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ドリトル先生北海道に行く

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第七幕その七

「ゴルフやってたら」
「僕はそれが難しいんだ」
「だからゴルフもしないんだね」
「やっぱりスポーツは駄目だよ」
「先生本当に運動は縁がないんだね」
「どうしてもね」
「まあ先生がゴルフをするっていうと」 
 王子は先生がゴルフをする姿を想像してみました、スーツのままクラブを手にしてそのうえでボールを打とうとする姿をです。
「あまりね」
「似合わないよね」
「うん、似合わないね」
 実際に想像してのコメントです。
「やっぱりね」
「そうだよね」
「というかやっぱり先生は」
「本当に子供の頃からスポーツは苦手でね」
「ゴルフもだね」
「そんな有様だよ」
 ボールを打つことすら難しいのです、先生にとっては。
「本当にね」
「だからしないんだね」
「興味もあるかっていうと」
「その時点でだね」
「ないからね、殆ど」
「だからスポーツはしないんだね」
「ゴルフに限らずにね」
 他のスポーツもなのです。
「するのは乗馬位だよ」
「あとお散歩だよね」
「その二つ位だよ」
「だから学生時代はもてなかった」
「もてるのはスポーツマンだから」
「あと格好いい人」
「そうも言うんだね」
 ここで動物の皆も言います。
「先生は女の人には縁がない」
「もてることはない」
「そうだよね」
「うん、僕は女性には縁がないよ」
 ご自身ではこう思っているのです。
「子供の頃からね」
「その外見で運動音痴だから」
「先生が言うにはね」
「けれど皆がいてトミーがいて王子もいてくれて」
 そしてとです、先生はこのことは笑顔でお話しました。
「僕は全然寂しくない、大学では学生の皆に同僚の人達もいてね」
「先生人気があるからね」
「皆からね」
「私達が家族でお友達も多い」
「女の人にもてなくてもだね」
「不満じゃないんだね」
「いつも賑やかな中にいるからね」
 家族やお友達に囲まれていてです。
「寂しいと思ったことは一度もないしいいよ」
「そこでこう考えない?」
「結婚したらもっと賑やかになるってね」
「それと幸せになれるって」
「今以上にね」
「それにね」 
 さらに言う皆でした、展望台の横を通りながら。
「先生がもてないっていうのも」
「ちょっと考えてみて」
「本当にそうなのか」
「実際は違うんじゃないかってね」
「ははは、僕は絶対にもてないよ」
 笑って返した先生でした、このことについては。
「そのことは間違いないよ」
「どうかな、そのことは」
「一度疑ってみたら?」
「実際にどうかってね」
「そのことはね」
「いやいや、間違いないよ」
 また言う先生でした。
「このことはね」
「多分昔からだよね」
「そうだよね」 
 ここで動物の皆は彼等だけで小声でお話をしました、先生に聞こえない様にして。 
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