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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第四幕その八

「いいけれど」
「先生海は好きだけれど」
「観るだけだから」
「水着にもならないし」
「スポーツは絶対にないから」
「バカンスもね」
「今回はしないかな」 
 ここで皆で先生にお顔を向けて言うのでした。
「海でくつろぐ」
「時間があればかな」
「泳ぐことは絶対にしないけれど」
「それでもね」
「バカンスは時間があればね」
 その場合にと答えた先生でした。
「するけれど」
「それでもなんだ」
「あくまで時間があれば」
「プールサイドやビーチでくつろぐ」
「そうするんだね」
「安楽椅子に座って」
 スーツ姿のままです。
「トロピカルドリンクや西瓜を楽しんで」
「そしてだね」
「海を観て楽しむ」
「そうするんだね」
「僕は泳げないから」
 本当にスポーツには縁のない先生です。
「だからね」
「そうするんだね」
「まあ先生らしいね」
「それじゃあそっち楽しんで」
「思う存分ね」
「そうさせてもらうね」
 実際にこう答えた先生でした。
「時間があれば」
「そして今はだね」
「学問を楽しむんだ」
「私達と一緒に」
「そうさせてもらうよ、しかし海蛇だけれど」
 そのエラブウミヘビについてもお話する先生でした。
「凄く大人しいからね」
「よく言われてるよね」
「海蛇は大人いいって」
「そうした生きものだって」
「そうだよ、ハブよりもずっと大人しいよ」
 サトウキビ畑でお話した蛇です。
「だから噛まれることは殆どないんだ」
「毒凄く強いのに」
「それでもなんだ」
「物凄く大人しいから」
「安心していいんだ」
「そうだよ、お口も小さくて」
 そのこともあってというのです。
「殆ど気にしなくていいよ」
「そうなんだ」
「それじゃあだね」
「安心して」
「そのうえで」
「お話も出来るよ」
 こうしたことをお話してでした、そのうえで。
 真喜志さんは先生達が乗っているヨットをビーチから離れた岩場のところに向かわせました。そしてです。
 その岩場のところで錨を下ろすとです、先生は海の中に向かって声をかけました。
「誰かいるかな」
「呼んだ?」
「僕達のことを呼んだ?」
「うん、ちょっとお話を聞きたいけれど」
 先生は海の中からの返事にまた言いました。
「海面に出てくれるかな」
「捕まえないならいいよ」
「お話をするだけならね」
「私達にしてもね」
「約束するよ、お話を聞くだけだよ」
 先生は声達に確かな声で答えました。
「絶対にね」
「この人はドリトル先生だよ」
「だから皆安心していいよ」 
 動物の皆も海中に対して声をかけます。
「ドリトル先生は知ってるよね」
「僕達動物の友達だよ」
「約束を破ることは絶対にないよ」
「だから安心していいよ」
「よし、それじゃあ」
 声達は皆の言葉に頷きました、すると。 
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