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フロンティアを駆け抜けて

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ダイスロール・バトル

自分にバトルを挑む相手を振り切り、施設内に駆け込むジェム。さっそく挑戦したい旨を話すと、受付のお姉さんがポケモンを回復させたうえで二つのサイコロを渡してくれた。何の変哲もない6面ダイスに見える。

「これは……?」
「ここの施設名はバトルダイス!挑戦者の運と駆け引きを試す場所でございます。ルールをご説明しますね!」

お姉さんの説明によるとルールはシングルバトル。挑戦者はバトルの前に六面ダイスを二つ振る。その際に出た目のどちらかが使用できるポケモンの数になり(3が出たら3対3のシングルバトル、6が出たら6対6のシングルバトル)、もう片方の出目が回復できるポケモンの数になる(1が出れば手持ちのうち一匹しか回復させることは出来ない。6が出れば全員回復させられる)。なお回復はバトルの『後』に行われる。
重要なのは、どちらがバトルするポケモンの数で、どちらが回復する数なのかは挑戦者が選択することが出来る点。。つまり、3と4が出れば3対3のバトルで4匹回復させるか4対4のバトルで3匹回復させるかを選ぶことが出来る。

ポケモンバトルの性質上、数が少ないほど相性の差が露骨に出て運の勝負になりやすいが数が多ければ多いほど傷つくポケモンの数も増え一長一短である。具体的には1と6が出た場合、挑戦者は6体全て回復できる代わりに一対一のリスクを抱えるか、6対6とはいえ後で一匹しか回復させられないかのリスクを背負うことになる。そのあたりの駆け引きが鍵となるらしい。

「うん、分かった。やってみるわね!」
「はい、頑張ってください!」

あどけないジェムの返事に、受付のお姉さんがにこりと微笑み、道を開ける。そこを進むと、白塗りの正方形で構成された部屋についた。まるでサイコロの中にいるみたい。とジェムは思った。バトルフィールドの片方につくとジェムの傍にお椀をひっくり返したような物体が現れる。

「そこにダイスを入れ、ひっくり返してください。バトルが終わるごとに一回振ってもらいます」

変わった振り方ね、と思いながらジェムは従う。バックギャモンや丁半などでされる振り方なのだが、ジェムにはその知識はなかった。

「出目は……2と4!」
「では、2対2のバトルにするか、4対4のバトルにするかを選んでください」

ジェムは考える。単純に考えれば2対2を選択すればバトルのあと手持ち全てを回復できるはずだ。

「私は2を選ぶわ!」
「了解しました。では……バトル、スタートです!」
「えっ?相手は?」

まだここにはジェムしかいない。対戦相手の姿を探してきょろきょろと周りを見回すと、バトルフィールドの対面にいきなり人が出現した。スーツに七三分けの会社員風の男だ。

「うわっ!びっくりした!」
「ふふ、バトルフロンティアにおいては対戦相手は基本的にヴァーチャルトレーナーとヴァーチャルポケモンが務めます。ヴァーチャルと言っても、質量を持った立体映像ですので本物と変わらないバトルが出来るとお約束します」
「すごい仕組みね……まあ、普通にバトルが出来るなら文句はないわ!」

ヴァーチャルトレーナーがバッティングセンターのピッチャーのような定められたモーションでモンスターボールを投げる。そしてこう言った。

「私の 業績に 失敗はない お前を 倒して 昇進確定だ!」
「ヴァーチャルに昇進があるのかしらないけどそうはいかないわ!まず最初は……やっぱりあなたね。出ておいで、ラティ!」
「ひゅああん!」

ジェムは回復したラティアスをボールから出す。ヴァーチャルの会社員はマッスグマを繰り出した。

「マッスグマ 頭突き」
「ラティ、影分身!」

まっすぐ突っ込んでくるのを分身しつつ横に移動してラティアスが躱し、急ブレーキをかけるマッスグマの背後を取る。すかさずジェムが指示を出した。

「竜の波動よ!」

ラティアスの口から銀色の光が噴出し、振り返ろうとしたマッスグマに直撃する。マッスグマは倒れた。すると、その姿が消滅する。一瞬驚いたが、バーチャル故の処理だろう。会社員が再び一定のモーションでボールを投げる。出てくるのはマルノームだ。

