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オズのアン王女

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第十幕その二

「丁度場所も空いてたし」
「だからですね」
「それで置いて、ですね」
「皆楽しんでいる」
「そうなんですね」
「今の私達みたいに」
「そうよ、私もこうして楽しんでるわ」
 こうジョージ達五人にも言うのでした。
「明るくね」
「そして汗をかいて」
「そう、三時のティータイムも楽しんで」
「またやるのね」
「そうよ、ただ三時からは別の遊びをしない?」
 アンは考えながらドロシーに提案しました。
「そうしない?」
「そうね、それもいいわね」 
 ドロシーもアンのその言葉に頷きました。
「バスケだけでも飽きるから」
「三時の後はじっくりとね」
「じっくりと?」
「この国を見て回りましょう」
 こう言うのでした。
「ウーガブーの国をね」
「僕達を案内してくれるんですか」
「貴方達がこの国にここまで長くいてくれることははじめてだから」
 それでとです、アンはジョージに答えました。
「だからね」
「それで、ですか」
「この国の名所を案内させてもらうわ、ただ」
「ただ?」
「小さな国だから」
 自分のお国をこうも言ったアンでした。
「すぐに案内も終わるわね」
「そうですか」
「まあそれでもじっくりと見て回ればいいわ」
「それじゃあ」
「ええ、晩御飯まではね」
「そうするんですね」
「そして晩御飯は」 
 アンはこの時のこともです、ジョージ達にお話しました。
「黄金の林檎が出るから」
「凄く楽しみにしています」
「そうしておいてね」
 こうしたことをお話してでした、皆でです。三時までバスケットボールをしてそうしてティータイムの後はウーガブーの国の中を案内してもらって。
 そのうえで宮殿で晩御飯となりました、するとです。
 デザートに黄金の林檎があります、ジョージ達はその林檎を見て笑顔で言いました。
「いよいよだね」
「黄金の林檎を食べられるね」
「デザートにあるから」
「デザートの時には」
「食べられるわね」
「ええ、けれどまずはね」
 アンは気持ちが逸る皆に笑顔で言いました。
「コースを食べましょう」
「今晩はロシア料理なのね」
 ドロシーはそのお料理を見て言いました。
「濃いサラダにボルシチ、ピロシキに」
「そう、鱒のフライにね」
「ビーフストロガノフ、あとロールキャベツね」
 ロシア風のロールキャベツです、コースのメニューに書かれています。
「コースで出してくれるのね」
「そうよ」
「じゃあ最後の最後で」
「黄金の林檎よ、私も食べるわ」
「そうするのね」
「もう一個食べたらね」
 それでというのです。 
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