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ソードアート・オンライン~隻腕の大剣使い~

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第39話《影妖精》ライリュウ

オレはエギルの店から帰宅し、タンスの中を漁っている。父さんと母さんのどっちかが買ったか知らないけど、アレが家にあるって事は認めているんだ。オレ達がまたあの世界に行く事をーーー

「あった!父さん母さん、《アミュスフィア》とALO貰うぞ!」

『うんOK・・・え!?」

「今更ダメだって言っても無駄だぜ?そもそもコレがある時点で説得力ないからな!!」

本気でオレ達がVR世界に行く事を許さなかったらこんな物を買う訳がない。オレ達がまた行くって言った時に、オレ達の事を一番に考えてくれるウチの両親ならきっとコレをくれるからな!
オレは自室に入って《アミュスフィア》の箱とALOの パッケージを開ける。ALOのソフトをパソコンに入れ、《アミュスフィア》を接続ーーーと、ここで素朴な疑問を覚える。

「ステータスどうしよう・・・」

エギルの話を聞く限り、世界樹っていう所はかなり難易度が高いかもしれない。作ったばかりのアバターで突破出来るような場所じゃないのは分かるーーーあれ?そういえば須郷の部下の橘さんに渡されたメモリーカード、あれなんだったんだろう。一応持ってるけどーーー使えって事か?罠の可能性もあるけどーーー

「・・・使ってみるか」

オレは《アミュスフィア》のメモリーカード挿入口から元々付属してあったメモリーカードを取り出し、橘さんから貰ったメモリーカードを差し込む。あとは《アミュスフィア》を機動してベッドに寝転がる。
まさか、またこのセリフを言う事になるとはな。目を瞑り、あの世界に行くためのセリフを言う。もう一度、力を貸してくれーーー

「リンクスタート!」




******




【Welcome To Alfheim Online!】

目を開けばこんな言葉が表示されていて、オレはアバター作成のためのシステムの中に立っていた。

【《アルヴヘイム・オンライン》へようこそ。最初に性別とキャラクターの名前を入力してください】

システムのアナウンスが始まり、オレの目の前に性別のキャラネームを入力するためのキーボードが表れた。
性別はもちろん男、名前は《Rairyu》ーーーと。

【それでは、種族を決めましょう。九つの種族の中から一つ、選択してください】

次はアバターの妖精種族の選択。
火妖精(サラマンダー)》、《水妖精(ウンディーネ)》、《風妖精(シルフ)》、《猫妖精(ケットシー)》、《土妖精(ノーム)》、《工匠妖精(レプラコーン)》、《影妖精(スプリガン)》、《闇妖精(インプ)》、《音楽妖精(プーカ)》。
この九つの種族から一つを選択するのか。ここは翼達とすぐに会えるように、あいつらと同じ種族をーーーと思ったが、ここで問題発生。

「あいつらの種族聞いてなかった・・・!」

ダイシー・カフェで翼達にどの種族にしたのか聞いてなかった。 ヤバイな、致命的すぎるぞこれはーーーみんなもうログインしてるかもしれない。今から聞くのは無理臭いな。そうだ、あいつらの性格や好みを頭に思い浮かべてーーーダメだ!何一つ当てはまる種族がねぇ!いくらなんでもマズイぞーーー

「ん?そういえば・・・」

この《スプリガン》って種族カラーみたいな物が黒いんだな。まるでキリトみたいだなーーーそうだ、ここは一つキリトの好みに合わせる事にしよう。では早速《スプリガン》を選択っと。

【《スプリガン》、ですね。キャラクターの容姿はランダムで生成されます。よろしいですか?】

アバターの外見はシステムが勝手に決めるのか。まあ変な顔とかじゃなければ別にいいかな。

【それでは、スプリガン領のホームタウンに転送します。幸運を祈ります】

これでALOをプレイするに当たっての設定は終わりだな。アナウンスの声が消え、オレの視界が光に包まれていくーーー




******




目を開けば今度は空の上、下には《スプリガン》の領地であろう古代遺跡が見える。その古代遺跡に向かってオレは降下しーーー止まった。所々電気みたいな物が見えるし、終いには古代遺跡の上に黒くて大きい何かが現れてーーーオレの身体が降下を再開する。

「ちょっと待てェェェェェェェェ!!」




ライトside

2025年1月20日、アルヴヘイム・シルフ領・《スイルベーン》

オレはライト。元SAOプレイヤーで、今はALOのシルフ族のプレイヤーだ。先ほどダイシー・カフェで再開した親友、神鳴竜を待っている。
何でも竜の妹の未来や、SAOギルド《血盟騎士団》の副団長のアスナさんが現実に戻って来ていないらしく、その手がかりがALOにあるのでログインするそうだ。オレはーーーオレ達《リトルギガント》はそれに全面的に協力するつもりだ。オレ達は竜やキリトーーー桐ヶ谷和人をシルフ領の首都《スイルベーン》にて待っているのだがーーー

「あの二人、《シルフ》選んどるとええな」

「あの時どこの種族か言えばよかったな・・・」

「完全にミスったな・・・」

「今更しょうがないよ・・・竜くん達が来るのを信じよう?」

かんなことキャンディが二人が《シルフ》を選んでる事を願い、オレはダイシー・カフェで二人に自分の種族を教えるのを後悔している。弾ことミストはただミスを悔い改めていて、亜利沙ことアリーは竜とキリトが来る事を信じるように言う。
キャンディは《サラマンダー》のチャクラム使い。ミストは《スプリガン》の槍使い。SAOの時とは違って名前が「ミスト」で終わってるのは本人曰く「今となっては色々アウトだから」、だそうだ。アリーは《ウンディーネ》のプレイヤーで、SAOにはなかった弓の使い手だ。オレは《シルフ》の剣士、盾は捨てて刀のような片手剣、長刀を武器にしてる。
オレはともかく、なぜ種族の違うミスト達がシルフ領にいると言うと、一応《シルフ》の領主であるサクヤさんに《レネゲイド》の用心棒という扱いにして貰っているからだ。《レネゲイド》とは自分の種族の領地を捨てた、あるいは追放されたプレイヤーの事を言う。
とにかく、今は竜達が来るのをーーー

「ライト!新しいプレイヤーが来るぞ!」

「マジでか!?」

「きっと竜達やで!」

「竜くんのアバターがどんな姿なのか、楽しみだな~♪」

シルフ領の空に新規プレイヤーが来る時のライトエフェクト(オレの名前と掛けた訳じゃない)が灯る。
ミストが教えてくれたのでオレはそれに食い付き、キャンディが竜とキリトだと言い、アリーが竜のALOアバターの姿を楽しみにしている。亜利沙は竜の事大好きだからなーーーオレ達は恐らく竜とキリトであろう新規プレイヤーの登場を見据え、その目にーーー

「のわっ!?」

黒を納める。黒は《シルフ》の種族カラーではなくーーー

「《スプリガン》・・・?」

影妖精の種族カラーである。 
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