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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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50.便りが無いのは元気な証拠!って、8年は無いわぁ…

<山奥の村>

「会いづれぇ~…」
俺は先程から同じ言葉で繰り返しぼやいている。
「もう、いい加減うるさい!お前が行くと言い出したんだろ!」
「だって、何て言えばいいの?8年間音沙汰が無かった事を?」
そう…誰も俺が行方不明だった事を、お義父さんに伝えたなかったのだ。

「正直に言うしかないだろう。自分だけでも無事である事を伝えないと…」
ピエールが叱り付けてきた。
「君がそう言う事、言う!?」
「な、何だ!私は関係ないだろ!」
「8年だよ!8年間、音沙汰無しだよ!ありえないよ!君やマーリンはダンカンさんと面識もあり、8年前の事も把握しているのだから、手紙の一つでも出してくれてもいいんじゃないの?」
「な!…何て書けば良いんだ…」
「正直書いてくれれば良かったの!」
そんなやり取りをしながら俺達は村の奥へと進んで行く。


村の一番奥の家にノックをして入る。
「お義父さん…お久しぶりです…お元気でしたか?」
「ん?おお!リュカか!久しいなぁ…何だ、随分と音沙汰もなく…?ビアンカの姿が見えないが…何かあったのか?」
「はい…あの…」



「そうか…8年間、石に…お前も苦労したのだな…」
「………ビアンカも…」
「ビアンカの事は…心配してないよ。お前が必ず助け出してくれるのだろう?」
「はい!必ず」
俺は力の限り頷いて見せる。
「うん…では、心配はしておらん。お前ならビアンカを助け出してくれるだろうて………ところで…後ろの子供達は…もしかして…」

よし!良い感じで話を逸らせそうだ…
「あ!はい。お義父さん!紹介します。僕とビアンカの子供です」
「ティミーです」
「ポピーですおじいさま」
完璧だ!二人とも可愛らしくご挨拶…もうお祖父ちゃんメロメロ!

「おぉ!!二人ともビアンカによく似ている!」
え、俺には!?
「こんなお祖父ちゃんだけど、何時でも遊びに来ておくれ」
「「はい!」」
ダンカンさんの好々爺ぶりは母の居ない双子の心を癒してくれた様で、ここに来て本当に良かったと思う。



<山奥の村~サラボナ-途中>

双子はダンカン祖父さんが気に入ってしまった様で、昨晩は楽しく過ごす事が出来た。
しかし、朝起きて出立の準備をしていたらポピーが突然「お父さん!西の方から嫌な気配を感じる…」と、何やら震えだした。
可愛い娘が怯えているのに無視も出来ず、めんどくせーけどみんなで確認へ向かう事に…


山奥の村より4.5時間行った所に、奇妙な気配のする祠を発見した。
中に入ってみると下りの螺旋階段があり、底が見えない程深い所まで続いている。
俺達は螺旋階段を下り始めた。
するとポピーに続いてティミーまでもが震えだした。
二人の気を紛らわす為に『時代』を歌い、続いて『夢想花』を回りながら歌ってあげた…でも、あまり効果は無かったかな…
若い子には難しかったかな?

「しまった!!」
俺はある事に気が付き、後悔と共に叫んでしまった!
「どうした!リュカ?」
ピエールを始め皆が注目する…
俺はとんでもない事を忘れていた…
それに気付いたのは30分以上下り、底が見えてきた頃だった…
「すげー長い階段だけど………帰りめんどくせ~」
これって切実だと思わない?
でもみんなして呆れ顔で睨むんですよ!
でも双子が笑ってくれたので、良しとしますか。



祠の底に着くと、ぶっさいくな壺が一つ置いてあり、赤く奇妙に光っている。
しかし、それ以外の物は何も無い。
確かに奇妙な気配は感じるが、恐怖する程でもないし、早々に立ち去る事にする。
双子にもあんまり気にするなと、言い聞かせる事で落ち着いてくれたし、サラボナへ行って天空の盾を受け取らないと…
フローラ元気にしてるかなぁ~
こっそり手ぇ出しちゃおうかなぁ~
デボラのオッパイも魅力的だなぁ~
垂れてないといいなぁ~



<サラボナ>

町に入るとすぐにルドマンさんを発見した。
町の警備兵と何やら深刻そうに会話をしている…
何か…マズイ時に…来た…かな?
うん。先に天空の兜を回収しに行こう!

