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春の歩道

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3部分:第三章


第三章

7.ヒロインは素直じゃない
 僕のことを見てくれているのに

 こっちが見るとぷいと顔を背けるあの娘

 僕も好きだしそれもわかっているのに

 どうしてか僕の側には来ようとしない

 あれこれと何かを言おうとしても止めてぷいと顔を背けられて

 いい加減こちらももどかしいけれど

 待ってみたいと思った  言わせてみたいと思った

 素直じゃないヒロインが素直になるのは

 これはこれでいいものだから

 だから待ってみる  彼女が言うのを

 気持ちはわかっているから

 素直な言葉を楽しみにして

 
 僕のことをじっと見て

 やっと何かを言おうとしている彼女が

 その気持ちを今やっと言おうとして

 僕のすぐ側で顔を真っ赤にしている

 何かここにまでなるのにとても長い時間がかかって

 それは待ち遠しかったけれど

 けれど待ったかいがあった  やと彼女の口から聞ける

 素直じゃないヒロインが素直になるその時

 それが今やっと来るんだ

 彼女の口が開いて  僕を好きだと言う

 その言葉を今耳にしてんだ

 素直な彼女の心の言葉を

 
 だから待ってみる  彼女が言うのを

 気持ちはわかっているから

 素直な言葉を楽しみにして


8.春の歩道
 春の歩道君と二人で

 歩いているのを心に噛み締めるよ

 あの時勇気を出して君に告白したのも

 君の手をはじめて握ったのもここで

 そしてキスをしたのもここ

 去年の春に君と出会って

 告白して今こうしてここにいるね

 春の歩道  君と二人歩いていく

 その幸せを噛み締めて僕は

 梅の花と君の顔を一緒に見て

 二つ共ずっと見ていたくなったよ

 
 朝の歩道君と一緒に

 並んでいるのが今も信じられない

 あの時は一人だったけれど今は違う

 君が隣にいてくれるということを

 今も信じられないよ

 春も夏も秋もこの歩道を

 君と二人並んで歩いたけれど

 それがまるで  夢のように思えるよ

 幸せはささやかなものだけれど

 それでも何か信じられなくて

 今こうして君の笑顔を確かめるよ


 春の歩道  君と二人歩いていく

 その幸せを噛み締めて僕は

 梅の花と君の顔を一緒に見て

 二つ共ずっと見ていたくなったよ


9.楽園なんかない
 楽園なんかこの世にはないさ
 
 パラダイスなんてここにはないんだ

 あるのはただ現実だけさ

 神様は見ているだけ  悪魔も覗いてるだけ

 それが現実の世界さ

 苦しみはいつもある  それが現実さ

 けれどそれだけじゃない  現実はそれだけじゃない

 それがいいのか悪いのかはわからない

 それでもそれが現実だから
 
 楽園がなくても歩いていけばいい

 ただそれだけのこと

 
 楽園なんかありはしないさ

 パラダイスは何処にもありはしない

 あるのは目の前にあること

 神様も助けてくれない  悪魔も誘惑しないよ

 それはおとぎ話

 けれど楽しみもある  そういう世界さ

 苦しみも楽しみも  現実の中にあるんだ

 それが神様と悪魔だっていうのなら

 それが現実だろうね

 楽園がなくても笑顔でいられる

 だからそれでいいさ


 それでもそれが現実だから
 
 楽園がなくても歩いていけばいい

 ただそれだけのこと
 
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