「ヘドロ爆弾!」
「サイコキネシスで捻じ曲げて!」

大口を開けて放たれる毒の爆弾を、サイコキネシスで当たらない場所へと方向を捻じ曲げる。床に着弾すると溶けるような音がしたが、実際には抉れたりはしなかった。

「もう一度サイコキネシス!」

強烈な念力がマルノームの体を持ち上げて、床に叩きつける。効果抜群の一撃を受けてマルノームも一撃で倒れた。ぐっと拳を握りしめるジェム。

「馬鹿な …… 私は もう 終わりだ」
「やったわ、ラティ!」
「ひゅうん!」

頑張ったラティアスを抱きしめてやると、ラティアスも喜んで頬ずりした。

「早速だけどわかったわ。この施設のやり方が!数の少ない方を選択して戦い続ければ、バトルの後で全てのポケモンを回復させられる!」
「……。回復の処理を行います。ボールにポケモンを戻し、次のダイスを振ってください」

一瞬沈黙があったが気づかないジェム。言われた通りにボールにラティアスを戻すとボールが光った。回復が終わったらしい。ダイスを振ると、次の目は――6と3。

「3!」
「了解しました」

作戦通りに3を選択するジェム。ヴァーチャルのトレーナーが現れた。今度はパラソルを持ったお姉さんだ。

「心の 涙に 濡れないように パラソルを してるの」
「お母様と違って詩的ね……今度はこの子よ!出ておいで、キュキュ!」
「コーン!!」

キュキュというニックネームをつけられたキュウコンをボールから出す。次のバトルが始まり、ジェムは最初は問題なく勝利していった。

だが、ジェムの作戦には穴があり、この施設はそんなに簡単ではないことを彼女は痛感することになる――


「1を選ぶわ」
「了解しました」

これで13戦目。少しずつ相手のポケモンが強くなっていることを感じつつも、作戦は曲げないジェムは1と4で1を選ぶ。

「将来は トレーナーから お金を 絞り取る 仕事に 就きたいです」
「嫌な子だわ……出てきて、ルリ」

塾帰りっぽい男の子相手に眉を顰めつつ、マリルリを繰り出す。そして相手が出してきたのは――ドククラゲだ。80本もの触手が蠢く姿を見て、ジェムはしまった、と思う。

「……!ルリ、注意して!」

マリルリのタイプは水とフェアリー、そしてドククラゲのタイプは水と毒。水同士はお互いに効果が薄く、毒とフェアリーでは毒が有利。水とフェアリーの物理技を軸にしているマリルリと、触手で近づくもの絡めとるドククラゲは極めて相性が悪かった。そして1対1である以上、ポケモンの交換は出来ない。

「ドククラゲ 溶解液」
「確実に行くわよ、アクアリング!」

触手から放たれた液体を、水のリングで弾き飛ばす。さらにこのリングは少しずつだがマリルリの体力を回復することが出来るのだ。

「触手に捕まらないように注意しながらアクアテール!」
「ドククラゲ 絞り取る」

水のリングが触手を弾き、マリルリも必死のフットワークで触手を避けていく。そして水の尾が強くドククラゲの体を打とうとするが――

「ドククラゲ バリアー」
「逃げて、ルリ!」

その一撃は透明な壁に弾かれる。すぐさま逃げるように指示したが、接近した状態からは逃げられない。触手にマリルリが捕まってしまう。

「ドククラゲ しぼりとる」
「ルリ、アクアジェット!」

アクアジェットで触手から逃れようとするが、何十本もの触手からは逃げられない。体を締め上げられマリルリの体力がどんどん削られていく。

「こうなったら……馬鹿力よ!」

マリルリが限界を超えた力でもがく。使用した後攻撃力と防御が下がってしまう代償があるためあまり使いたくはなかったが仕方がない。なんとか自力で脱出した。しかし今度は、触手の包囲網がマリルリの行く手を塞いでいる。

