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Good and evil ー悪で覆った正義ー

作者:鬼心
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第一話 徹底的な正義

 
前書き
誰とのコラボかお知らせするのをしっぽり忘れてました。
ハカイシンさんです
※今回はちょっとグロい描写あるので苦手な方は閲覧をお控えください※ 

 
ふと、紙から目を離し上を見上げる。
そこはジメジメとしている、所謂裏路地といわれる場所で、彼の視線の先には薄汚い雑居ビルがあった

「ここがその場所が···」

学生服を着崩した青年がそう言いながら、ビルの中に入るや否や、ただならぬ気配を感じた。
それと同時に2階で不快な臭いが発せられていることに気が付いた。

「うっ···この臭いは···まさか!?」

彼は少しばかり思考を巡らせた後、一つの答えに辿り着いたのと同時に、彼は一目散に二階へとかけ上がって行った。

「クソッ、やっぱりか···」

そう、彼が考えて居たことは、“手遅れ”や“荒っぽい事”なんか子供騙しに思える程の事だった。
そこには、醜く飛散している血液や肉、血塗れの肉塊のようになった人間が3つ転がっていた。
一人は腕をチェーンソーで引き裂かれたのか、切断面が荒っぽく、そこから止めどなく血液が流れ出て、頬を横に切断されたのか、口の中が丸見えになってしまっている。
他のふたつはそれよりももっと悲惨な事になっているが、それよりも残酷な事は何と、この三人は全員生きているのだ。
目を充血させ、想像を絶する痛みに耐えながら、彼らは失血死することを待つしかないのだ。
その三人の真ん中にいる白色の将校の帽子を被り、純白のマントであったのであろうマントに身を包んだ青年が彼に背を向けて立っていた。
彼には、これをやったのはこいつだという確信を持っていた。所々白くなっているマントは返り血で真っ赤になってしまっている。
そんな青年の前に一人の女性が居た。黒髪のショートで、制服を来ている。
青年の所業を見ていたのだろう、顔は青ざめて、目には涙を浮かべ、恐怖の余りに失禁していた。
女性は腰が抜けて、立てないらしく、座り込んで壁際に居る、いや追い詰められていると言った方が正しいだろうか。
そして、青年はその女性に今まさに、手を下そうとしていた。

「君が綾野か!?」

彼は、咄嗟にそう叫ぶと、青年は此方を振り向きこう言った。

「一ノ瀬 零司(れいじ)···また貴様か···邪魔はするな」

その青年の目は冷たく、静かなる殺気を帯びていた。

「ちと、これはやりすぎだな、風紀委員長、月雲(つくも) (みかど)!」

二人は臨戦態勢を取る。
先に動いたのは、零司の方だった。
一瞬で帝との間を積めて風を切る程の速さのパンチを帝のこめかみ目掛けて放った。
零司の目は、人を倒す為に全てを捧げる、狂戦士(バーサーカー)の様だった
帝はその攻撃に対して、マントから素早く鎖鎌を取り出して、零司の腕に鎖を巻き、腕を引っ張って攻撃の方向を変えた。

「攻撃の方向を変える事に、さほど力は要らない。貴様の桁外れのパワーでさえもな、このまま貴様の腕を鎖で締め上げて木っ端微塵にしてやりたいが、そこまでのパワーは俺には無い」

そう言って帝は鎌を零司の心臓向かって降り下ろした。

「俺にはもう一本腕が有るんだぜ!?」

そう言って、拘束されていない左腕で帝の腹を殴った。
信じられない速度だった。零司が拳を握った、と思った直後、拳は帝の腹部を抉っていた。
これには堪らず帝は、胃液を吐き出し鎖鎌を手放して距離を取った。

「ゲホッゲホッ、やはり、その圧倒的なパワーとスピード···野放しにしておく訳にはいかんな」

「てめえになら遠慮はしなくても大丈夫だな!?安心しろ殺しはしない」

「ナメるな」

帝はそう言い放ち、マントから槍を取り出して、零司に投擲した。
零司は咄嗟に、両腕を体の前で交差させた、腕に槍が刺さったが体に槍が刺さることは防いだ。

「ジャベリン···投擲に優れた槍だ」

帝はまたもマントから武器を取り出した。
零司は腕に刺さった槍を抜き、攻撃に備える。
帝はナイフを持っていた、そのナイフの刃をこちらに向けて何かのピンを抜いた。
その瞬間、空を切る音がしたのも束の間、肉を抉る音が聞こえた。

「クッ···クソッ、ナイフを飛ばしてきやがった··!?」

零司の左胸にはナイフが深く刺さっていた。幸い、肺には当たっていなかった。

「油断したな?スペツナズナイフだよ···次は心臓に当てる···」

そう言って帝は再度ナイフを構えた。
零司は思った。このまま戦って居るとマズい、一旦引かねば!と、だが帝はそう易々と逃がしてはくれないだろう。
だが、零司には何かを考えている余裕は無かった。
そこで零司はある賭けに出た。

「うおぉぉぉぉぉぉ!」

雄叫びを上げて、帝に近づく、帝は行きなりの行動に動揺して反応が遅れた、零司は帝を通り過ぎ、女性の制服を掴んで近くに有った窓を割り、逃走した。

「ふぅ、あいつも動揺するんだな···賭けには勝ったな····」
二階から飛び降り、着地その後女性に目を向けた。


ーTo be continuedー


 
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