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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1662話

「ほう、私の名前を知ってるとは……誰から聞いたのかな?」

 俺の口から出た、ドクトルSという言葉に本人が反応する。
 いや、当然か。向こうにとっては初対面の俺が、いきなり自分の名前を呼んだのだから。
 まぁ、ドクトルSとか何だし、本当の名前じゃないんだろうけど。
 恐らくニックネームとかコードネームとか、そういうのなんだろう。
 ガンダムを開発していたのを思えば、そのくらいの用心は当然だった。

「色々とな。そもそも俺達シャドウミラーにはシェンロンガンダムやデスサイズ、他にも老師OやプロフェッサーG、ハワードといった面子もいる。……そこまで言えば、後は何も言わなくても分かるだろ?」
「なるほど。シャドウミラーがガンダムを戦力に組み込んでいるのは知っていたが、まさかハワード達まで取り込んでいたか。では、私の名前を分かってもおかしくはないな」

 鼻のカバー……いや、ノーズガードとでも呼ぶのか? ともあれ、そんな特徴的な物を着けている割りには、随分と常識人のような言葉遣いだな。
 まぁ、原作でも他の面子に比べると常識人っぽい感じはしてたが。

「それより、ガンダムの開発者が何でこんな場所にいるんだ? ましてや……」

 そこで言葉を切る。
 ドクトルSが作ったのは、L3宙域から出撃したヘビーアームズ、つまりL3宙域における影響力が強かったバートン財団の指揮下にいた訳だ。

「……少し、身の危険を感じてな」
「身の危険?」

 尋ね返しながらも、何となくその理由は想像出来た。
 元々ドクトルSを始めとして、ガンダムを開発した5人の科学者達はオペレーション・メテオの内容を勝手に変えていた。
 そうである以上、デキムにとっては裏切り者に等しい存在だろう。
 そんな科学者の中でも、ドクトルSがいたのはL3……バートン財団のお膝元と言ってもいい。
 そうである以上、ドクトルSが身の危険を感じてもおかしくはなく、寧ろ当然だろう。

「なるほどな。それにしても軍艦を盗んでくるというのは、予想外だったが。脱出するにしても、普通の宇宙船とかあったんじゃないか?」
「残念ながら、一番手っ取り早く手に入れる事が出来るのがこの軍艦だったんだ。見ての通り、かなりの老朽艦だ。だからこそ、バートン財団もこの艦にはそれ程注意を払っていなかった」

 ……考えようによっては、普通の宇宙船の方が古い軍艦よりも使い勝手がいいのか?
 まぁ、軍艦ってだけで相手に警戒されるのは、それこそ俺達が証明しているしな。

「まぁ、話は分かった。……けど、バートン財団の下から逃げ出して、これからどこに行くつもりだ? 向こうもそう簡単にお前達を見逃すとは思えないが」

 これが、普通の脱走兵であればデキムもそこまで執着しないだろう。
 いきなり本拠地のX-18999コロニーから逃げ出した事により、バートン財団は評判が悪い。
 ましてや、デキム本人にはトレーズやゼクスのようなカリスマがある訳でもなく、原作でデキムが傀儡としていたマリーメイアも、その血筋の根拠となるトレーズはロームフェラ財団でも世界国家でもなく……今はまだOZの代表という立場でしかない。
 そんな風にカリスマ性が足りないだけに、バートン財団が本拠地を捨てて逃げ出したというのは連合軍も若干脚色してではあるがメディアで露出させている。
 そうなると、ただでさえ人数の少ないバートン財団にとって、余計に不利になる訳で……そんなバートン財団を見放して脱走兵になる奴が出て来てもおかしくはない。
 実際、連合軍は何度かバートン財団から脱走してきた兵士を保護し、そこから情報を得てバートン財団の隠れ家を襲撃したらしいし。
 もっとも、当然の事ながらデキムの周辺は信頼出来る面子だけで固めてあるのか、襲撃出来たのはバートン財団の中から見てもいつでも切り捨てられるような場所でしかなかったみたいだが。
 ともあれ、そんな風に脱走兵が出ているバートン財団だが……ドクトルS達をそう簡単に逃す事が出来るとは思えない。
 普通の兵士ならいなくなっても戦力的な影響は微々たるものだが、ガンダムを開発出来るだけの技術を持っている科学者の集団だ。
 新型MSを開発させるなり、本人的には絶対にやりたくないだろうが、MDの改修や分析のようにやるべき行為は幾らでもある。
 ……そう言えば、バートン財団の科学者達がこうして大挙して脱走してきたって事は、サーペントはどうなるんだうな?
 ああ、でもサーペントは元々連合軍が対MD戦闘を念頭に置いて開発していた機体に、ヘビーアームズの技術を流用して完成した機体だ。
 つまり、MDがまだ完全に広まっておらず、ましてや連合軍もMDを使っているとなると、開発すらされない可能性もあるのか?
 ともあれ、少なくても今のバートン財団でサーペントが運用される心配はしなくてもいいのだろう。

