| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜

作者:ドリ男
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

356



謎の女性:「もはや警察もシルフには
手を出せん。いくら不審な動きを見せても
表沙汰で法に触る事は何1つしてないからね。
、、まぁ、仮に何かしたとしても、
幅広くポケモンを手にしたシルフには到底
(かな)いやしない。だから
あんたや私が動くしかないのさ、、。」



サトシ:「、、、」



謎の女性:「シルフはこの世界を
変えようとしている。私も別に今の世界が
好きな訳じゃないが、一般の人に
影響を与える事は避けたいからね」






今の現状を突きつけられた
サトシは、言葉も出なかった。





謎の女性:「、、そうそう。
私があんたの前に現れた理由、、。それは
シルフに寝返るずっと前に、シンジが
あんたの話をしてたからさ」



サトシ:「、、、シンジが俺の話を?」



謎の女性:「そう。
、、、かつて、最強を目指し旅をした時、
生き方も価値観も正反対のトレーナーがいた。
最初はそのトレーナーを理解出来ず、
決して相手にする事は無かった、、」



サトシ:「、、、」



謎の女性:「だが、道行く中で会うに連れ、
そのトレーナーは自分とは違う何かを
生み出していった、、、」




サトシ:「、、、」





〈回想〉
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






シンジ:「そう思ってからだ。、、俺が
奴を意識し始めたのは、、」



謎の女性:「へぇ、、。あんたと正反対の
トレーナーねぇ」



シンジ:「ポケモンは強さがあってこそ、
初めてそこに価値が生まれる。
俺はそう思っていた。、、だが、
信頼だの絆だのと温い考えで俺の前に立つ
あいつは、双方のどちらが正しいのかを
決める最後のバトルで、”俺に出来なかった事”を
やってみせた」



謎の女性:「ほう、、」



シンジ:「奴のやり方を決して
認める事の無かった俺が、人生で初めて認めた
好敵手(ライバル)、、。バトルで負けた時、
奴はポケモンだけでなく俺自身にも
影響を与えた、、。あの日以来、
結局一度も会う事も無く幾年も時が過ぎたが、
近い内、奴は必ず俺の前に現れる」



謎の女性:「なるほど、、、だから、
あんたはここ(カントー)に来たって訳かい。
そのトレーナーも自分と同じように
消えたポケモンを捜索していると踏み、
あわよくば協力して世界を戻そうと、、」



シンジ:「、、、ふんっ。協力する気は無いが、
俺が最強を手にする為には、先ずこの
腐った世界を元に直す必要があるからな。
、、、次にバトルした時は、必ず俺が勝つ」




謎の女性:「、、素直じゃないねぇ。
ところで、そのトレーナーの名前は?」




シンジ:「、、、」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





謎の女性:「シンジがシルフに寝返った後、
たまたまその話を思い出し、それで
あんたとコンタクトをとったって訳さ」





サトシ:「、、、シンジ、、」


サトシは初めて知った。
シンジがカントーへ来た理由と
自分をライバルとして認めていた事を。
本来なら喜ばしい話だが、
それ以上にサトシは、自分がシンジの思いに
応えなかった事への憤りを感じた。



謎の女性:「まぁ、その後あんたと会った
みたいだけど、何故だかあまり多くを
語らなくてね、、、」




サトシ:「、、、」



謎の女性:「、、おや、何だか
心あたりあるような顔だね、、」



サトシ:「、、、俺は、、」



謎の女性:「ん?」



サトシ:「俺は、世界を取り戻します」



以前も似たような事があったが、
ヒロシに励まされて以来
落ち込む事をやめたサトシの目は、
力強い眼差しで真っ直ぐ女性を見た。



謎の女性:「、、、」



サトシ:「だから、、だから俺に、、いや、
”俺達”に力を貸して下さい」



サトシは深く頭を下げた。



謎の女性:「、、、ふっ。どうやら、
正式に交渉成立したみたいだね、、、。
私がどうやってシンジにポケモンを
提供していたのか教えよう」



サトシ:「え?」



サトシが頭をあげると、謎の女性は
水晶を取り出した。






 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