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ドリトル先生と悩める画家

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第二幕その四

「一緒に行きませんか?」
「美術館ですか」
「はい、今日からゴーギャンの展覧会がありまして」
「ゴーギャンの」
「それでどうかと思いまして」
「僕にお誘いをかけてくれたのですね」
「はい」
 その通りという返事でした。
「どうでしょうか」
「先生、行こうね」
「時間あるからね」
 動物の皆は先生が日笠さんに返事をする前に一斉に言いました。
「昨日行ったからとか言わないでね」
「折角日笠さんがお誘いをかけてくれたから」
「行こうね、絶対に」
「そうしようね」
「いや、最初から断るつもりはないよ」
 それはとです、先生は皆に答えました。
「人のお誘いを断ることはよくないよ」
「そうそう、それだよ」
「その心意気だよ」
「先生もわかってるじゃない」
「じゃあいいね」
「今から日笠さんと一緒に行こうね」
「そうさせもらうよ、では」
 先生は皆に応えてからです、日笠さんにお顔を向けてあらためてお返事をしました。帽子を取って一礼してからです。
「宜しくお願いします」
「はい、こちらこそ」 
 日笠さんも笑顔で挨拶を返しました。
「ご一緒に」
「それでは」
「よし、これで一歩達成」
「何度目かの一歩かわからないけれどね」
「じゃあ今からね」
「日笠さんと宜しくね」
「うん、また行こうね」
 先生は皆にも声をかけました。
「宜しくね」
「えっ、僕達も?」
「何でそこでそう言うの?」
「私達もって」
「そこでそう言うなんて」
「本当に先生は」
「あれっ、僕達はいつも一緒じゃないか」 
 先生は呆れる皆にきょとんとして言いました。
「何でそれでそんなこと言うのかな」
「いや、だからね」
「ここはお二人でないと」
「そうでないと意味ないから」
「何かね、本当に」
「先生はこうしたことについては」
「駄目過ぎるわ」
「何が駄目かわからないけれど今から行こうね」
 何もかも、本当に全くわかっていないまま応えた先生でした。
「美術館に」
「僕達もだね」
「そうしてよね」
「ええと、ゴーギャン?」
「あの人の絵を観るのね」
「ゴーギャンもまた偉大な画家だからね」
 完全に学者さんとして言う先生でした。
「観る機会があるなら逃してはいけないよ」
「学者さんとしてはね」
「そうだよね」
「まあね」
「それはね」
 皆もこのことは否定しません。 
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