そう思い踵を返したその瞬間に…
「あ!リュカさん!?リュカさんじゃないですか!!」
俺を呼ぶ声が………アンディだ!
「何!!リュカか!?おぉ…ちょうど良い時に来てくれた!」
ルドマンさんが気付いちゃった。
面倒事だったら…アンディ、ボコる!
「オヒサシブリデス。るどまんサン」
「うむ…会って早々悪いのだが…」
きたよ…面倒事の予感、大!

「な、何っすかぁ~?」
「そうイヤそうな顔をするな…簡単な用事を頼みたいのだ」
イヤそうじゃなくて、イヤなんだけど…
「ナンデスカ?」
「うむ、実はな…ここより北に行った所にある、祠の一番深い所に壺があるのだが、その壺の色を見てきてほしいのだ…奇妙な事を「赤でした」

「「え!?」」
ルドマンさんとアンディーが間抜け面で呆けている。
「ここへ来る途中に寄ってきましたが、真っ赤に燃える太陽みたいでしたね」
「そ、それは…本当か…嘘を吐いたり、見間違いと言う事はないか!?」
何故か凄く疑われる…そんなに信用ないですか?

「ルドマン殿、私も見ましたが間違いなく赤かったです」
「ピエール殿が仰るのなら本当なのだろう…」
何か酷い事言われてませんか?俺…

「アンディ君!君は警備兵達に町の警備強化をする様に伝えてくれ!」
「はい!」
「その後で、戦えぬ者達への避難勧告もお願いする!」
「分かりました!」
アンディが颯爽とかけて行く。
何やらアンディが頼もしくなった様に見えるのは気のせいだろうか?
頼もしいアンディなど、常時満席の『山田○どん』みたいで違和感がある。

「リュカよ…お主は私と一緒に警備用の塔へ来てくれ」
何でだ!?
俺は関係ないだろう!
「あ、あの~…お忙しそうなので僕達はお暇しましょうか?」
「私とお前の仲だ!遠慮はいらん!」
遠慮したいんですけど~



ルドマンさんは塔の最上階へ着くまでの間に、今回の起こっている事のあらましを説明してくれた。(説明より、解放を求めたがスルーされた)
今から150年前、ルドマンさんの祖先のルドルフさんがブオーンと言う化け物を壺に封じ込め、北の祠へ封印した。その封印の効力が切れかかっていて、その証拠が赤く光る壺らしい。封印が解けると、山の様に大きな化け物が復活し、世界を破壊し尽くすと言われているらしい。

「………と言う訳なのだ」
ますます俺は関係ないだろう!
「へー…。ルドマンさんも大変ですね。じゃ、僕達はこの辺で…」
踵を返して帰ろうとする俺の腕を掴み泣きすがるルドマンさん。
「そんな事言わず助けてくれ!」
「えぇ~!めんどくさ~い!」
「す、少しの間ここで見張っているだけでいいから…私が再封印の準備をしている間だけでいいから!な?な!?」
仕方ないなぁ~!


ルドマンさんは塔を下り、再封印の準備に取り掛かっている。
みんなを見渡すと、ものっそい不安そうな顔をしている。
俺が、みんなの不安を取り払う為に、『We are the World』を熱唱し自己満足に浸っていると、遠くから地響きが近付いて来た。
不思議に思い振り返ってみると、そこには山の様に大きな豚の様な犬の様な化け物が佇んでいた。
「ぶぃ~い!ルドルフは何処だ!隠すと為にならんぞ!」
何これ?



 
 

 
後書き
出ます…
巨大怪獣ブーちゃんが! 
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