| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十二部第三章 投票直前その十三

「彼はそれも可能だ」
「そこまで相手に困っていないというのですね」
「そうだ、だからな」
「ご本人が気付いてくれれば」
「相手には困らない」
 それこそ、というのだ。
「どう考えてもな」
「何故そこでご本人が気付かないのか」
「鈍感にしてもな」
「それでもですね」
「それが過ぎる」
 あまりにも、というのだ。
「こと恋愛に関してはな」
「彼の困ったことですね」
「そこがあの主人公と違うな」
「源氏の君とですね」
 源氏物語の主人公である光源氏である。八条は名門の嫡男である血筋と容姿、資質からそう呼ばれているのだ。
 しかしだ、その光源氏と違いというのだ。
「長官殿は」
「こと女性に関してはな」
「全く以てですね」
「あそこまで鈍感だとな」
 どうもと言うキロモトだった。
「何かと大変だろう」
「特に八条家の方々が」
「もう結婚してもいい頃だ」
 年齢的にもというのだ。
「そもそも政治家はな」
「男女問わずですね」
「家庭が必要だ」
「これは体面の問題ではないですね」
「確かに政治家としての体面もあるが」
 しかしというのだ。
「それでもだ」
「家庭があるとですね」
「やはり違うな」
「安らぐことが出来ます」 
 アッチャラーンも妻子がいる、それで言えるのだ。
「私にしてもそうです」
「よき妻子がいてこそな」
「中々よき妻子も難しいものですが」
「家庭のこともな」
「幸せな家庭もまた難しいです」
 そうした家庭を維持して築くこともだ。
「しかしそれが築ければ」
「政治家としてもな」
「安らぎの場を得ることが出来て」
「楽になる」
「だからいいと思います」
 アッチャラーンにしてもというのだ。
「私も」
「そうだ、だから私もだ」
「八条長官にですね」
「そうした家庭を持って欲しいのだが」
「それが、ですね」
「中々な」 
 どうにもというのだ。
「難しいな」
「彼にとっては」
「幸せな家庭を持ってこそだが」
「その前提条件の段階で」
 つまり結婚するそれもというのだ。
「どうしても」
「難しいことだ」
「お見合い等は」
「してもだ」
 流石に八条家の嫡男だけはありだ、そうした話が実に多い。そして実際にこれまで見合いも数多く受けているが。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