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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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転生天使にラブソングを
  蒼い翼冥界支社へ体験実習×グレモリー領の辺境での任務

俺らは蒼い翼冥界支社がある領地に来ていた。ハイブリッド・ピース及びハイブリッド・カードにした者らはソーナ、シーグヴァイラ、白音、朱乃、イリナとなっているが表向きだと各眷属と御使いとしての活動をしている。

だが裏ではソレスタルビーイングの一員であり、自動的に就職先が蒼い翼で働いてもらう予定となっている。体験就職と言う感じだが、その話を持ってきたのは意外にも朱乃からだった。

「蒼い翼へ体験就職をしたいとはどう言う事だ、朱乃」

「母様から聞きましたが、ハイブリッド・ピースとなった者らの就職先は自動的に蒼い翼だと聞いております」

「それなら私らも事前に聞いていましたけど、確かにまだ就職先を聞いているだけでまだ何をするかまでは聞いてませんね」

「そだね、一誠君は私達をCBの一員とした事で力も転生時よりも確実に上がったよー。でも蒼い翼で何をするかまでは何も聞いてないよー」

確かに黒神眷属CB所属の者については、何かの仕事をしているが黒神眷属でヴァーリチームと英雄チーム以外の者らは次元の狭間本家で仕事をしている。メイドをする恋姫チーム以外の者らは、勉学に励んでるし何時か人間界で役に立つ為に学んでいる。

大江戸チームとISチームは学生みたいなもんだし、元いた世界の延長として授業を受けている。勉学もまた仕事であり、イアンらの手伝いをしては実験相手を頼まれると剣魂を使った新たな技を開発すると今後の為になるからな。

「そんじゃ明日にでも行ってみるか・・・・蒼い翼冥界支社に行くと多分驚くと思う」

「人間界ではなく冥界ですか、それは何故?と言っておきましょうか」

「蒼い翼本社には人間しかいないが、冥界支社がある領地丸ごと俺らのもんだからな。そこだけ各領地とは違うスタイルを持っているが、まだ言わないでおくけどルフェイとジャンヌも連れて行く」

「確かにシトリー領やグレモリー領とは違うとは聞いてますが、何が違うかは明日分かる事のようですから私達もそろそろ寝ましょうか」

シーグヴァイラがそう告げると早々と自分の部屋に行ってしまったが、白音と朱乃にはゲストルームに案内させてから寝る前に俺が行く事をあちら側に伝えた。そして次の日になると暇だと言うヴァーリチームと英雄チームを引き連れて、俺らの送迎車を乗せて冥界魔王領からゴールデン・ウイング領に入ると人々が悪魔以外の種族だと最初に気付いたのはソーナ達だった。

「魔王領から入った瞬間、領地にいるヒトが悪魔以外だと思ったのは私だけでしょうか?」

「いいえソーナ、私達も同じ事を考えていたわ。この領地にいるヒト達の正体は・・・・」

「嘘でしょ!?ここは冥界のはずなのに、魔王領から蒼い翼が管理している領地に入れば悪魔以外のヒト達で沢山いるわ」

「どう言う事でしょうか?ここは冥界のはずですが、まるで『アース』に来たような感覚です。一誠様、一真様は分かっててわざわざここに招いたのでしょうか」

ソーナ、シーグヴァイラ、イリナ、レイヴェルはまるでここは『アース』に来たような感覚であるが、ここは冥界ゴールデン・ウイング領であって和英にすると金色の翼となる。創造神黒鐵の第一の姿を模した事で、俺ら蒼い翼の者らが全員一致でそう名付けたと聞いている。俺は一番先頭の車に乗っているが、容姿は織斑一真としているし運転手として桜花で隣に座っているのは社長秘書をしている朱璃だ。

「どうやら朱乃らはとても驚いている様子ですね、零CEO」

「そのようだな、ここを丸ごと買った事で領地名を大天使化した時の姿とはな。ここだけ悪魔以外の者達が住んでるし、全ての種族が住んでいる事を知っているのは現魔王であるサーゼクスでも知らないと思うぞ」

「冥界ゴールデン・ウイング領に入る事を許されているのは、蒼い翼関係者と社員の家族と各業種をしている会社や商店街ですからね。何でもあると言っても、ここから外に出るには容姿を悪魔としてコーティングしなければいけませんからね」

「全種族だが、代表として天使・悪魔・堕天使・人間だからな。他種族が人間界に来るには人間コーティングをしなければいけないし、個人証明書としてカードを配布した事で役所としても助かっていると聞いている」

俺らは普通に会話をしていたが、残りの二台に乗っている者ら全員驚愕していたがヴァーリチームと英雄チームは前々から知っていた。蒼い翼冥界支社に到着すると迎えた社員共が居た事で、俺らは普通に入るが朱乃達は緊張しながら一緒に入ってくる。支社なので社長は俺ではないが、最高経営責任者は俺なので支社長室よりも上の階にある部屋に入った。

