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星河の覇皇

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第六十三部第一章 次期総統その三十二

 ここでだ、ボーデンにこうも言った。
「これからもエウロパの為に」
「頼むぞ」
 こう話してだ、そうしてだった。
 カミュはギルフォードの使者と会うことにした。その話をしてから次の日にだった、彼は彼で身体を動かし酒を抜いたのだった。
 エウロパ内の動きは連合からはわかりにくい、サハラもそうであるがそれは国交がないからだ。しかしだった。
 マウリアは違う、彼等は国交がありそれでだった。
 エウロパ内にも外交官がおり他にも貿易商なり観光客がいる。それなりの数のマウリア人達がいる。そして。
 その中でだ、彼等はエウロパの動きを見て話した。
「総統が決まったが」
「何かすぐにだな」
「ああ、もう少し落ち着いていると思ったが」
「違うな」
「選挙が終わってだな」
「すぐに動くなんてな」 
 それがというのだ。
「意外だな」
「それだけエウロパが国難に直面しているということか?」
「確かに国難には直面しているな」
 このことは彼等もわかっている、エウロパ戦役後のエウロパは非常に辛い状況にある。このことは一目瞭然だ。
 しかしだ、それでもなのだ。
「何か違うな」
「ギルフォード侯爵は早速動いている」
「しかも改革派や保守派にもだな」
「他の政党にも声をかけている」
「そしてな」
「人を集めようとしているな」
 こう話すのだった。
「人材のスカウトに集中しているな」
「そしてか」
「閣僚になるべき者を集めているのか」
「まずは人か」
「人を集めてか」
「エウロパを復興させる」
「その為に動いているんだな」
「それも早速」 
 選挙が決まったその瞬間にというのだ。
 その話をしてだ、そうしてだった。
 彼等、特に外交官達はだ。こうも話すのだった。
「これは大きいな」
「ああ、あの侯爵殿は相当な人物だな」
「我々の想像以上だ」
「これは本当に傑物だぞ」
「それも相当の」
「若しもだ」
 仮定としてもだ、話されるのだった。
「あの侯爵殿が公約を忠実に再現出来るのならな」
「ああ、我々が手助けすることは決まっているしな」
「その手助けをした以上のものを出すかもな」
「そしてエウロパは予想以上に早く復興してな」
「発展するかもな」
「だとすれば大きいぞ」
「相当にな」
「今は連合の一人勝ちだ」 
 現在の人類社会、銀河の状況も話される。
「連合は只でさえ大きいというのに」
「一人勝ちだ」
「連合はこのまま大きくなる」
「巨大な存在がさらに巨大になる」
「これはよくない」
 誰に対してよくないかというと。
「エウロパは言うに及ばずな」
「我々にとってもよくない」
「マウリアにとってもな」
「彼等の一人勝ちはな」
 連合の一人勝ちはマウリアにとってもよくないというのだ、それは何故かというと。 
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