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星河の覇皇

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第六十二部第三章 投票直前その六

「我々は最早植民地になることはない」
「ましてやエウロパに膝を屈するなぞ」
「その様な愚かな野心はだ」
「出来る筈がありません」
 連合では植民地自体でのことは暗黒時代になっている、彼等はその時の歴史からエウロパを憎悪してもいるのだ。
 だからだ、キロモトも言うのだ。
「到底」
「だからだ、彼等のその野心はだ」
「こちらで、ですね」
「へし折る」
「あの侯爵殿のそれもまた」
「巨鯨は飲み込めない」
 他のどの様な生物にもというのだ。
「リバイアサンはな」
「あの鯨はそうですね」
 連合のある星にいるとてつもなく巨大な鯨である、その大きさはそれこそ六百メートルにも達している。その鯨ならばというので。
「誰にも飲み込めないですね」
「そういうことだ、大地を支える魚もな」
「バハムートですね」
 イスラム教の大地を支える巨大な魚だ。
「あの魚もまた」
「誰にも飲み込めないからな」
「エウロパに対してだ」
「我々はバハムートになり」
「そして向かいだ」
 そうしてというのだ。
「あの国の愚かな野心を止める」
「それが一番ですね」
「あの連中に膝を屈するなぞ」
「二度とあってはなりませんね」
「だからだ」
 それで、というのだ。
「我々は大きくなる必要がある」
「それでは」
「マウリアも我々の邪魔は出来ない」
 彼等の内政はというのだ。
「それはな」
「流石にそれはですね」
「彼等もしてこない」
 エウロパへの介入は妨害してもというのである。
「それは我々の逆鱗だからな」
「国力の発展を妨げられることは」
「我々はだ」
 それこそ、というのだ。
「絶対に許さない」
「相手が誰であろうともですから」
「それでだ」
 さしものマウリアもだというのだ。
「彼等はな」
「我々の発展は妨げませんね」
「それに我々の発展はな」
「彼等にも返ってきますし」
「だからだ」
「我々には発展してもらうのですね」
「そしてエウロパにもだ」
 彼等にもというのだ。
「発展してもらうのだ」
「そうすれば両方からですね」
「利益を受けられるからな」
「いいことですね」
「マウリアにとってもな」
「つまりです」
 アッチャラーンはここで考えをまとめた、そうしてキロモトに話した。
「我々以上にですね、エウロパには」
「高いペースでな」
 同じ発展するにしてもというのだ。
「発展してもらいたいのだ」
「だから助けて」
「そうだ」
 そして、というのだ。 
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