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ドリトル先生と悩める画家

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第四幕その十二

「だから今回のスランプ脱出にはね」
「まだだね」
「まだ時間がかかりそうなんだね」
「これからも」
「そうなんだね」
「そうだと思うよ」
 こうも言うのでした。
「だからね」
「まだなのね」
「太田さんのスランプについては」
「これからなんだね」
「まだまだ安心は出来ないんだ」
「そうだよ、ただかなり前向きだし」
 スランプだからこそ描くというその行動を見ての言葉です。
「それに外にも出てるし汗もかいてるし日常生活も送ってるし」
「そんなに酷くない?」
「そうなんだ」
「美術館にも通ってるしね」
 先生はこのことも指摘しました。
「勉強して自分からスランプを抜け出ようとしてるから」
「前向きだから」
「だからそこは安心出来るんだ」
「スランプでも」
「そう思うよ、欝みたいなスランプだとね」
 どうしてもというのです。
「抜け出るのが難しいんだ」
「欝と同じで」
「それじゃあなんだ」
「抜け出るのが難しいんだね」
「その場合は」
「どうしてもね、けれど太田君は本当に前向きで活動的だから」
 とにかくこのことがいいからというのです。
「欝みたいなスランプよりかなりいいよ」
「その場合より簡単に抜け出られる」
「そうなんだね」
「じゃあ先生もだね」
「手助けしやすいんだね」
「その分ね、多分だけれど」
 これが先生の見立てです。
「いけると思うよ、特に天候が関係しているみたいだから」
「あっ、そんなことも話してたね」
「お天気のこともね」
「冬とか梅雨とかね」
「そんなことをお話していたわね」
「そう、イギリスでも日本でも冬は天気が悪いね」
 そういう日が多いとです、先生は指摘しました。
「まあイギリスは普段からね」
「そうそう、雨が多くてね」
「霧も多いしね」
「ロンドンなんか特にね」
「霧が出たら凄いから」
「雨だけじゃなくて」
「霧のロンドンエアポートとかね」
 先生は笑って言いました。
「もう凄いからね」
「手を伸ばして手首から先を見たら見えない」
「そんな感じだからね」
「あの霧は忘れられないわ」
「雨の多さも」
「それと比べたらね」
 日本のお天気はというのです。 
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