星河の覇皇
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第六十二部第二章 苦戦の中でその八
「そうしてくれ」
「そうですか。それでは」
「その様に」
こうして彼等は退出する、だがだった。
モンサルヴァートの仕事は終わらない、ホテルの彼の部屋においてまだ保守派の面々と話した、今度は長老達ではないが。
選挙スタッフの者がだ、彼に強く言うのだった。
「何としてもです」
「選挙にだな」
「はい、勝たねばならないので」
それでだというのだ。
「明日来られる方々は」
「スペイン貴族の」
「カルミニ侯爵家の方々の晩餐会に出席されて」
「そのうえでだな」
「侯爵家の支持を取り付けましょう」
何としてもというのだ。
「絶対に」
「それがだな」
「はい、スベインでの大きな支持基盤となります」
「カルミニ侯爵はスペインの重鎮だったな」
「左様です」
その通りだとだ、スタッフも答える。
「農業界において」
「スペイン農業のか」
「スペイン一のワイン工房を持たれ」
「ワインの販売もだな」
「かなり手広く扱っておられ」
そしてだった。
「アグリビジネスもしておられます」
「だからだな」
「スペイン農業界において重鎮になっておられます」
「その侯爵と会いか」
「是非支持を取り付けなくてはなりません」
「侯爵は確か保守派だったな」
モンサルヴァートは彼のことをだ、スタッフに問うた。
「そうだったな」
「その通りです」
「それで大丈夫ではないのか」
「これまでの選挙はそうでしたが」
「今回は、か」
「そうはいきません」
無条件での支持はないというのだ。
「あの方も揺らいでおられます」
「保守はにいながらも」
「ギルフォード侯爵支持に動かれるのかと」
「あの侯爵殿にか」
「ですから」
それで、というのだ。
「あの方はです」
「晩餐会に出てだな」
「あの方が主催される」
それに出て、というのだ。モンアルヴァートが。
「そうしてです」
「支持を取り付けるのだな」
「何としても」
絶対に、というのだ。
「そうしなければなりません」
「わかった、ではな」
「はい、お願い出来ますか」
「出る」
その晩餐会にというのだ。
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