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とある異世界の交差物語(クロスオーバー)

作者:鉄龍王
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第37話 剣の騎士 対 夜叉の姫君

 
前書き
何とか出来ました!よければ見ていってください。それではどうぞ! 

 

「おおおおおおおおぉぉぉぉっ!!!」

「ああああああああぁぁぁぁっ!!!」

烈火の将(シグナム)の魔剣と謎の少女(リオン)の双剣が火花を散らし、互いの命を奪う勢いでその(きば)を振るう。

「ふっ!!」

「はっ!!」

シグナムの魔剣が振り下ろせばリオンの双剣の一振りが振り上げながら受け止め、もうひと振りの刃がシグナムの首に迫る。普通ならこれで決着だが、シグナムも並の剣士ではなかった。
彼女は自分に迫ってくる刃に対して目で追わず、反射的に右腕の手甲で防御した。

リオンはこれに舌打ちするが、すぐに頭を切り替えて一度高く跳び、距離をとりながら相手の出方を伺いながら見方の様子を見た。その様子は…


「オラオラオラオラッ!!!」

「ぐっ!!」

全身傷跡だらけが特徴の銀髪の少年兵…狂四朗の銃弾の雨が赤髪の少女騎士…ヴィータに襲い掛かるが彼女のシールドがそれを遮り、鉄鎚(ハンマー)を振るうが何時の間にか拳銃2丁から2本のナイフに持ち替えた狂四朗が受け止める

「はっ!やるじゃねえか赤チビ!!」

「うっせぇ!これでもアタシはお前より年上だ!!」

「へ~~。てぇことはお前…今どきで言う、『ロリBABA』って奴かぁ…」

「オイちょっと待て!!誰だそれを広めたヤツ!?」

「さぁな。いつの間にかお前みたいな見た目は子供(ガキ)精神年齢(なかみ)年寄り(ジジババ)な奴はそう呼ばれてるぜ?」

「うがあああああああああ!!ぶっ潰す!覚悟しろ白ガキ!!」

「やってみな!赤チビ!!」

「援護するよ!ヴィータちゃん!!」

先程までシグナムとリオンの剣舞に呆気に取られていた なのは だったが、すぐに気を取り直し、劣勢になっていたヴィータに加勢すべく、戦闘に参加した。

「足引っ張んじゃねぇぞ!高町にゃにょは!!」

「なのはだってば!!」



狂四朗VSヴィータ&なのは






一方、もう一つの戦場では…

「ぬううううぅぅるぁぁあああああ!!!」

「っ!散開しろ!!」

クロノの指示でユーノ、フェイト、アルフの4人が四方八方に散らばる。その4人がいた場所に徹底的に鍛え上げた拳を振り下ろす…否、それはもはや拳ではなく、巨大な鉄塊だった。何故ならその拳が突き刺さった場所が罅だけだ納まらず、巨大なクレータが出来上がったのだ。

そんな光景を見せ付けられたクロノ達は背筋が寒くなる感覚に襲われた。あんな(モノ)をまともに受ければ骨が折れるどころか、原型も残さず粉砕されると嫌でも理解させられ、改めてその拳の主に目を向けた。

その男は灰色の髪、紺色の袖無しの羽織を着纏った初老の巨漢…闘兵衛(とうべえ)と呼ばれた大男だが、ただの兵士じゃないのは見ただけで分かる。身に纏っている羽織の上からでも分るほどの鍛え上げた筋肉。格闘タイプだからなのか、両腕と手の甲には数え切れない程の無数の傷跡が刻まれていた。それだけではなく彼の眼は鋭く、決意と覚悟が伝わるほどだった。それはまさに“歴戦の勇士”という言葉が浮かぶほどにその大男の様子をクロノが窺うが、先に口を開いたのは敵である闘兵衛だった

「ヌシら…なぜ戦場(こんなところ)武器(えもの)を振るっとる?」

「え?」


予想外すぎる闘兵衛の発言にクロノを含む4人は戸惑いを隠せなかった。そんな彼らに気にせず闘兵衛は続けた

「見たところヌシら、まだ10歳(とお)にも満たない歳じゃろ?そんな子供(ガキ)戦場(こんなところ)にいつまでも居らんで、さっさと(うち)に帰れ!親にいらぬ心配をかけるもんじゃないぞ!!」

