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女提督の航海(後悔)日誌

作者:蘭丸
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武蔵の証言

 
前書き
長波を旗艦とした艦隊がフラグシップのル級率いる少数艦隊と戦闘する一方、鎮守府では駆逐棲姫について武蔵が執務室に呼ばれていた。 

 
ー鎮守府、執務室ー


提督「武蔵、駆逐棲姫ちゃんの事、船長さんから大体の話は聞いたわ」

武蔵「そうか、なら私を呼んだのは別の用件かい?」

提督「いやね、深海棲艦が人間の居る港に打ち上げられてたなんて信じ難いというか…」

武蔵「見つけていたのが他の誰かで、そいつが余程のお人好しでないかぎり深海棲艦なんて介抱はしないだろうな」

提督「そうじゃなくて、武蔵がいた港、輸送船が往来する係留施設がある港の周辺は、他の鎮守府が優先的に潜伏していた深海棲艦を撃退したのよ。その時に沈めてたとしても流れついた深海棲艦の残骸とかは海軍が回収してる筈よ?」

武蔵「港から離れた海域で戦闘か何かがあったんじゃないのかい?」

提督「そこに居た駆逐棲姫ちゃんが負傷して漂流して来たって」

武蔵「んむ」

提督「仮にそうだとしても、駆逐棲姫ちゃんは何か覚えていないの?」

武蔵「ああ。あの子が言うには気がついたら私に抱きかかえられていた、だそうだ。気を失う前の事は覚えていないようだな」

提督「むぅ…駆逐棲姫ちゃんが何か思い出すまで様子を見るしかないか…あ、あとビスマルクが一緒だったのは偶々なの?」

武蔵「ビスマルクが乗船する予定だった船でトラブルがあったらしくてな。港から出れずに足踏みしていたところを私が見つけた」

提督「で輸送船の船長さんとはいつ知り合ったの?」

武蔵「向こうから話をかけてきたのさ、何か困った事でも有りましたか?ってな」

提督「親切な人に会えて良かったわね(駆逐棲姫ちゃんが懐いてるだけのことはあるわね)」

武蔵「そうだ、駆逐棲姫は金剛に誘われて今頃は茶飲みでもしているな。提督もお呼ばれしたらどうだい?」

提督「じゃ、一休みしましょうかね…武蔵はどうする?」

武蔵「私は摩耶達の演習の相手を頼まれているからな」

提督「あー、摩耶に弾を節約するように言っておいてね。あの子は時々弾数お構い無しにぶっ放すから…あなたも加減しなさいよ?」

武蔵「心配無用さ、敵相手に本気を出す訳じゃないんだから…」

提督「そりゃそうだけど」

武蔵「それじゃ、失礼する」 
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