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星河の覇皇

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第六十二部第四章 選挙前日その二十二

「彼にしても」
「彼は政治家として清流だ」
 その立場に属するというのだ。
「人材は清濁併せ持ててもだ」
「その度量はあってもですか」
「彼自身は」
「あくまで清流だ」
 その中にいるというのだ。
「それ以上ではないからな」
「だからですか
「清流以外の手段は執れない」
「そうなるのですね」
「そこが弱点となるのだ」
 八条のそれだというである。
「負の、裏の手段はな」
「疎い、ですね」
「むしろ不得意ですね」
「そしてそれが、ですか」
「彼の欠点ですか」
「表だけでも、裏だけでもだ」
 双方がないと、というのだ。
「何かと不都合があるがな」
「彼は表だけだからこそ」
「そこが問題になりますか」
「限界がある」
 八条、彼にもというのだ。
「それがどうなるかだ」
「ですか、それでは」
「あの長官殿は清流である」
「そしてそこが、ですね」
「狙い目にもなりますか」
「わかっていても執れない方法がある」
 その人物の性格によってだ、個人の性格もまた政治の世界に影響するものなのだ。もっと言えば相性もだ。
「彼にもな」
「ではエウロパは」
「そこに、ですか」
「付け込める」
「それが可能なのですね」
「若しかすればな」
 可能性としてだ、カミュは答えた。
「出来るだろう」
「左様ですか」
「ではそこに」
「強敵といえども弱点がある」
 八条にしてもというのだ。
「そのことを忘れずにな」
「では」
「その様に」
 スタッフ達も応える、そうしてだった。
 カミュは選挙についてもだ、こう言った。
「では敗北が決まっていてもだ」
「それでもですね」
「そのうえで」
「戦っていく、改革派の受けるダメージは少しでも和らげる」
 その為に向かっていくというのだ、そうした話をしてそのうえでだった。彼は最後の最後まで戦っていくのだった。 
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