「ドククラゲ ヘドロ爆弾」
「……ハイドロポンプ!」

怒涛の水が正面から来る毒を弾く。だがヘドロ爆弾は80本の触手から、つまりは全方位から飛んできていた。ハイドロポンプでは一方向にしか対処できずほとんどの毒をその身に被る。マリルリが悲鳴を上げて倒れた。

「ルリ!!」
「君のような カモネギが 一番 相手に しやすいんだよね」

マリルリは戦闘不能になった。つまり、ジェムの負けだ。敗北感に包まれ、ボールにマリルリを戻した後、体から力が抜けてぺたりと座り込んでしまう。

「負けた……私、お父さんの娘なのに……もう負けちゃった……」

膝にぽたぽたと涙が落ちる。ジェムはとても負けず嫌いであった。おくりび山でジャックに負けた時も、毎回悔しさに駆られていた。特にジェムは自分をチャンピオンの娘としての自立心や責任感のようなものをとても強く抱えている。バーチャル相手に負けてしまったことは、彼女の誇りをとても傷つけた。

「うぅ……ぐす……私、もっと考えれば良かった……ごめんね、ルリ」

泣きながらボールの中のマリルリに謝る。少女は悔しさに拳を震わせと自分のポケモンと父への罪悪感に涙を零しながらも『次』を考えていた。その精神がジェムを強くさせる。彼女が13歳にしてここまでの実力を付けたのは、決してチャンピオンの娘というだけではない。

受付のお姉さんに退出を促され、ジェムは敗北を噛みしめる。次はきっと勝つと心に刻みながら――



「これで止めよ!ルリ、アクアテール!」
「リル!」

マリルリの水玉の尻尾が水を纏って巨大化し、相手のワカシャモを押しつぶす。泣きながら対策を考え、時間を置いて再挑戦したジェムは順調にバトルダイスを勝ち進んでいた。バトル終了とともにダイスを振り、出たのは1と4。

「……4を選ぶわ!」
「了解しました」

先ほどの敗戦で学んだこと。それは1や2のような数字を選ぶとポケモン同士の相性が出やすく、安定した勝利は難しい。よって極力そのような数字は避け、3対3以上のバトルに持ち込むのを基本とした。アイドル風のバーチャルが現れる。

「私の ファンへの サービス たっぷりと 味わってください」
「あなたのファンになった覚えはないわ。いくよ、ラティ!」
「ひゅああん!」

だが大きい方の数字を選択することはすなわちバトルの後に回復できるポケモンが少なくなることと同義。そのあたりのバランスが難しかったが、ジェムは対策も考えていた。

「アーボック 噛み砕く」
「下がって自己再生!」

開始早々にラティアスと相手のポケモンに距離を取らせ、回復技を命じる。実はさっきの勝負でラティアスはダメージを受けたのだが回復はさせず、代わりに他のポケモンを回復させていた。理由は今のように、ラティアスは自力で回復する技を使うことが出来るからだ。

「アーボック 蛇睨み」
「サイコシフトよ!」

アーボックがラティアスをお腹の模様で睨みつけると、ラティアスは恐怖心から体の動きが鈍くなる――が、それをサイコシフトで逆に相手を麻痺状態にしてしまう。回復技だけならマリルリはアクアリングを使えるし、ジェムの手持ちには他にも回復技を使える手持ちがいるのだが、状態異常さえも自己解決出来る点でラティアスは優れていた。

