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星河の覇皇

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第六十二部第五章 当選その二

「対策を講じていくのだ」
「ギルフォード侯爵、ひいてはエウロパに」
「そうなのですね」
「そうなる、しかしだ」
 ここでこうも言ったシャイターンだった。
「彼が選挙に出た時にな」
「当選はですか」
「わかっていたのですか」
 弟達も言うのだった。
「兄上は」
「そう読まれていましたか」
「カリスマ性が違う」
 だからだというのだ。
「カリスマですか」
「それが」
「カリスマというものはこの世で最も不思議なものの一つだ」 
 こうも言うのだった。
「その人間にアッラーが授けられるものの中でもな」
「何をしなくても引き寄せられることもあれば」
「何をしても人が来ないこともある」
「そういうものだからこそ」
「不思議なのですね」
「あれだけ不思議なものはない」
 こうしたことも言うのだった。
「あの侯爵殿は実績で備えたがな」
「武勲と政治的実績ですね」
「その二つで」
「そして演説の才能によってもだ」
 これもあってというのだ。
「カリスマを備えたのだ」
「実績でもそれは備わる」
「そうなのですね」
「そういうことだ、そしてその備えたカリスマでだ」
 それによって、というのだ。
「彼は総統になる」
「エウロパの者の圧倒的な支持を受け」
「そうして」
「彼は強硬派だ」
 ギルフォードのその考えについても言った。
「連合に対してな」
「正面から向かって行く」
「対抗していきますか」
「そうなる、だが連合に向かう分だ」
 その分を引いて、というのだ。
「我々に対しても対立するがな」
「連合よりは、ですね」
 アブーも言うのだった。
「その向ける力は小さいですね」
「連合は巨大だ、相当な力を向けなければな」
 そうでもしない限りはというのだ。
「あの国には対抗出来ない」
「巨大な国だからこそですね」
「連合がな」
「だからあの国に主な力を注ぎ」
「余りの力でだ」
 連合に向けてだ、そこで残った力でというのだ。
「我々に向かう」
「では彼はサハラには」
「我々にも対立を選ぶがな」
 しかし、というのだ。
「しかし主なのはあくまでだ」
「連合ですか」
「この国ですか」
 彼等が今いるこの国だというのだ。 
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