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オズのアン王女

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第九幕その九

「皆食べ過ぎで困る位に」
「そこまで食べるのならだ」
「もう、ですね」
「五大湖という場所の鯉達もだ」
「アメリカ人が鯉を食べれば」
「問題はすぐに解決だ」
「そうなりますね」
 ジョージ自身カリフ王の言葉に頷きました。
「やっぱり」
「余はそう思う」
「確かに」
「ましてこの様な美味しい魚を食べなくてどうするか」
「しかも栄養が凄くあるのよ、鯉は」
 アンは鯉のこのことも言いました。
「鰻と同じで食べれば元気になれるお魚よ」
「そういえば日本の野球チームでもそうですね」
 ジョージはここでふと気付きました。
「カープ、鯉のチームがあります」
「あら、そうなの」
「はい、この前優勝してました」
「その鯉のチームね」
「広島のチームでして」
 神戸から西にあるチームです、チームカラーは赤です。
「鯉みたいに活力のあるチームになれ、とのことで」
「チームの名前になったのね」
「そうです、虎に強いですね」
「虎に強い鯉ね」
「そうなんです、阪神タイガースってチームがあるんですが」
 まさに虎です。
「そのチームに強いんです」
「虎に強い鯉ね」
「そうです」
「不思議なお話ね」
 アンは鯉が虎に強いと聞いて首を傾げさせています、そうしながらアン自身鯉のお刺身も天麩羅も楽しんでいます。
「外の世界もそうした不思議があるのね」
「本当に不思議ですよね」
「そうですね」
「腹ペコタイガーさんもこのお話には首を傾げてたね」
 トトもこう言います。
「何で鯉が虎に強いのか」
「そうだよね」
「うん、僕も聞いて変なお話だと思ったよ」
「そうだよね」
「どんな虎かってね」
「野球チームのことだけれど」
「というかその虎のチーム強いの?」
 トトはかなりダイレクトにです、ジョージに尋ねました。
「アメリカにも虎のチームがあるけれど」
「デトロイトにね」
「日本の方はどうなの?」
「いつも肝心な時に負けてるよ」
「じゃあ弱いの?」
「ここぞという時はね」
「ううん、そんなチームなんだね」
 トトはジョージのお話から阪神タイガースについてこう思いました。
「変なジンクスがあるのかな」
「あるね、どうも」
 ジョージも否定しませんでした。
「あのチームには」
「やっぱりそうなんだ」
「そこそこ勝ってもね」
「勝負時になると」
「信じらない負け方をするんだね」
「それも不思議だな」
「うん、見ていて不思議だよ」
 実際にというのです。
「アメリカ人の僕からもね」
「阪神が日本一になるには」
 日本人、そして地元だから阪神ファンでもある恵梨香の言葉は切実です。 
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