「サイコキネシス!」
「ひゅうん!」

相手の動きが鈍くなったところをサイコキネシスで持ち上げ、バトルステージの壁に叩きつける。毒タイプに対しサイコキネシスは効果抜群で、一撃で倒せるかに思えた。

「ウタンの実 使用 アーボック ゲップ」
「もう一度サイコキネシスよ!」

だがバトルフロンティアは一筋縄ではいかない。勝ち進むごとに道具を持つポケモンが増え、その効果を活かしたバトルを展開してくるようになる。ウタンの実とはエスパータイプの攻撃力を下げる木の実で、ゲップは木の実を使用した時のみ使用できる毒タイプの強力な技だ。木の実を食べたアーボックの口から毒の気体が吐き出され、ラティアスの周りに漂う。もう一度サイコキネシスで床に叩きつけるとアーボックは倒れたが、ラティアスは苦しそうだ。アイドルは次にオクタンを繰り出す。

「ラティ、下がって!出てきて、ルリ!」
「オクタン 冷凍ビーム」

オクタンがドラゴンタイプ相手に有利な冷凍ビームを放つ前に、ジェムはポケモンを交代する。水タイプ相手ならば水タイプを持ちつつフェアリーの技で攻撃できるマリルリが有利と判断したのだ。

「ルリ、じゃれつく!」
「オクタン 十万ボルト」
「!!」

予想外の技に驚くジェム。水タイプのポケモンが電気タイプの技を使うのは珍しい。近づこうとしたマリルリが強力な電流をまともに受ける。

「……頑張って、ルリ!」
「リル!」

それでも足を止めず、オクタンの懐に潜り込んでじゃれつくマリルリ。じゃれつく、という愛らしい技名とは裏腹に威力は高く、オクタンとともに床を転がりながら、その体を殴打していく。

「オクタン 十万ボルト」
「アクアジェットで吹っ飛ばして!」

オクタンがその口に電気をためる間に、先手を取って動く。水を尻尾から噴出して勢いをつけて殴りかかる。オクタンの体が吹き飛ばされ、戦闘不能になった。ヴァーチャルのオクタンの体が消失し次のポケモン、チリーンが現れる。風鈴のような体からリン、と涼やかな音が鳴った。

「エスパータイプが相手なら……出てきて、ミラ!」
「チリーン サイコキネシス」

マリルリを戻し、出てくるのはヤミラミだ。チリーンの念力は悪タイプのヤミラミには通用しない。しかもヤミラミもまたラティアスと同じく自己再生の使えるポケモンであり、この施設には向いているといえた。

「ミラ、爪とぎよ!」
「チリーン 交代」

ヤミラミに対し有効な技がないのか、アイドルはチリーンをすぐに引っ込めた。意味のない技を延々と打ち続けたりしないあたり、ヴァーチャルの頭脳も悪くないことが伺える。代わりに出てきたのは、ウインディだ。

「ウインディ フレアドライブ」
「ここは負けられない……ミラ、見切りからのシャドークロー!」

ウインディの体が燃え上がり火車の如く突進してくるのを、わずかな動きで見切って躱す。そして背後を取り、鋭く研ぎ澄ました爪を振るわせた。ウインディの毛並みに傷がつく。

「ウインディ 逆鱗」
「……自己再生でやり過ごして、ミラ!」

傷つけられたウインディが激怒し、無茶苦茶に暴れまわる。その動きに蹂躙されつつも、自らの体を回復させることで瀕死を免れる。そして、逆鱗の代償が訪れウインディの体がふらふらとおぼつかなくなり始めた。その隙を突こうとするジェム。

「今よ!だましうち!」
「キーの実 使用 ウインディ フレアドライブ」

ウインディが木のみを齧ると、混乱が治り再び体が燃え上がる。その体が動き出す前に鋭い爪で体を切り裂くが、倒しきれずにフレアドライブに吹き飛ばされる。ヤミラミがふらふらと立ち上がり、ウインディは――攻撃の反動で体力がつき倒れる。最後のチリーンが出てくるが、悪・ゴーストのヤミラミの前にエスパーとノーマル技しか覚えていないチリーンになすすべはなくそのまま決着をつけた。

