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『残骸』

作者:零那
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『中の黒』



人が産声をあげるのは何故。
僕は産まれ堕とされて不幸だと本能で悟った。
産んだ人を呪い殺したい程。

揺るぎない母性愛、揺るぎない家族愛、揺るぎない絆。
そんなもの一切無いって知ってた。
誰も傷つけず生きてくのは無理だ。
けれど、傷つけない為に産まない選択は出来た筈。

悪夢だらけの現実で、曖昧に濁しただけのモノクロな現実。
強い心が欲しい。
何も刺さらない心が。
頑丈で壊れない壁で覆いたい。

何も感じない心は淋しいと気付いた。
誰かの弱さやイタミに気付けないのは哀しいと感じた。
優しくしたい相手に優しくできないのは辛いと想った。

強さと弱さ、良いか悪いかじゃなく、場合による。
弱さがなければ強くなれない。
強くなければ優しくなれない。
きっと、強いのも弱いのも悪いことなんかじゃない。

それでも強くなりたいと願ってやまない。
矛盾してる。


 
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