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魔法少女リリカルなのは innocent ~海鳴に住む鬼~

作者:88打
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鬼、配達する

 
前書き
書きたくなったから書いた。後悔はない。反省はしてる。なので、こんな駄文にでも付き合って貰えたら幸いです

※この小説は以前、夜月さんの書いている小説。魔法少女リリカルなのはINNOCENT  ~漆黒の剣士~で募集していたオリジナルキャラクターとして私が考えたキャラクターをメインにしたお話です。話の都合上、原作キャラはあまり出ないのでその辺をご理解してもらったうえで読んで下さい 

 
打ち水……と呼ばれるものがある。道や庭先などに水を撒き涼をとる日本古来の納涼方で、玄関にやる打ち水は来客に対する心遣いの意味も込められている。

そして、ここにもまた……

「……アッツ」

頭にタオルを巻き眉間にシワを寄せ額に汗しながら打ち水をしている青年が1人……

「幹太~打ち水もういいから、お父さんの方手伝って~」

「……ア~イ」

何ともやる気のない返事をしているこの青年の名は"菓 幹太"……菓と書いて"くるみ"と読む。年齢16歳の高校一年生、身長は192㎝、体重は75㎏、髪は刺々しい黒髪、人相は眉間のシワさえなければ良いと言えるだろう。彼は海鳴市と言う町で両親と共に甘味処"赤子庵"を経営している。ちなみに、店名は"あかごあん"ではなく"あかしあん"だ。

「……フゥ…」

店内に入り、頭のタオルをほどく。店内には冷房がきいておりとても涼しい

「やっぱ冷房は人類の生み出した文明の極みだよなぁ……」

「何言ってんの!ほら、さっさと厨房に行く!」

「ヘイヘイ……」

幹太が厨房に入ると1人の男性が真剣な面持ちでたっている。手には先の尖った竹串、目の前には餡でできた菊の花が出来ていた

「親父、何か用?」

「…………ん」

「オーケー。んで?何処まで行けばいいんだ?」

「…………む」

「解った、んじゃ原付使うぞ」

解らなかったと思うので説明するとこの店の店主……つまり幹太の父親は口数が少ない。しかし、身内の二人には何を言いたいのかが分かる為、はたから見れば二人が店主の心を呼んでいるかの様に見えてしまう。ちなみに先程のやり取りはそろそろ配達の時間だから行ってきてとゆう内容だ




~海鳴市 道路~

俺こと菓 幹太は今、配達先に菓子を届ける為安全かつ迅速に原付で道路を走行している。……しかし

「……アッチィ」

只でさえ強い日光に加えアスファルトの照り返しや周囲の車の排気ガスのせいで暑さ三割増しだ

「さっさと終わらせて、戻るか…」

今回の配達先は二ヶ所、届ける物は

・場所:ホビーショップT&H
 配達品:フードコートで販売する"数量限定 特製濃厚抹茶アイスクリーム"

・場所:グランツ研究所
 配達品:研究員達のおやつの"冷たい生どら焼き"

以上の二つだ……

我が家では菓子作りを親父が接客をお袋が配達と親父の手伝いを俺がすることになっている

「ん…赤か……」

片側二車線の大きな十字路で赤信号に捕まってしまった。原付やバイクは止まると一気に暑くなるから勘弁していただきたい……そんな時、向かい側右手のビルに付いている巨大モニターにあるものが写っていた

「ブレイブデュエル……」
 
"ブレイブデュエル"…今年から正式に稼働を始めた体感型シュミレーションゲーム。プレーヤーはまるでゲームの世界を現実の様に体感出来る。現代の技術の結晶と言っても良いだろう。少し前にロケテストが東京の一部地域で行われていたが、実は俺も参加していた。……と言っても、店の手伝いが忙しくてあまり参加できなかったんだけど…

「……青だ」

信号が青に変わったので再び走り出す。話を戻すが、ブレイブデュエルにはランキングが存在しデュエル……つまりは対戦に勝てば勝つほど上に行けるわけだ。俺も時間を見つけては参加していた、ロケテスト終了時の俺のランキングは50位。時間のない人間がやったにしては上出来だ。嬉しいことに通り名まで頂けた

「……とぉ、到着」

色々と思い返してるうちに、最初の配達先であるホビーショップT&Hに到着。実は今回の配達先二ヶ所はどちらもブレイブデュエルが盛んに執り行われている場所で、特にグランツ研究所はブレイブデュエルの総本山と呼ばれ、ロケテストのチーム戦、個人戦の1位はどちらもこの研究所の所属プレーヤーがとっている

「すいませーん、赤子庵です。アイスの配達に来ました」

「ハーイ、いつもどうもー」

出迎えてくれたのはアルバイトチーフの"エイミィさん"彼女がいつも受取にくるのでもうすっかり顔馴染みだ

「ありがとねー、あ…そうだ折角だから幹太君も参加してみない?」

「参加?何に参加するんですか?」

「実は今、ミニイベント中でね。勝ったらレアなガードが貰えるかもよ?」

彼女の視線の先を見ると確かに人だかりが出来ており。皆、デュエルに勤しんでいる

「あぁ~申し出は有り難いんですが……まだ配達が残ってますし。帰ったら店の手伝いがあるので……」

「そっか~ゴメンね、暇があったら是非うちに遊びに来てね」

「ありがとうございます。それじゃ次の配達があるので……」

こうして俺は次の配達先のグランツ研究所に向かった




~グランツ研究所~

原付を走らせること十数分、無事にグランツ研究所に到着

「……さてと、持ってくか……よっと!」

人間とは基本的に頭を使うと甘い物が欲しくなる人が多い。この研究所には多くの研究員がおり、ここの所長さんが定期的にその人達の為に家の菓子を購入してくれる。しかし、毎度量が多いため運ぶのが一苦労だ……

