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『現実世界』

作者:零那
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『虚像世界』



暗闇にずっと居たんだ。
でも、一筋の光が輝いた後、激しく唸る雷鳴で暗闇が無くなった。
すべてが嘘だったかのように世の中が変わったんだ。

僕は僕を忘れた。
全部を綺麗に忘れた。
欠片ヒトツ残さず。
君も君を忘れたらいい。
解放してあげて。

過去と現在を繋いでるもの、其れは事実と記憶。
そんなものは棄ててしまえ。
命さえ棄てて、ほら、迎えが来た。
白い花が降る。

悔しさで噛み千切る唇。
慣れた鉄の味で正気に戻る。
憎しみが愛に変わることはない。

すべてが嘘の世界に紛れ込もうか。

現実世界から虚像世界へ。
ほら迎えなら目の前にいる。


 
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