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オズのボタン=ブライト

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第十一幕 消えたボタンその六

「人には出来ないから」
「だから姫様も」
「そう、ボタンが私よりテニスが上手でもね」
 それでもというのです。
「いいのよ」
「そうなのですね」
「ええ、そうよ」
 ジュリアに笑顔で言うのでした、そして。
 オズマは素直にです、こうボタンに言うのでした。
「オズの国で一番のテニスプレイヤーになる気はあるかしら」
「いや、別にね」
「いいのね」
「僕テニスは好きだけれど」
 それでもというのです。
「それ以上に寝ることが好きだから」
「テニスよりもなのね」
「うん、寝ることで一番ならいいわ」
「わかったわ、じゃあその気になったらね」
「その時になんだね」
「目指すといいわ」
 これがオズマの言葉でした。
「テニスはね」
「じゃあそうするね」
「ええ、けれど寝ることが一番好きなら」
「オズの国で寝ることの一番になりたいと思ったら」
「目指すといいうんだね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「ボタンがそうしたいならね」
「わかったよ」
 ボタンはオズマの言葉に頷きました、そして。
 そのお話をしてです、王様は紅茶を一口飲んでから皆に言いました。
「ではこれからもな」
「テニスですね」
「テニスを楽しもうっていうんですね」
「そうじゃ、今日はテニスをして遊ぼうぞ」
 こう子供達に答えるのでした。
「是非な」
「いいですね、私いつもゴスロリの服ですけれど」
 ナターシャも紅茶を飲みつつ笑顔で言います。
「ジャージもいいですしね」
「そうよね、ジャージでスポーツするのもね」
 恵梨香も微笑んでナターシャに続きます。
「いいわよね」
「小学校だと体操服だけれど」
 ジョージは自分達が通っている小学校のお話をしました。
「こうしてそれぞれが好きなジャージを着てやるのもいいね」
「ジャージにもそれぞれの好きな色が出てるしね」
 神宝は皆のそれぞれのジャージを見ています。
「そのことも面白いね」
「そうだね、僕は黄色でね」
 カルロスも言います。
「皆はそれぞれの色だね」
「何かね」
 つぎはぎ娘はこんなことを言いました。
「五人共オズの国の何処からか来たみたいよ」
「それぞれの色が?」
「そう、特にあんた達三人はね」
 カルロス達男の子達を見ての言葉です。
「そうよね」
「ウィンキー、カドリング、マンチキンだね」
「そう、三人はね」
 それこそというのです。
「そうよ」
「そうだね」
「女の子達はね」
 ナターシャと恵梨香はといいますと。
「少し違うかしら」
「黒とピンクはね」
 木挽の馬が言うことはといいますと。
「オズの国にはないよね」
「国の色としてはね」
「そうなんだよね」
「ただ、ナターシャは紫で」
 その黒が紫色に近いというのです。 
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