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ドリトル先生北海道に行く

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第十一幕その十一

 穴は見つかりません、ウルが入れそうな穴は。それででした。
 動物の皆はです、先生に尋ねました。
「ちょっとね」
「ないみたいだね」
「ウルが入られる位の穴はね」
「どうもね」
「そうみたいだね」
 先生も言いました。
「どうやらね」
「どうしたものかしら」
「ウルが冬眠出来る位の穴がないから」
「それじゃあね」
「どうしたものかしら」
「そうだね」
 先生は歩きながら腕を組んで言いました。
「ここはね」
「ここは?」
「ここはっていうと?」
「まだもうちょっと探そう」
 先生はまずは続けようと言いました。
「今はね」
「まだなんだ」
「探すんだ」
「あるかも知れないから」
 ウルが冬眠出来る位大きな穴がです。
「まだね」
「それじゃあね」
「まだ探そう」
「そして何とか見付けましょう」
「これからね」
 こうしてです、皆はです。先生のお言葉に頷いてです。
 さらに探し続けました、ですが。
 どうにもでした、そうした大きな穴がなくてです。皆いよいよ困ったお顔になって先生に言いました。
「もうね」
「日も暮れかけてるし」
「一旦ね」
「今日は」
「そうだね、明日もここにいるし」
 それならと言った先生でした。
「今日はホテルに帰ろう」
「そうしようね」
「ウルには悪いけれど」
「今日はね」
「うん、いいよ」
 ウルは先生に穏やかな声で応えました。
「明日にはだよね」
「約束するよ」
 こう返した先生でした。
「絶対に答えを出すよ」
「先生は約束を破る人じゃないよ」
「そのことは僕達が保障するから」
 動物の皆もウルに言います。
「もう絶対にだから」
「約束は守るからね」
「例え相手が誰でも」
「約束したことならね」
 絶対にというのです。
「だから安心してね」
「寝床のことはどうにかなるよ」
「明日にね」
「それで冬眠出来る様になるから」
「そうだね、楽しみにしているよ」
 確かな声で頷いたウルでした。
「その時のことをね」
「そういうことでね」
「じゃあ今日はお別れだね」
「そしてまた明日ね」
「会おうね」
「では私も」 
 シホレさんも言うのでした。 
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