「どこに行くか、か。……何故私達がここにいたと思う?」
「は? いや、偶然じゃないのか?」
「残念ながら……いや、この場合は幸いにもというべきか、違う。私達が庇護を求めることが出来る勢力というのは、非常に限られている。……まさか、プロフェッサーGや老師Oまでもがシャドウミラーに匿われているとは思っていなかったが」
「その言葉から考えると、まさか俺達が来るのを待っていたのか?」
「うむ。……もっとも、正直なところ一種の賭けに近かった。実際、もう数日の間ここで待っていて駄目であれば、他の場所に向かうつもりではいたのだが」

 その言葉を聞く限り、ある程度俺達シャドウミラーの動向は理解していたが、それは完璧ではない。そういう事になる。
 だとすれば、連合軍に忍び込んでるだろうスパイから情報を得た……といった感じじゃないのか?

「どうやって俺達がここを通るというのを知ったんだ? 連合軍がここを通るのであれば、その可能性に賭ける事も出来たかもしれないが、今回はあくまでも俺達シャドウミラーがいるのを見越しての話だったんだろ?」

 ましてや、俺達がこの宙域を通ると……いや、ピースミリオンの下に向かおうと決めてから実際に出発したのは翌日。そして出発してから何日か経ってはいるが……
 そこまで考え、ふと思いついた。

「もしかして連合軍の通信を盗聴しているのか?」

 普通であれば、とてもではないが出来ない事だ。
 それこそ、この手の通信には何重にもプロテクトが掛けられているのだから。
 だが、今回はどうやってかは分からないが、その通信を傍受したのがガンダムを開発出来るだけの技術を持ったドクトルSであり、更に悪い事に俺達が乗っている軍艦は相当に年代が古い。
 つまり、軍艦に乗せられているコンピュータの類も相応に古い代物という事になる。
 そのような事情が幾つも重なり……結果として、この艦からD-120コロニーに送られた通信を傍受し、暗号を解読したのではないか。
 そんな俺の予想は、ドクトルSの目が小さく驚きに見開かれたのを見れば、正解だったのだろう。

「ほう、よく分かったな」
「……それで、こうしてわざわざ俺達に接触してきたという事は、シャドウミラーに入隊を希望するのか?」
「うむ。……ただし、全員ではないがな。この艦ともう1つの艦には、シャドウミラーに入隊したいと考えている者と、連合軍に降伏したいと思っている者がいる。シャドウミラーには、その者達の仲介を頼みたい」
「なるほど」

 普通に連合軍に降伏するだけでは、厳しい取り調べが待っている可能性がある。
 勿論俺達シャドウミラーが間に入って仲介しても、取り調べの類はなくならないだろう。
 だが、強引な……それこそ暴力的と言ってもいいような取り調べは、シャドウミラーが間に入った以上は出来なくなるし、それ以後の待遇についても俺達が間に入ったのと入ってないのとでは大きく違ってくるだろう。
 そう考えれば、ドクトルSの考えは理解出来ないでもない。
 もっとも、軍人がある程度この軍艦と隣の軍艦に乗っているのは、俺も予想出来ていたが。
 そもそも、軍艦を動かすには専門の知識が必要になる。
 それこそ、この軍艦やもう1隻の軍艦のように旧式であれば余計にそうだろう。

「この脱出騒ぎに関わっているのは大体何人くらいで、シャドウミラーに合流しようとしているのは何人くらいだ?」
「2隻合わせて、大体80人程。その中で20人程がシャドウミラーへの合流を希望している」
「……20人か。人が多くなるのは悪い話じゃないんだが……」