「……勝った!」
「なんで 私に 気持ちよく 歌わせて くれないの ……」

バーチャルのこころなしか悲しそうな音声がすると、受付のお姉さんのアナウンスが聞こえる。

「それでは1匹回復させるポケモンを選んでください」
「……私はルリを回復させるわ」
「了解しました」

マリルリの入ったボールが光り、回復処理が終わる。するとお姉さんは事務的な声にわずかに喜色を混ぜてこう言った。

「おめでとうございます!次はフロンティアブレーンとのバトルになります。ダイスの準備はいいですか?」
「フロンティアブレーン……!ここまで来たんだもの、絶対倒してみせる!」

フロンティアブレーンとはそれぞれの施設にいるトップの様な存在であり、彼らを倒すことでその施設を制覇したと認められる。その戦いまでたどり着けたことにまずは喜び、勝って兜の緒を締めた。そして運命のダイスロール。出た目は――

「3と5……悩ましいわね」

普通のバトルならいい目であり、3を選べば大抵の相性問題は何とかなるうえにバトルの後5体を回復出来る。だが相手はフロンティアブレーンであり、今までとは格の違う相手だろう。ならば。

「私は5を選ぶわ!」
「了解しました。では……フロンティアブレーンの、おな~り~!!」

堅い木を打ち鳴らすような音が部屋中に響き渡り、ジェムの対面の壁だと思っていた部分が襖のように開く。その向こうにもまた襖のような扉があり、それがどんどん開いていった。

その奥から現れたのは――白塗りの顔に目や口に赤いメイクをしている、服は赤と青の二色で構成されたど派手な着物を着た2m近くある初老の大男だった。ジェムに芸能の知識があれば歌舞伎を思い浮かべたかもしれない。

初老の大男はずんずんこちらに歩いてくると、小柄なジェムを見下ろして楽しそうに笑った。

「ほう、儂のところに始めてたどり着いたのはこんなちまい嬢ちゃんかい。山椒は小粒でもぴりりと辛いってぇところか?」
「……ちまくて悪かったわね」

体が小さいのはジェムの中では少しコンプレックスである。ムッとするジェムに、大男はまたも豪快に笑った。

「ははははは!悪い悪い、てっきり荒くれ物ばかりが挑戦しに来ると思ってたんでな。……んじゃ、さっそくやるか?」
「ええ、そうしましょう。……絶対に勝つんだから」
「おいおい、あんまり気負わねぇでくれよ?このバトルフロンティアはあくまで遊びさ」

そう言うと大男は腰の瓢箪を口を当てて中の液体を飲み始めた。中に入っているのは酒だろう。

「……あなたにとっては遊びかもしれないけど、私は負けるつもりはないわ。お父様の娘として恥ずかしくないバトルをしなきゃいけないもの」
「お父様……?ん~?」

大男はジェムをまじまじと見つめる。そしてジェムのオッドアイに、納得したようにポンと手を打った。

「おおそうか、おめえあのチャンピオンの娘さんかい。そうか……もうそんだけ時が経ったんだな。儂も年を取るはずだ」
「お父様を知ってるの?」

いや、知る知らないで言えばトレーナーがチャンピオンである父を知らないはずはないが。大男の言い方はもっと直接的な知り合いであるように聞こえた。

「ああ、多分お前さんが生まれる前の話だが昔チャンピオンロードで戦ったことがあってな。……いやあ昔から強かったぜ。そして楽しかった。あいつのバトルはよ。……こいつはますます楽しくなってきたな。あいつの娘がどんなもんか……俺の名はゴコウ・カモン。バトルダイスのフロンティアブレーンとして……いざ、勝負!」
「その期待、応えてみせるわ。……いくよ、みんな!」

二人はお互いにボールを取り、バーチャルではない本物のポケモンを呼び出す。

「出てこい、松に鶴!」
「来て、キュキュ!」

松に鶴というニックネームのつけられたドダイトスとキュキュと名付けられたキュウコンが場に出、戦いの火花を散らす――  
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