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ドリトル先生北海道に行く

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第十二幕その三

 それを今から手にしてです、笑顔で言いました。
「僕こういうの好きなんだよね」
「うん、王子はそうだよね」
「よく王子だとね」
「スポーツはしてもだね」
「こうしたことで身体を動かさないって思われるにょね」
「そうだね」
「けれど僕はね」
 王子であってもというのです。
「好きなんだよ」
「日本に来てからそうなったのかな」
「実はね」
 ここで王子が言うことはといいますと。
「アフリカにいた時からね」
「そうだったんだ」
「小さな国だし」
 王子のお国はというのです。
「王子の僕も自分からね」
「そうしたことをすることもだね」
「うん、あるからね」 
 だからというのです。
「そうした身体を動かすこともあるし」
「それでだね」
「嫌いじゃないんだ」
「それは何よりだね」
「というか先生こそだよ」
「僕が?」
「スポーツは苦手で」
 それにというのです、とにかく先生は運動音痴でスポーツはどんなものでも全く以てどうしようもないのです。
「しかも家事もだよね」
「そうだよ、けれどね」
「それでもなんだ」
「こうした時に何かしないと」
 それこそというのです。
「よくないからね」
「だからなんだ」
「僕もなんだ」
「するんだね」
「そのつもりだよ」
「それはわかったけれど」
 それでもと言う王子でした。
「先生スーツだしこうしたことはね」
「王子の見たところだね」
「苦手だからね」
 だからというのです。
「無理はしないでね」
「確かに先生は」
 シホレさんも先生を見て言います。
「そうしたことは苦手ですね」
「シホレさんもそう言われますか」
「はい、ですが実際にですよね」
「まあそれは」
 苦笑いで言った先生でした。
「何といいますか」
「やはりそうですか」
「歩くことはしますが」
「身体を動かすこと自体がですね」
「苦手です」
 正直にです、シホレさんに応えました。
「どうにも」
「それではです」
「それでは?」
「何かあれば私がさせてもらいますので」
「シホレさんがですか」
「はい、その時はお任せ下さい」
 シホレさんは先生ににこりと笑って言うのでした。
「是非共」
「ですがそれは」
「お嫌ですか」
「シホレさんはご高齢ですし」
「まだ七十ですが」
「いえ、七十になりますと」
 それこそというのです。 
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