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オズのアン王女

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第六幕その七

「美味しいわ」
「そう、ただジャムも」 
「油断出来ないわね」
「その油断が失敗につながるからね」
「お料理についてもね」
「そうなんだよね」
 実際にというのです。
「こちらもね」
「難しいわね」
「色々と難しいよ」
「農業もお料理も」
「僕もこれまで色々と失敗してきたよ」
「そして今ではですね」
 恵梨香はその見事な苺畑を見て言いました。
「こうして立派な苺畑になったんですね」
「黄色い苺がいいですね」
 カルロスはラッシーが作ったその苺達を見ています、ウィンキー産の苺なので色は奇麗な黄色なのです。
「ジャムも黄色ですね」
「あっ、よく見たら」
 神宝は広がる畑を見回しました、するとそこにある苺達は。
「赤や青、緑に紫と色々な苺がありますね」
「オズの国全ての苺があるんですね」
 ナターシャも言います。
「ここの苺畑には」
「じゃあジャムや他のお料理もですね」
 最後にジョージが言いました。
「色々な色があるんですね」
「そうだよ、これもね」
 ここでラッシーは五人に瓶詰めのジャム達を出しました、それは赤や青、緑に紫にとそれぞれの国の苺から作ったジャム達でした。
「色々なんだよ」
「うわ、奇麗ですね」
「オズの国ならではですね」
「黄色だけじゃなくてそれぞれの色で」
「宝石を溶かしたみたいです」
「苺のジャムじゃないみたいです」
「けれど苺なんだよ」
 このことは間違いないというのです。
「この畑で採れたね」
「そうですよね」
「紛れもなくですね」
「苺のジャムですね」
「ラッシーさんが採って作った」
「そうしたジャムですね」
「僕が作ったからはっきり言えるよ」
 それこそというのです。
「これは全部苺のジャムだよ」
「外の世界ではそれぞれのお国の色のお野菜や果物はないから」
 ドロシーも言います。
「青い苺や緑の苺はないのよね」
「あったらびっくりしますよ」
 それこそとです、ジョージはドロシーに応えました。
「オズの国のものだって」
「うふふ、そう思うわよね」
「はい、僕達の世界で見たら」
 それこそというのです。
「そう思います」
「そうよね」
「いや、本当にです」
「けれどオズの国でjはね」
「それぞれのお国の色があって」
 ジョージはまた言いました。
「それで」
「お野菜や果物もそうなるから」
「それぞれの色の苺もですね」
「あるのよ」
「味は変わらないよ」
 ラッシーは五人にこのことを保証しました。
「だから安心してね」
「それじゃあ」
 ドロシーはラッシーのそのお話を聞いて言いました。
「丁度時間だから」
「ティータイムですね」
「十時ーーですから」
 これまで周りをゆっくりと見回していた大尉とチクタクが応えました。 
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