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星河の覇皇

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第六十二部第二章 苦戦の中でその三十一

「何とかな」
「対抗出来ていますね」
「その十億の軍備だが」
 それはというと。
「相当な無理をして維持しているからな」
「その軍を維持出来てですね」
「さらに発展出来る程にな」
「我々は助けるのですね」
「技術を渡したりしてな」
「そうして発展してもらい」
「連合との国力差を出来ればだ」
 クリシュナータはその目の光を強くさせて言った。
「縮めてもらう」
「その百倍の差を」
「流石にこれ以上開いてはまずい」
「かつての日本と北朝鮮の様にですね」
「北朝鮮の国力は日本の百分の一以上だった」 
 日本は北朝鮮の百倍以上の国力があったのだ。
「しかし対立していた」
「そうして対立出来た理由は」
「軍隊があったからだ」
 北朝鮮の軍、人民軍がいたからだ。日本と対立出来たというのだ。
「周辺国の存在もあったがな」
「それでもですね」
「それなりの軍隊があればな」
「何とか、ですね」
「対立出来る」
 それが可能だというのだ。
「その様にな。しかし」
「それでもですね」
「軍を維持するにも力が必要だ」
 これは政治の常識だ、軍隊にも予算が必要だからだ。金がなくして調達出来て維持出来る軍隊も存在しない。
「国力がな」
「しかしエウロパは」
「無理をしている」
 その十億の戦力の維持にとだ。
「千億の人口でな」
「百人に一人の戦力ですね」
「これはやはりな」
「大きな負担ですね」
 尚エウロパは徴兵制ではない、志願制である。
「どうしてもそうなりますね」
「それでもだ」
「エウロパはその軍備があるからこそ」
「何とかです」
 連合と対立出来ているというのだ。
「そうした状況ですね」
「北朝鮮もそうだった」
「あの国もまた」
「エウロパは国民生活は豊かだ」
 特に貴族達はだ。
「しかし北朝鮮は国民生活が完全に破綻していた」
「それでもでしたね」
「軍隊を維持していた」
 そうしていたというのだ。
「国民が餓えていてもな」
「国民が餓えてもそうしていては」
「やがては軍も維持出来なくなる」
「国家自体が完全に崩壊して」
「エウロパにはそうなっては困る」
 連合と対立出来なくなりだ、マウリアもバランサーとしての旨味が得られないからである。だからだというのである。
「強くなってもらおう」
「彼等は連合以上に発展するつもりですが」
「それは無理だ」
 クリシュナータはエウロパのその望みは一言で否定した。 
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