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春の歩道

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10部分:第十章


第十章

28.春眠
 深いものだとは思っていたけれど

 こんなに深く眠るとは思っていなかった

 身体も何もかもをその中に置いて

 気付けば時間だけが悪戯に過ぎていた

 春の眠りは永遠で

 その誘惑に勝つのは難しい

 心も身体も疲れきった人は

 その誘惑の中に落ちていく

 ふと目覚めるとその周りには

 儚く散った花達が

 風と共に舞い降りている

 
 落ちるとそのまま行ってしまうような

 そんなに深い眠りは久し振りのことだった

 心もその全ても眠りに任せてしまって

 気付けば太陽が僕を迎えてくれていた

 春の眠りは穏やかで

 その惑わしに勝つのはできない

 全てを使い切った人は

 その惑わしの中で安らぐ

 ふと目覚めるとその耳には

 不如帰や鶯の声が

 穏やかな緑と共に来る


 心も身体も疲れきった人は

 その誘惑の中に落ちていく

 ふと目覚めるとその周りには

 儚く散った花達が

 風と共に舞い降りている


29.わずらわしさ
 生きているとわずらわしさがつきまとう

 それは逃げても逃げてもやって来る

 静かに暮らしていたくてもそれは来る

 完全に一人になることはできない

 人はいつもわずらわしさと付き合っていく

 嫌でも世の中はわずらわしいまま

 けれどそのわずらわしさと前にして

 そこから考えるのもいいだろう

 わずらわしくても前を見据えて

 それを乗り越えていけば最後はきっと

 わずらわしさも克服できる

 
 生きていると嫌になることだってある

 嫌にならないことがないなんてない

 静かな中でもふと嫌悪に包まれたりも

 どうしてもそれはつきまとうもの

 人は嫌なこともあれば他のこともあって

 嫌でもそうしたこととは刎ねられない

 けれどその嫌なことから逃げずに

 前を歩くのも一つのやり方だ

 嫌なことでも逃げずに向かって

 それを突き抜けてけば何時かきっと

 その人は大きくなれるかな


 けれどそのわずらわしさと前にして

 そこから考えるのもいいだろう

 わずらわしくても前を見据えて

 それを乗り越えていけば最後はきっと

 わずらわしさも克服できる


30.女の子でも
 女の子でも恋はする  むしろ女の子だから恋をする

 その相手は決して男の子とは変わらない

 人知れず手を握り合って

 女の子同士で歩いていたりする

 家から学校までの秘密のデート

 誰にも知られないように  誰にもわからないように

 それはこっそりと行われていくもの

 まだそれは淡い恋で  プラトニックだけれど

 お互いを見て  お互いを意識して

 そうして育んでいく  小さな愛

 
 女の子だから恋を  女の子だから恋をするのかも

 けれど恋は男の子だけに向けられはしない

 二人きりになるとそっと

 囁く言葉は告白の言葉だし

 見るのはお互いの顔で離しはしない

 皆にばれたりしないか  皆にわからないだろうか

 不安に思いながらもそれを続ける

 まだそれは静かな恋で  キスも何もしないけど

 お互いを感じて  お互いを愛して

 そうして抱き合う  ささやかな恋


 まだそれは淡い恋で  プラトニックだけれど

 お互いを見て  お互いを意識して

 そうして育んでいく  小さな愛


 
                 2007・4・22
 
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