 元々シャドウミラーが少数精鋭なのは、前線に出て戦うメンバーはガンダムパイロット級、もしくは準ガンダムパイロット級の操縦技術が必須だった為だ。
 だが、MSパイロット以外でなら、人数は多ければ多い程……とはいかないが、それでもある程度はいた方がいい。
 凛がやっている書類整理もそうだし、現在は連合軍から人を借りて行っている整備とかの雑用……そして今回手に入れようとしているピースミリオンの運用にも当然人が多ければ多い程いい。
 そう考えれば、悪い事ではないんだろうが……さて、どうしたものか。
 一応シャドウミラーのトップは俺ということになってはいるが、この手の事は他の面々からも意見を聞いた方がいい。
 ……まぁ、何だかんだ言ってドクトルSを助けるんだから、ハワード、プロフェッサーG、老師Oの3人は賛成するだろうけど。

「取りあえず話は分かった。俺達が乗ってる艦の艦長に事情を話してみる。そこからどうなるのかは、連合軍の判断にも関わってくるから、何とも言えないが……それでも構わないか?」
「ああ、シャドウミラーに全て任せる」

 言葉通り本当の意味で全面的に俺達に全てを託す……という訳ではないのだろうが、それでもこうして言葉にした以上、ある程度任せはするのだろう。
 そのまま格納庫の床を蹴って、トールギスのコックピットに戻る。

「艦長、ちょっといいか?」
『はい、なんでしょうか?』
「この軍艦の正体が判明した。バートン財団から逃げ出して連合軍に投降しようとした者達と、シャドウミラーに合流しようとしている連中の集まりだった」
『……は?』

 映像モニタに映し出された艦長は、俺が何を言っているのか分からないと、そんな表情を浮かべる。
 まぁ、その気持ちは分からないでもない。
 実際、俺も最初に話を聞いた時は同じように思ったのだから。

『ええっと、それは……何かの冗談か何かですか?』
「そう言いたい気持ちは分かる。分かるけど……残念ながら、本当だ」
『色々と疑問もあるのですが。例えば、どうやってここで私達を待っていたのか、とか』
「それに関しては、どうやってか通信を傍受していたらしい」
『通信を? ……一応様々なプロテクトが仕掛けられている筈なんですが』
「だろうな。けど、そっちの艦は色々と古いだろ? そしてこの艦には、ガンダムを開発した科学者が乗っている」
『っ!? それは、本当ですか!?』

 ガンダムの開発者と聞いて、顔色が変わったな。
 それは分からないでもない。
 あれだけの機体を開発出来る技術者だ。連合軍にとっても、喉から手が出る程に欲しいだろう。
 どちらかと言えば、ガンダムよりもトールギスを開発したという意味の方が強いかもしれないが。
 連合軍にとって、ガンダムというのはトールギスの下位互換と思っている者も多い。
 ……まぁ、それは決して間違っている訳じゃないんだけどな。
 そもそもの話、俺がトールギスを使ってガンダム3機と互角以上に戦っている光景を見た者は多いのだから。
 だが、それはあくまでも俺を……パイロットの安全性を全く気にせずに作られたトールギスの性能と、物理的な現象に対しては核攻撃であろうと全く無意味な俺という存在があってこその事だ。
 普通のパイロットであれば、今のトールギスに乗ったら間違いなく死ぬ。
 原作でも精鋭揃いの中でも、更にゼクスの部下として抜擢されたオットーが、最終的にはトールギスの性能によって死んでしまった。
 ましてや、今のトールギスはハワードの手により改修され、原作の物よりも更に高い機動力を持っているのだから。

「ああ。だが……ガンダムを開発した科学者は、シャドウミラーに対しての合流を希望している。そっちには渡せないぞ」
『……それは、どうにもなりませんか?』
「残念ながらな。どうしても何とかしたいのであれば、直接交渉する事だ。ただ、バートン財団から逃げ出してきた兵士達がいる。情報だけでも相当のものがあると思うぞ」

 それこそ、バートン財団が所有している隠れ家とか、そういう情報は連合軍にとって喉から手が出る程に欲しいだろう。
 ゲリラ戦術に徹しているデキムとバートン財団の力を削るには、1つずつであっても拠点を潰していくしかないのだから。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1327 
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