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心の剣

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7部分:第七章


第七章

19.愛していても
 愛していても  どうにもならないことだってある

 愛している人を  諦めなければならない時だって

 悲しいけれど  辛いけれど
 
 それをどうこうすることはできないんだ

 辛い気持ちを胸に抱いたままずっと

 生きていくしかないのかも知れない

 それは凄く辛くて言葉にできない程悲しい

 けれどそうなのは自分だけじゃないんだ

 相手だってそうなんだ  悲しくて辛い

 お互い死にそうな程辛いから  自分だけじゃないから

 それを耐えるしかないんだ  涙をこらえて

 生きていくしか  涙を笑顔の下に隠して

 
 信じていても  それが儚いことだってある

 信じている人を  騙さなければならない時だって

 悪いことだけど  胸が痛むけれど

 そうしなければならない時だってあるんだ

 痛い心を抱いたままそのままずっと

 歩いていくしかないのかも知れない

 痛くてそれだけでもうどうしようもないけれど

 その痛みは決して忘れてはいけないんだ

 悪いことをしたのなら余計に  痛くて辛いから

 それを胸に刻んで覚えておいて  自分のその心に

 それを胸にずっと抱いて  心の傷を胸に

 覚えていこう  二度とこんなことがないよう


 お互い死にそうな程辛いから  自分だけじゃないから

 それを耐えるしかないんだ  涙をこらえて

 生きていくしか  涙を笑顔の下に隠して


20.うたかた
 それは目覚めたらなくなってしまう  そんなものでした
 
 すぐ側にあったのは幻で  結局はなくなってしまうもの

 そんなものです恋愛は  すぐになくなってしまうもの

 信じていても愛していてもそれは一瞬で

 やがては終わってしまうもの

 そんなうたかたの儚いものですが

 それでも止められないものなのです

 一瞬の塵芥でしかないほんの一瞬の夢

 その夢を見る為に今宵もまた

 想い人のところへ通います

 明日は別れるかもしれないけれど今宵だけは

 そう思い今夜も一人うたかたへ

 
 それが気がついたらもうそこにない  そうしたものです

 手の中にあると思っていても  すぐに消え去ってしまうもの

 そんなものです恋路は  後ろを見ればもう見えない

 歩いていても踏みしめていても消え去って

 すぐになくなってしまうもの

 そんな頼りない切ないものですが

 それでも歩かずにはいられません

 見る間に消えていく砂のような儚い路

 その路を歩いていって今宵もまた

 想い人と一緒に歩きます


 明日は別れるかもしれないけれど今宵だけは

 そう思い今夜も一人うたかたへ


21.冬の花火
 スキーへ行ってその夜に君をそっと誘って

 見に行くのは花火なのさ

 雪の上に咲く大輪の花

 今それを君と一緒に見たいから  君と二人で

 だからここに誘ったよ  君に見て欲しいから

 スキーだけじゃ物足りないかと思ったから

 君に見てもらいたかったんだ  気に入ってもらえたかな

 そればかりが気になってしまうけれど

 花火は次々にあがって夜空を彩る

 そんな冬の大輪を今君に見せたいんだ

 赤い花も青い花も君に  何もあげられない僕からの贈り物

 冬の夜空に眩しく輝く花

 
 夜のゲレンデに立って君と見上げるのは

 次々に打ち上げられる花火

 雪に負けない綺麗な花達

 今それを君と一緒に見ているんだ  隣同士で立って

 喜んでくれるかどうか  そこまではわからないけれど

 夏には見られない別の綺麗な花火を

 君に見せたいと思ったから  君に笑って欲しいから

 そう思ってここに連れてきたけれど

 次々に咲かせる花火の大輪を

 大輪達を見上げる君のプレゼント

 赤い花も青い花も適わない  君の僕へのそのプレゼントは

 何よりも眩しい君の笑顔


 花火は次々にあがって夜空を彩る

 そんな冬の大輪を今君に見せたいんだ

 赤い花も青い花も君に  何もあげられない僕からの贈り物

 冬の夜空に眩しく輝く花
 
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