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マゾヒズム

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3部分:第三章


第三章

「また増えましたね」
「傷がな」
「はい、あなたに愛された跡が」
「増えたな。それではだな」
 自然とだ。夫もだった。
 妻のその淫乱さに影響されてだ。サディズムに悦びを感じていた。
 そしてそのうえでだ。今日もだった。
 地下室の中でその異様な肉の宴を愉しんだ。二人の夜は続いていた。
 だがある日のことだ。二人が地下室に、また愛し合う為に入るとだ。そこはだ。
 何かが違った。そこにはだ。
 明らかに誰かが使った痕跡はあった。それは消されようとしていたがだ。
 気配として残っていた。美也子はそれを感じ取りだ。
 省吾にだ。こう言ったのだった。
「まさか」
「ああ、そうみたいだな」
 省吾もだ。美也子のその言葉に頷いた。
 そしてそのうえでだ。彼も言うのだった。
「あの娘がな」
「雛子ちゃんもね」
 二人の娘だ。今は高校一年だ。
 その娘もまた、だとだ。二人はすぐに察したのだ。
 そのうえでだ。美也子は省吾に言ったのである。
「あの娘もまたなのよ」
「そうか。君と同じくか」
「そうね。じゃあどうしたものかしら」
「君と同じならな」
 どうかとだ。省吾はだ。
 愉しむ、今はそうなってしまった笑みでだ。こう妻に言ったのである。
「喜ぶべきだ。しかしだ」
「問題は相手ね」
「その相手が誰かによる」
「そのことを確めましょう」
「ああ、そうしよう」
 こう話してなのだった。二人はだ。
 暫くしてからだ。家のリビングでだ。
 通っている高校の黒いブレザーにミニスカートとハイソックス、紅の可愛らしいリボンに白のブラウスを着た少女に向かい合って座り話をした。
 見れば顔立ちは美也子によく似ている。彼女を高校生に若くした感じだ。ただ髪は黒いロングヘアにしている。そして身体はまだ成熟しきっていない。
 その娘にだ。母はだ。率直に言ってきたのである。
「地下室使ったわね」
「えっ・・・・・・」
 いきなりそう言われてだ。娘の雛子はだ。
 蒼白の顔になった。そのうえでだ。
 母にだ。こう言ったのだった。
「それはその」
「いいのよ。怒らないわ」
 それはしないとだ。微笑んで告げる母だった。
「ただね」
「ただ?」
「相手の子をね」
 その相手をだというのだ。
「ここに連れて来てくれるかしら」
「貴弘君を」
「貴弘君っていうのね」
 その名前を聞いてだ。美也子は雛子の相手の名前だとわかった。
 これは雛子の失策だった。そしてだ。
 母は娘のその失策に入りだ。そうしてだった。
 その娘にだ。さらに言ったのである。
「いいわ。その子をね」
「この家に連れて来いっていうの」
「ええ、そうして」
 こうだ。娘に妖しい笑み、娘には今まで見せたことのない笑みで言ったのである。
 
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