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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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39.税金は効率よく使うべきだ。地下庭園ってどうなの?

<テルパドール-宿屋>

日暮れにはテルパドールの城下町へ着く事が出来た。
まずは宿屋で寝床を確保!
最近夜が楽しみでしょうかない!
フロントで「僕たち新婚です!」って自慢したら、特別に良い部屋を用意してくれた。

でも案内してくれたボーイが、気を使ってゴムを渡してきた。
新婚だっつってんだろ!!
認知する気あんだよ!
だからチップ、ケチってやった。



<テルパドール城>

翌朝、ビアンカと二人でこの国の女王様に会いに行く。
事前にデールから書状を貰っておいたので、スムーズに謁見出来た。
俺達が通されたのは地下に造られたキレイな庭園だった。
空気が涼しく、水が豊富で噴水もあり、多種多様な植物が咲き乱れる。

「うわぁ~…キレー…」
確かにビアンカが言うとおりキレイだ!
だが俺は、不快感を露わにしていた。
「どうしたの?」
俺の表情に気付いたビアンカは心配そうに訪ねて来たが、既に女王様が目の前に居たので沈黙で返答した。

「砂漠の地下に、この様な緑豊かな庭園がある事に驚かれた様ですね…と言うより、貴方は税金の無駄遣いと思っているみたいですね」
ビアンカ程ではないが、かなりの美女がそこにいる。
ビアンカと出会っていなければ間違いなく口説いていたであろう美女は、俺の表情から考えを読み取った。
間違ってはいないが、表情だけでそこまで読み取られるのは気に入らない。
「いえ、表情ではなく私は人の心が読めるのです。少しだけですが…」
!!
心を読む!
嘘吐け!
じゃぁ、俺の質問に答えてみろ!
今日のパンツは何色だ!
答えてみろ!
ついでに見せてみろ!
「薄紫です。でも、こう言う質問は女性に対しては失礼なのでは?それに見せませんよ…」
本当に読まれた!!!
でも俺、質問してないもん!
思っていただけだもん!
お前が勝手に答えただけだもん!

「そうですね。思っていただけですね。でも見せませんよ!」
何、この女ー…めんどくせぇー…ちょーめんどくせぇー………
「めんどくさいと言われたのは初めてです」
うわ!
マジめんどくせぇー、もうヤダ!

もう伝説の勇者の事なんか、どうでもいいから帰りたい。
「貴方は伝説の勇者について、何かお求めですか?」
勝手に話を進めんな!
「は、はい!私た「なるほど。伝説の勇者を捜す旅をしているのですね」
今度はビアンカの思考を読みやがった。
もうどうでもいいから帰りたい…
「お二人とも、私に付いてきて下さい」
えぇ~…もう帰りたい。
「き・て・く・だ・さ・い!!!」
「リュカ…行きましょ」
「………………………………は~い……………………………」
「やっと貴方の声を聞けましたね」
俺の声を聞きたいのなら心を読むのを止めてくれ。
「注意します」
もう、マジヤダ~!


女王様(アイシスと言うらしい)に(渋々)付いて行くと、神々しい兜が奉られている祭壇へ案内された。
「この国には勇者の墓があるとの噂ですが…実際はありません。あるのは勇者の武具の一つ『天空の兜』です」
ここにあったのかぁ…
「リュカ!貴方からは何かを感じます。是非被ってみて下さい」
「どうせ装備出来ませんからヤです」
「貴方からは何かを感じるのです。是非!」
「それはきっと勘違いです。もしくは僕に惚れてしまっただけです。今晩お相手しますので、それでいいですか?」
「か・ぶ・れ!」
とても怖いので従います。

俺は兜を持ち上げ頭に被る。
ものっそい重い。
「いたたたたたっ…」
首が…首が!
俺は慌てて兜を脱いだ!
「どうやら装備出来ないようですね」
「だから最初からそう言ったじゃん!!」
「私の勘違いだった様です」
「それも言ったじゃ………!」
あの女…サッサと戻りやがった!
すげームカつく女だな!
首筋を痛めただけだ…


この後サッサと宿屋に戻るつもりだったが「女王様がお呼びですので…」って、兵士にしつこく言われ渋々赴いてやった。
そしたら、一言も話題に出していないのにパパスの情報を色々くれた。
首筋痛めたお詫びかな?
アイシスの話によると、「ここより遙か東の山脈を越えた所に、『グランバニア』と言う国があり、そこの王様の名前もパパスだった様な気がする」って…
実に曖昧だ!
他にどうしようも無いので、取りあえず行くけどね。
行くだけ行っても「やっぱり気のせいだったみたいですぅ~」とか言いそうだ。



<テルパドール-宿屋>

宿屋へ戻り、さぁ頑張ろうと部屋へ向かうと昨日のボーイが近づいてきて、
「あ!これ僕からのサービスです!」
って、またゴム渡しやがった!

何この国!
ムダに心が読めるヤツと、ムダに心が読めないヤツがいる!
お前ら結婚して子供作れ!
そしたら、ちょうど良いのが生まれるから!



 
 

 
後書き
他のサイトで掲載した時も記載したのですが、この話は私のお気に入りです。 
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