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オズのアン王女

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第六幕その十

「また違うわね」
「そうですね」
「どうしても」
「そこは違いますね」
「首都の位置はね」
「首都は、です」 
 大尉が言うには。
「やはり国の中心になりますね」
「必然的にね」
「その首都が左にあると」
「少しね」
「何かが違うのではないかともです」
「思うわ、私は」
 どうしてもいうのです。
「何かね」
「ですが首都を中心にです」
 そのブリキのお城をです。
「道が整備されていて運河もありますので」
「最初から中心じゃなくて」
「今は、ですね」
「そうなったというのね」
「そうした中心もあるから」
「自分から中心になる」
 例え場所が中心でなくてもです。
「それでもいいかしら」
「言われてみれば」
「それもまたね」
「首都もそれぞれですね」
「そういうことね、最初から中心にある場合もあれば」
「中心になる首都もある」
「そういうことね、それに」
 ここでこうも言ったアンでした。
「オズの国の首都が一番大事で」
「エメラルドの都ですね」
「もう都ははっきりしているから」
「だからですね」
「それはもうね」
「いいですね」
「そうなるわね」 
 こう言うのでした。
「ウィンキーの首都がウィンキーの東の方にあっても」 
「はい、首都になった場所で」
「しかもオズ全体の首都はね」
「中央にありますので」
 オズの国全体のです。
「二つの意味で」
「いいわね」
「はい、そうなりますね」
「ちなみにね」 
 ここでこんなことも言ったアンでした。
「ウーガブーの国は小さいから」
「だからですか」
「首都はないわ」
 そうだというのです。
「柵の中全体が国よ」
「そうしたお国ですね」
「強いて言うなら王宮がね」
 アンが住んでいるその場所がというのです。
「あの国の首都ね」
「そうなるのですね」
「皆すぐに来てくれるわ」
 アンはにこりと笑って言いました。
「首都までね」
「何かあれば」
「そう、すぐにね」
 それこそというのです。
「来てくれるわ」
「それは便利ですね」
「全くよ、有り難いわ」
 笑顔で言うアンでした。
「来てって言ったら皆すぐに来てくれるから」
「行き来が楽ですね」
「私もすぐに行けるし。そのウーガブーの国まで」
「あと少しですね」
「そうね、近くに来たら」
 それこそというのです。
「皆わかるかしら」
「私はわかるわ」
 ドロシーが笑顔で答えました。
「何度も行き来してるからね」
「貴女はそうね」
「オズの国の大抵の場所を何度も冒険してるから」
 それだけにというのです。 
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