それはまるで、大人が迷子を見つけ、優しく言い聞かせる様だった。しかしそんな言葉で立ち去る様な少年少女ではなかった。そして4人の代表としてクロノが叫んだ

「ご忠告に感謝します……だけど、僕だちは危険を承知の上で戦場(このばしょ)に立っているんです。いかに年長者の方の言葉でも下がれませんね」

「それは死んでもか?小僧…」

覚悟の有無を問う闘兵衛の言葉にクロノより先に意外とユーノが早く答えた

「死ぬつもりはありません。必ず全員(みんな)生きて帰るつもりですから!」

「……ほう……?」

ユーノの言葉に偽りは無いと感じたのか闘兵衛は拳を強く握りしめながら構えた

「よかろう。ヌシの言葉に偽りはないと見た。ならばこの闘兵衛……ヌシらの覚悟に敬意を表し、全力で闘ってやろう!!」

「行くぞ!フェイト、アルフ!フェレットもどき!気を引き締めろ!!」

「うん!」

「あいよ!」

「そっちこそ足を引っ張るなよ!真っ黒クロスケ!!」




闘兵衛VSクロノ、ユーノ、フェイト、アルフ





本来の正史では、管理局側の魔導師と闇の書の守護騎士ことヴォルケンリッターの序盤が開始される夜だったのだが、何の因果か二つの勢力の共通の敵が現れたことにより、まだ1組だけだが敵対していた者同士が手を取り合う事が出来たのだ。これが吉と出るか、凶と出るかはまだ分らない。



そして、この戦場の中で最強の分類に入る剣士たちは…

「ヴィータの奴…勝手なことを……」

「そう言ってる割には顔がニヤけてるわよ?剣士さん」

「ム…?これはとんだ失態だな。私としたことが……」

そう言いながら桃色のポニーテールの剣士…シグナムは口元を手で覆いながら口元の歪みを正す。対する黒いセミロングの剣士…リオンは両手に持つ双剣のひとつ、大陸風のデザインが施された黄金の剣を肩にトントン叩きながらシグナムの動きを伺っていた

そしてシグナムとリオンの睨み合いは長くは続かなかった


「っ!!」


リオンは背後からの殺気に反応し、彼女は反射的に己が愛用する双剣を交差する形で背後から襲い掛かってきた敵の拳を防御した。そこに居たのは褐色の肌に白髪、蒼い装束を身に纏い、両腕に銀色の篭手を装備した男だった。だがその男は人間では無かった。なぜならその男の頭部には青い獣の、と腰の下から獣の尾が生えていたのだ。

その男はヴィータとシグナム(彼女たち)にとっては援軍だったらしく、その声色には喜色が強かった


「「ザフィーラ!!」」

「無事か、2人とも」

「まだ戦闘中だけどな!」

「だが、おかげで助かった」

獣人の男(ザフィーラ)の登場に鉄槌の騎士(ヴィータ)剣の騎士(シグナム)は仲間の登場にわずかだが、心に余裕が生まれた。


しかし…そんな状況にも関わらず、それでも夜叉の姫君(リオン)の表情に焦りの色は薄かった


「ふ~ん?そこのお兄さんは“狼”なのかしら?」

「いかにも。我は“盾の守護獣”ザフィーラ!我が力は仲間と我が主のために振るう!」

「あ、そう。そっちが“狼”で“守護獣”なら、こっちもアンタに相応しい相手を出さないとね」

「なに?」

突然リオンの言葉に眉をひそめるザフィーラだったが、その答えはすぐに出た

「頼むよ!“銀牙”!!」

「グルァアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

「っ!?ぐあ!!」

背後から獣の咆哮が響き渡り、ザフィーラは体制を整えようとしたが、遅かった。何故ならその獣は背後からザフィーラの首に牙を突きたてたのだ

「グゥォオオオオオオオァァアアアアアアアッ!!!」

「がっ!!」

「「ザフィーラ!!」」

獣はザフィーラの首に噛み付いたまま回転し、その遠心力を利用しながらビルの壁にめがけて彼の脳天に叩き付けた。そんな彼の惨状にヴォルケンリッター(仲間たち)の日明治見た声が響いた。

「……うっ…一体……?な!?」

「グルルルルルル……」

叩きつけられたザフィーラは自分に不意打ちを着けてきた相手の姿初めて目にし、一瞬とはいえ目を奪われた。何故ならその獣は……





「“狼”だと!?」

しかもただの狼ではなかった。獅子や虎を上回る体格を持ち、穢れなど混じり気の無い新雪の如き白銀の毛で覆われ、爪も牙も鋭く、その獣が宿す蒼い目は王者を連想させるオーラが宿っていた

「そ、この子の名は“銀牙”。私の守護獣で相棒、そしてあの伝説の狼……“狼王ロボ”の血を受け継いでる戦士よ」

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」

リオンの言葉を肯定するように白銀の狼…銀牙は天に向かって咆哮を上げた。呆気に取られたシグナムたちだったが、そんなモノは関係無いと言わんばかりにリオンは双剣を構え直した


「さぁて……第2ラウンドと行きましょうか!!」





シグナム&ザフィーラVSリオン&銀牙


戦いは、まだ始まったばかりだった 
 

 
後書き
ちょっと半端感がありますが、何とか出しました。あと1~2回くらいで今回の序盤戦を終わらせるつもりです。

こんな駄作ですが、お付き合いいただければ幸いです。もしよかったら感想や評価の方もよろしくお願いします 
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