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ドリトル先生と悩める画家

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第二幕その九

「こちらもね」
「乗馬だけじゃなくてね」
「先生はスポーツについてはそうだね」
「とりわけね」
「むしろ芸術以上に出来ないかな」
「そうだよ、僕は芸術もスポーツも観て考えて論文を書くだけだよ」 
 まさにそうしただけだというのです。
「実践は出来ないからね」
「じゃああの人が画家さんでも」
「どうしたらいいとかは言えないんだね」
「そうなんだね」
「そうだよ、ただ知識はあるつもりだから」 
 それは備えているというのです。
「それをお話出来るかも知れないけれどね」
「そうなんだね」
「先生は学者さんだから」
「学者さんとしてお話出来る」
「それはなんだね」
「うん、これはお料理でもだね」
 先生はスパゲティを食べ終えました、そして今度はトマトとレタス、それに胡瓜と豆苗が入ったサラダを食べます。ドレッシングはオニオンです。
「知識はあるけれど」
「実際に作るとなると」
「先生家事も駄目だから」
「トミーが全部してくれているからね」
「そうしたことも」
「そう、そちらもだよ」
 お料理だけでなくお掃除やお洗濯もです、先生はこちらの知識も備えていて掃除機等は修理も出来ますが。
「出来ないんだよね」
「学問としての知識はあっても」
「実践出来るかどうかは違う」
「芸術もスポーツも」
「そしてお料理も」
「お料理も芸術だしね」
 先生はお料理をそちらに含めたうえでお話を続けます。
「芸術は本当に実践出来る人が第一で実践出来る人じゃないとわからないことも多いよ」
「そういうものなの」
「スポーツと一緒で」
「独特の学問なのね」
「そうなのね」
「そうだよ、あの人がどんな人かわからないけれど」
 それでもとも言う先生でした。
「あの人はあの人だけにしかわからないものを抱えているのかも知れないね」
「若し画家さんなら」
「その立場の人なら」
「そうなのかも知れないの」
「そう、若しかしたらね」
 こう言うのでした、お昼を食べつつです。先生はサラダも食べて鶏肉も食べてです、そしてパンと無花果も食べました。
 そのうえで、です。食堂を出てからまた皆に言いました。
「お料理も芸術でね」
「さっき言ってたよね」
「その通りなんだね」
「そうなんだね」
「そうだよ、だから作られる人はね」
 そのお料理をです。
「芸術家でもあるんだ」
「そうなんだ」
「何か芸術って色々あるんだね」
「描くだけじゃなくて」
「お料理もなんだね」
「彫刻もそうだし書道もそうだしね」
 こちらもというのです。 
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