星河の覇皇
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第六十二部第三章 投票直前その五
「一つ一つでもな、そしてそれはだ」
「その打つ手はですね」
「エウロパが大きくなるならばだ」
そのギルフォードの手でだ。
「我々もだ」
「大きくなることですね」
「国力を伸張させる」
「これまで通り」
「要するにそういうことだ」
「復興し成長する敵国に対するには」
「そして彼等にこれといって打つ手がないのならな」
それならばというのだ、その場合に打つ手とはだ。政治はそうした場合でも手を打たねばならない世界だからこそ。
「こちらも大きくなる」
「そうなりますね」
「相手に打つ手がなくとも手は打てる」
「他ならぬ自分達が強くなる」
「そして相手に対する」
つまり内政の充実、それこそがというのだ。
「それをしていこう」
「ではこのまま」
「インフラの整備とこれまでの惑星の再開発にだ」
それにだった。
「辺境だな」
「連合の外周部ですね」
「あの辺りも収めてな」
「外周部の海賊やテロリストを征し」
「不法入国者達を組み込む」
連合の中にというのだ。
「百億単位でいるという彼等をな」
「そうして辺境の内政も整え」
「国力をさらに伸張させる」
こうしていくというのだ。
「これでエウロパと対する」
「それがベストですか」
「ベストというよりはな」
「オンリーですね」
「他にはない」
今現在連合が執るべき政策はというのだ。
「内政の充実しかな」
「これまで続けている様な」
「連合は元々内政がメインの国だ」
その政治のだ。
「貿易、教育、福祉もな」
「開拓開発も」
「そうした国だ、そしてだ」
「エウロパに対することも」
「それもだ」
そうすることもだというのだ。
「内政がだ」
「その対抗手段となりますね」
「国力があってこそだ」
まずだ、これが国家に備わってこそというのだ。
「対抗出来るからな」
「内政でなく謀略ばかりでは」
「敵には勝てない」
それが無理だというのだ。
「敵を弱くしようともこちらが弱くともな」
「何にもなりませんね」
「だからだ」
「我々はですね」
「国力を伸張させる」
これまで通りだというのだ、キロモトは淡々とさえして話していく。
「そしてあの侯爵殿の野心をだ」
「折りますね」
「よく我々を植民地の様にすると言っているがな」
「よくそんなことが言えますね」
「それは無理だ」
「我々を再び植民地にするなぞ」
「出来る筈がない」
到底、というのだ。
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