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ドリトル先生と悩める画家

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第五幕その一

                 第五幕  霧と雨
 朝起きてです、トミーは先生にすぐに言いました。
「今日は寒いですから」
「うん、冷えるね」
「霧が凄いですよ」
「霜が降りてないんだ」
「はい、そちらじゃなくて」
 窓を開けて外を見てです、トモーは起きたばかりの先生にお話します。トミーはパジャマですが先生は浴衣です。
「霧が凄いです」
「どんな感じかな」
 先生も窓の方を見ました、そしてこう言いました。
「確かに凄いね」
「そうですよね」
「日本でもこんな深い霧が出るんだね」
「イギリスの霧みたいですね」
「そうだね」
 先生は窓の外を見つつまた言いました。
「手を前に出したらね」
「手の先が見えなくなりそうですね」
「そんな深い霧ですね」
「いや、こんな霧だとね」
 先生は考えるお顔でこうも言いました。
「学校に行く時は注意しないとね」
「その時までに晴れたらいいですね」
「いや、晴れないだろうね」 
 先生は窓を見つつトミーに答えました。
「ちょっとね」
「深いからですか」
「この深さだとね」
「じゃあ登校の時は」
「注意して行くよ」
 実際にというのです。
「危ないからね」
「じゃあ僕も」
「そうそう、トミーもね」
 先生はトミーに応えて彼にも言いました。
「登校の時は気をつけてね」
「そうします」
「車とか多いしね」
「日本の車は多いですから」
「イギリスよりもね」
「電車も多くて車も多い」
「交通が発達しているだけにね」
 まさにそれだけにです。
「イギリス以上にね」
「どちらも」
「そう、だからこそね」
「車には気をつけて」
「登校してね」
「そうさせてもらいます」
 トミーは先生にはっきりと答えました。
「その時は」
「そうしてね、じゃあまずは」
「はい、朝御飯です」
 トミーは先生ににこりと笑って言いました。
「これから」
「そうだね」
「今朝は御飯とめざしと納豆とお味噌汁ですよ」
「あっ、いいね」
「それに海苔と梅干です」
 こちらもあるというのです。 
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