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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1680話

 エンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガ。
 以前にもムウから名前を借りた事があったが、やっぱり通り名とか二つ名とか異名とか、そういうのがついていると、色々と便利なんだよな。
 ……まぁ、このW世界でエンデュミオンの鷹と言っても、誰も聞いた事がないんだろうが。
 寧ろ、自称エンデュミオンの鷹という風に思われるだろう。
 いっそイザーク辺りの名前でもよかったかもしれないが……残念ながら、イザークは異名がないしな。

『は? おい、ちょっと待て! お前はどこの所属の者だ! 答えろ!』

 そんな通信が入って来たのは、当然のようにトレーズ派からだ。
 トレーズ派の残存勢力は既に10機を下回っており、それに比べるとMDの方はまだ30機近い。
 ……うん? けど、財団派の方に有人機はいないように見えるな。
 トーラスクルーザーの類もないって事は……恐らく、俺がここに到着する前に有人機の撃破には成功したんだろう。
 ただ、それでもMDは動きを止めない以上、今は何とかMDに対抗しようとしていた……といったところか。
 そこに俺が参戦したのだから、トレーズ派が戸惑うのも間違いなかった。

「言った通り、俺はエンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガだ!」

 ……うん、このW世界とホワイトスターが繋がった時、ムウが色々と肩身の狭い思いをするかもしれないが……それは我慢して貰うとしよう。緊急避難的に。
 それに今までにも同じような事を何度かやってるんだし、きっと笑って許してくれるだろう。
 もし怒っているようなら、マリューに頼んでナタル経由で許して貰うとしよう。
 何だかんだと、ナタルはマリューに弱いしな。
 そしてムウはナタルに弱い。

『所属を……』
「って、危ないぞ」

 恐らく今の通信に出ていたのだろうトーラスが隙を見せると、MDのトーラスがトレーズ派のトーラスに向かってトーラスカノンの砲口を向け……そこに、俺の操るミロンガ改のビームマシンガンが次々に命中し、MDのトーラスが撃破される。
 突然姿を現したミロンガ改を最初は敵として認識していなかったのだろうMDのトーラスだったが、今の敵対行為でこちらを敵と判断したのか、トーラスカノンの砲口がこちらにも向けられる。

『危ない!』
「安心しろ、俺を誰だと思っている? 俺は、鷹! 宇宙を鋭く斬り裂く、エンデュミオンの鷹!」

 キャラ作りをしながら叫びつつ、ミロンガ改を操ってビームを回避する。
 エナジーウィングを展開していないので、どうしても反応は鈍くなる。
 だがそれでも、元々ミロンガ改は高い機動力と運動性を求めて作られた機体だ。
 それを技術班が改修した機体である以上、攻撃力という面ではそこまで高くないが、純粋な機体性能という点で考えれば、それこそトールギスやエピオン、ウイングゼロにすら勝っている。
 もっとも、それはあくまでもエナジーウィングを前提としての話だが。
 サラマンダーやバルジとの関係でエナジーウィングを使う事が出来ない以上、そこまでの性能は発揮出来ない。
 ……それでも、この程度の敵を相手にするには十分なんだが。
 トーラスカノンの一撃を回避しながら、ビームマシンガンのトリガーを引く。
 ミロンガ改の機動力を使って縦横無尽に宇宙空間を飛び回っているにも関わらず、ビームマシンガンの弾丸は1発たりともトーラスから外れる様子はない。
 そうして命中し続ければ……1発の威力は低いビームマシンガンであっても、トーラスの装甲を貫くのは難しい話ではない。
 次の瞬間、宇宙空間に爆発の花が咲く。
 それを見ながら真っ直ぐにトーラスとの間合いを詰めていたミロンガ改は、左手でビームサーベルを引き抜き、トーラスの横を通り抜けざまに一閃。
 胴体を真っ二つにされ、再び爆発が巻き起こった。

「どうした、お前達は見ているだけか!?」

 トーラスを撃破しながら、トレーズ派の機体にそう叫ぶ。

『ふ、ふざけるな! 我等トレーズ派、MDを相手に黙って見ているような真似はせんっ! 皆、行くぞ! アンノウンばかりに戦わせるな! トレーズ派としての、意地を見せろ!』
『おおおおお!』