「そうだ……アレも持ってかねぇと」

原付の後ろに付いているクーラーボックスからあるものを取り出す。この原付に付いているクーラーボックスは特別製で入れる箇所で冷凍、冷蔵に分けることが出来るうえに半日くらいは温度が変わらない優れ物だ。なんでも…近所のスカなんとかさんとゆう科学者に作って貰ったとか…

「ちわー、赤子庵でーす。菓子をお届けに上がりましたー」

「やぁ、いつもありがとう。重いだろう?持つの手伝うよ」

「いえ、いつものことなんで大丈夫です」

研究所の入り口で出迎えてくれたのは"グランツ・フローリアン"さん。ここの所長さんでブレイブデュエルの生みの親、配達の際にはいつも出迎えてくれる。なんでも…俺と同い年くらいの娘さんがいるとか。他にも、ここにはブレイブデュエルのトッププレーヤー達がいるのだが、会ったことはない。映像で何度か拝見したこはある

「それじゃいつも通り、奥の共用冷蔵庫に入れておきますね」

「ありがとう。いやーうちの研究員は皆、ここの生どら焼きが好きでねぇ」

寝癖の残る頭を掻きながら笑うこの人を見ると、凄い科学者とゆうよりかは近所のおじさんみたいな感じがする

「……よし、これで全部だな」

奥の給湯室にある共用の冷蔵庫に菓子を入れ、俺は研究所を出ようとした

「……来たか」

廊下を歩いていると背後から視線を感じる。とりあえずは気にせず先へと進む

「…………ん?」

十字路に差し掛かったところで、左右の曲がり角から伸びる不自然なロープが足元にあった

「フッ……バカめ、こんな古典的な罠に引っ掛かる分けないだろう」

前回ここに来たとき引っ掛かったのは内緒だ……。俺はロープを跨いで避けようとした……その時、

「……え?」

右から廊下を滑るように何かが投げ込まれた…………空のバケツだ

「ウワァ!とっとと!」

前に踏み出した足が丁度空バケツの中に入り、俺はバランスを崩し転倒。……そして

「あ~クソ、危ねぇな………ブフェ!」

追い討ちの如く頭上から金ダライが落ちて来た……昭和か!

「~~~~~!!」

俺の後ろで何やらキャッキャと騒いでいる小さな影が三つ。1つは茶色の短髪、もう1つは水色のツインテール、最後の1つは銀髪に黒のメッシュの短髪の人形のような小さな奴等がいた

「……また、やられた」

コイツらは俺が配達にくる度にこんな感じのイタズラをしかけてくる。コイツらの名前は"チヴィット"……グランツさんの話によるとNPCが現実世界でも遊べるように作ったロボットらしい

「………………」

三匹?が何かを要求するように俺の事を見ている

「わーてるよ、コレだろ?」

「♪~~~」

俺は懐から幾つかのべっこう飴を取り出した。それぞれがネコだったり王冠だったり雷マークだったり色々な形をしている。前に興味本意で渡してみたらいたく気に入ったらしい。なぜロボットが飴を食べるのかは追及してはいけない

「そろそろ戻らないとお袋にどやされるな……じゃぁなお前ら、次はすんなよ……」

「~~~!」

全員元気に手を振っている、あの様子じゃまたやってくるな……






~赤子庵 幹太の部屋~

「はぁ~~」

今日の他の配達も全て終わり。店の暖簾も下げた俺はそのまま部屋に直行、ベッドにダイブした。寝ながらふと机の上に置いてある物…ブレイブホルダーに目を向けた

「最近…やってねぇな……」

家の手伝いを優先しているせいか、どうにもブレイブデュエルにさく時間がない。俺は携帯端末で最近のブレイブデュエルで注目されている選手やその試合などを見ていた

「…………」

映像に映っているのはブレイブデュエルのトッププレーヤーや最近頭角を見せ始めた期待のルーキー。彼等の試合を見ていると俺の中でなにか熱いものがわき出てくる

……また、味わいたい。あの…戦いの熱を高揚感を……

すると……

「幹太!!決まったわよ!!」

「ウワァ!ビックリした!お袋、ノックくらいしろよ!……決まった?何が?」

いきなり凄い勢いで部屋に入ってきたお袋の言葉に首を傾げる

「家のお店でもブレイブデュエルを扱うことになったわ!」

「…………は?」

今…何と言った?ブレイブデュエルを?家の店で?

「マジか!お袋!」

「えぇ本当よ、流石に本格的なシュミレーターは店には置けないから。簡易シュミレーターの"エンタークン"とか言うのを幾つか置くことになったわ」

まさに朗報、コレで俺もデュエルが出来る……と思っていた

「それじゃ、これから子供のお客さんも増えると思うから宜しくね」

「……あっ」

そう…この手のゲームを導入すると必然的に客足も増える……つまり

「また……忙しくなるのか……」

いや、まだ悲観するのは早い。簡易シュミレーターとはいえ通信対戦には対応しているはず。店が閉まった後なら少し位は……うん

「よし、頑張るか……」

「あら?珍しくやる気ねぇ」

「まぁな」

まだ夏は始まったばかり…今年の夏は何かありそうだ
 
 

 
後書き
~赤子庵~

海鳴市の隠れた名店。美味しい和菓子を食べたいなら是非御越しください。こだわりの抹茶やアンコでできた御菓子はどれも絶品です

注意:幹太の両親の名前は考えていません。基本的に幹太以外のひとは、父親を店長、母親を女将さんと呼びます 
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