施設に設置されるゲーム筐体のような機械である。MSのコックピットを用いたシミュレーターとは、専用の据え置き型ではなく、本物のMSのコックピットをシミュレーターとして代用する。このとき、MSの操縦系は手足やスラスターなどとの接続を解除され、コックピット内のディスプレイに表示される映像もセンサーが捉えたものではなく、シミュレーション用に合成されたものが使用される。これらのシミュレーターは実際に機体を挙動せず、敵機もデータに過ぎないため、安全性が高いことが最大の利点と成っている。

 これらのシミュレーターでの訓練をつんだ後に、実際にMSを動かす訓練へと移行する(最初はTGM-79(ジム・トレーナー)のような複座式MSに、教官と共に搭乗する場合が多い)。実機による訓練は、MSの基本動作———重力下での歩行やジャンプ、慣性やスラスターの使用を考慮した宇宙空間での機動など———や模擬戦などで、項目だけを見るとシミュレーターでの訓練と同じである。しかし、実機を使用するために、MS戦で多用される急激な方向転換や、加減速によるGなどを「体感」出来る点がシミュレーターとの違いと言える。実機を実働させる訓練も、昔ながらの模擬戦だけではなく、アグレッサー(この場合は敵機を指す)がディスプレイに表示されるだけのデータであることも少なくは無い。また、実機同士の模擬戦では、兵装にペイント弾や擬似ビーム・サーベルなどが用いられるなど、期待が致命的ダメージを受けないように注意が払われている。つまり敗北してもパイロットの安全は保障されるが、限りなく実戦に近い訓練が行われるのである。



補足事項

——MSに関する特殊な訓練——

 MSは地上車輌や航空機とは異なる体系の兵器でありながら、一部では共通する部分も見られると言う複雑なメカニックである。更に可変MSや合体変形MSのような機体もあるため、搭乗するMSによっては特殊な訓練が必要になる。また、サイコミュなどの特殊デバイスに対応するにも、相応の訓練が必要になる。

■ガンダムの空中換装訓練

 ホワイトベース隊では、FF-X1(コア・ファイター)からRX-78-2(ガンダム)へと迅速に換装するための訓練が行われていたとされる。この訓練は「空中換装」と呼ばれ、支援航空機ガンベリーから投下された各パーツとコア・ファイターが空中でドッキングを行うものであった。ブライト・ノアは15秒での換装完了を目標としていたとされる。

■航空機の操縦

 コア・ファイターを搭載するMSや可変MS/MA、MS側からも操縦可能なサブ・フライト・システムなどに対応するため、MSパイロットは航空機の操縦も習熟しておく必要がある。一年戦争期の地球連邦軍MSパイロットには航空/航宙機から転科した者が多く、コンピューターの支援があることもあり、航空機への対応訓練は短時間ですんだようである。 
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