 俺と通信をしていたトレーズ派の男の声に、他のトレーズ派も同調するように叫ぶ。
 元々トレーズ派はその名の通りトレーズに心酔している者達だ。
 レディ・アン程ではないにしろ、トレーズ教の信者と呼ぶのに相応しい。
 それだけに、トレーズの名前を出され、更には俺という戦力のおかげでMDが次々に撃破されているのを思えば、そのまま見ているだけという事は絶対に有り得ない。
 射線を集中し、MDの逃げ場を奪うような形で次々に撃破していく。
 勿論MDの方も黙ってやられてはいない。
 MDとしての正確な機動でトーラスカノンを回避しながら、反撃の一撃を……

「甘いんだよ」

 撃とうとしたところで、ミロンガ改のビームサーベルの一撃により胴体を真っ二つにされ、爆発する。
 もしくは、トーラスカノンを放とうとしたところに、ビームマシンガンが放たれ、命中した衝撃でその射線が大きく外れる。
 また、エンデュミオンの鷹はトレーズ派の味方であると印象づける必要がある為、MDに撃破されそうなトーラスは率先して助けていく。

「ほら、これでラストだぁっ!」

 最後に残ったトーラスとの間合いをビームマシンガンを撃ちながら詰めていき、ビームサーベルで一閃する。
 胴体で真っ二つにされたMDは、次の瞬間宇宙空間に爆発の花を生み出した。

「ふぅ、これで一段落だな。……そっちは無事だったか?」
『え? あ、ああ。……その、助かった』

 映像モニタに映し出された男は、戸惑ったように俺を見ながら……それでも感謝の言葉を告げてくる。
 最初に戦場へ乱入した時はこっちを怪しんでいた男だったが、こうして戦いが終わってしまえば、俺を怪しむ事は出来ないのだろう。
 いや、勿論内心で怪しんでいるのは間違いないだろうが、MDとの戦闘で俺は何度もトレーズ派の連中の命を救っている。
 それだけに向こうも俺を無下には出来ないし……何より、俺の力とミロンガ改の性能がどれ程のものなのかを間近で見せつけられたのだ。
 これで敵対しようものなら、自分達が確実に死ぬと理解しているのだろう。

「そうか、そっちも無事で何よりだ」
『ああ。それで、その……色々と聞きたいんだが、もし良かったら俺達の基地に来ないか?』
「あー……悪いな。残念ながら、俺の姿を見て貰えば分かるように、色々と人目を憚るような立場にいるんだ」

 シャドウミラー産の変声機能を持っている仮面を被っているので、今の俺の姿はあからさまに怪しい。
 だが、幸いにもと言うべきか……このW世界において仮面を被っているのは俺だけではない。
 ゼクスという前例がいる以上、向こうも多少疑問には思っても致命的なものではない筈だ。
 また、向こうの基地に行けないというのは、当然のようにミロンガ改の問題がある。
 向こうが強引にミロンガ改を奪おうとかそういう風に考える可能性は皆無ではない……どころか、トレーズ派の現状を考えれば寧ろその可能性は高いだろう。
 そこまでいかなくても、データを取らせて欲しいと要望がある可能性は高い。
 また、もしこっちに対してそのような要求がない場合でも、補給の問題がある。
 このW世界のMSというのは、機体そのものは核動力なのでバッテリーとかのエネルギー補給の類は必要ない。
 だが、推進剤の類はMSにも必須だし、武器にエネルギーを充填するという珍しい方式を採っている。
 それに比べると、ミロンガ改はテスラ・ドライブのおかげで推進剤は必要ないし、ビームマシンガンやビームサーベルに必要なエネルギーも機体のブラックホールエンジンから直接取っている。
 別系等で開発されたMS……という説明をしても、少しでもMSに知識がある者であれば到底納得出来ないだろう。

『そうか。残念だが、そっちがそう言うのであれば仕方がないな。……ちなみに、これは好奇心から聞くんだが、ムウ殿はエンデュミオンの鷹という異名を持つという事だが……生憎俺はそんな異名を聞いた事がない。エンデュミオンという事は、以前は月の辺りにいたのか?』
「ああ、そうだ。……まぁ、俺の異名を知ってる者はそう多くないからな」

 エンデュミオンというのは、月にあるエンデュミオンクレーターに由来するものだ。
 ムウがこの異名を手に入れたのは、月で行われたザフトとの戦い……正確にはザフトが攻めて来たのを、迎撃した時に付けられたものだった筈だ。
 知ってる者がそう多くないというのも、SEED世界やシャドウミラーの中ではそれなりに有名だが、シャドウミラーが活動している世界全体で考えれば決してそこまで有名ではない。
 一応、嘘はついてないな。喋っていない内容が幾らかあるだけで。

『そうか。……なるほど』

 向こうの方で何やら納得してくれたらしい。
 まぁ、普通に考えれば、俺の事を連合軍のMSパイロットと認識したといったところか。
 エンデュミオンクレーター……つまり月は、現在連合軍の支配下にあるし。
 それに、シャドウミラーが連合軍に雇われているというのも事実なので、こちらもまた決して間違いという訳ではない。

『ムウ殿、今回は助かった。……連合軍にもこちらと同じ志を持つ者がいるというのを、嬉しく思う』
「何の事だ? 俺は別に連合軍の所属でもない、ただのMSパイロットに過ぎないぞ?」
『ああ、そのような事にしておかなければならないのだろう。それは理解した。……だが、今回助けてくれた事について感謝しているというのは、覚えておいて欲しい』
「分かった。そっちの感謝は素直に受けよう。……それで、聞きたいんだが、現在のところやっぱりトレーズ派は不利なのか?」
『ああ、残念な事にな。悔しいが、俺達ではMDに対処出来ない。いや、数を揃えれば対処も出来るんだが、向こうはその数をMDで補っている形だ』

 悔しそうな様子の男。
 まぁ、数を揃えなければMDに勝てないのに、向こうは無人機という特性を利用して好き勝手に数を増やす事が出来る。
 それに比べると、トレーズ派は有人機であるが故にどうしてもそう簡単に数を揃える事が出来ない、と。そういう訳か。

「だろうな。OZの中でもエースとして有名だったライトニング・カウントはどうしたんだ? 俺が聞いた話だと、かなり腕が立つって話だが」

 トールギスⅡについて聞こうかとも思ったが、その件がどこまで有名になっているのかは分かっていない以上、ここで俺がそれを口にすれば怪しまれる可能性がある。
 ……いや、今の時点で相当怪しまれているのは間違いないんだろうが。

『残念だが、ゼクス2級特佐の行方はこちらでも掴んでいない。トレーズ閣下との間にあった強い信頼関係を考えれば、こちらに協力してくれてもいいと思うんだが……』

 少し不満そうなその様子は、ゼクスが行方を眩ませているからか。
 ……けど、これでゼクスがトレーズ派に協力していないというのは明らかになったな。
 てっきりトレーズ派にいるんだとばかり思ってたんだが。
 となると、ゼクスは今どこにいるんだ?
 ゼクスの性格を考えれば、確かに今回のOZの内乱にそう簡単に顔を出すような事はないと思うが……難しいところだな。

「なら、レディ・アン二級特佐は? 宇宙に上がってるんだろ?」
『……いや』

 こちらでも首を横に振られる。
 正直なところ、レディ・アンもトレーズ派に協力していないというのは驚きだった。
 誰が何を言おうとも、トレーズ教の信者たるレディ・アンであればトレーズ派として行動しているものだとばかり思っていたんだが。

「となると、トレーズ派を纏めている奴はいないって事か?」
『残念ながらそうなる。元々俺達トレーズ派は、トレーズ閣下を慕っている者の集まりだ。そこには誰か中心人物がいるという事はない』

 何だが、色々な面で怪しげな組織だよな。
 勿論実際には主導しているような人物もいるんだろうが、その人物の影響力は決して大きくない……といったところか。

「分かった、情報はありがたく貰う。……現在のトレーズ派の勢力の中で、一番危なさそうな場所はどこだ?」
『行ってくれるのか!?』

 すぐに俺の言いたい事が分かったのだろう。男は喜色満面といった表情でこちらに視線を向けてくる。

「ああ。色々と訳ありだが、俺もトレーズ派の仲間……という訳にはいかないが、それでも協力者のつもりだ」

 これもまた、嘘ではない。
 トレーズ派にはもう少し頑張って貰い、OZの内乱を長びかせて貰う必要があるのだから。

『分かった、ではこれから幾つか座標を送る。このような状況だ、まだその座標の場所にトレーズ派がいるかどうかは分からんが……』

 その言葉と共に、座標が送られてくる。
 あっさりと俺を信じすぎじゃないか? とも思うが、実際にMDから助けるという行動でこちらの意志を示したのが大きかったのだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1130
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1328 
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