「ソーナ達、改めてだがようこそ来てくれたな。冥界ゴールデン・ウイング領にある蒼い翼冥界支社へ」

「ゴールデン・ウイング領って初めて聞きますが『そりゃそうだ、ここは云わば隔離された領地とされている』と言う事はサーゼクス様も知らないのでしょうか?」

「ここは『アース』のモデルとされているが、魔王領にある特殊結界ゲートを潜るとそこから俺らの領地とされている。なので領地場所は秘匿だが、悪魔領と堕天使領の隣が俺らの領地とされている。地図で言えば悪魔領と堕天使領の裏側とも言えるな、ここに来れる者も限定されてるから特定されないよう厳重な守護結界を張っている」

「だから『アース』と同じような感覚なのですね、それで私達の体験就職はどう言ったものなのでしょうか」

そこからは社長秘書である朱璃が説明したが、まず職業として朱璃と同じ秘書になるか護衛者と分かれる。秘書何人も連れてかないし、幹部や護衛ともなればゴールデン・ウイング領にある社宅に住めるようになる。社宅は冥界支社があるビルとなり、地下二階から地上三十階までがオフィスフロアでそこから上は支社で働いている社員と家族が住んでいる住居フロアとされている。

「と、ここまでで何か質問はありますか?社長秘書である私であれば、回答範囲は広大ですがね」

「仕事内容までは分かりましたが、ルフェイとジャンヌは両立でしょうか?」

「そうですよ、二人が仲間になったと同時に経験させておきました。それとヴァーリ達もただ付いて来ただけではなく、護衛としてですけどね」

「ま、そう言う事だ。ヴァーリらは各勢力に派遣して覆面調査をしてもらっているが、各チーム共に良い成績を持っている」

「俺らヴァーリチームと英雄チームは、各領地に行き調査をしているが恐らくリアスやソーナ達でも知らないような所で活動している」

「英雄チームは色んな場所に行って、領民の困り事を解決していくがな。滅んだとされているドラゴンや魔物調査や絶滅危惧種が居た場合、保護してからこっちに行かせる事が多い」

ヴァーリと曹操が言う通りで、滅んだ魔物や邪龍が噂でどこかにいると聞くとヴァーリらを派遣させていく。ソーナ達は座学と社長秘書に関して体験してから、夕方になった所で蒼い翼冥界支社長が冥界に違和感があるそうだ。

そこで投影型端末で地図を出させると、グレモリー領の辺境に悪者が暴れ回ってると聞いた。本来ならグレモリー眷属の仕事かグレモリー家なのだが、ここで面白そうになりそうなので俺らはグレモリー領の辺境に行き退治した事で名乗った。

「どうやらここの領民は『黒衣の神皇帝』の事を余り知らないようだ。話を聞くとこの村を狙っている親玉が出てくるまで、ここに居るよう頼まれたがここで『黒衣の神皇帝』の偽物と言う事でやるか」

「なるほど、本物がいたとしてもリアスらから見れば偽物だと思わせてこちらに誘導すると言う事ですか。私は賛成です」

「朱乃と白音は知ったフリにしといて、グレモリー眷属付近にいてくれ。なお祐斗と朱乃が出ている役柄をアーサーと美猴にやらせる」

「面白そうですね、ここは覆面調査した事がありませんが一度調査して不満があるかやった方がよさそうです。見た感じ超が付く程の田舎ですから何もありませんね」

と言う事で俺らCBは本物の神皇帝であるが、白音と朱乃がいないので偽物とされている。祐斗がやるダークネスナイト・ファングをアーサーがやって、朱乃がやる雷光の巫女を妖術で化けた美猴となる。ヘルキャットを黒歌がやるが、神皇帝の片割れとして俺とヴァーリが赤龍帝と白龍皇としてやる事だ。

平日だと俺らは放課後以外の時は、英雄チームが化けてやっているが休日は本物の俺ら以外の者らが化けてやっている。ある日の放課後に集まったグレモリー眷属は、部室でリアスからの報告を聞いたが無論朱乃と白音は知ったフリをしている。

「偽物の神皇帝・・・・ですか?」

部室でリアスからその報告を受けて、私と白音以外のオカルト研究部の面々は訝しげな表情となっていた。いきなり『黒衣の神皇帝』の偽物が現れた報告であり、冥界の特撮番組のお陰で黒神眷属とグレモリー眷属は有名となった。グッズまで展開している程で、著作権を持つ蒼い翼は相当儲かっている。

「そうなのよ。ここに一誠達が居ればいいのだけど、グレイフィアからの報告では冥界グレモリー領の辺境で『黒衣の神皇帝』を名乗る者達が悪者退治をして回っているらしいの。『者達』と言う事で、一誠の偽物だけじゃなく小猫と祐斗に朱乃のまでいるようなのよ」

「偽物と言う事だけど、悪さをしないで悪者退治しているなら差ほど問題ないのでは?」

ゼノヴィアがそう言うが、リアスは首を横に振っていた。それに偽物じゃなくて本物だと知っているのは、私と小猫ちゃんだけだけど悪者退治をしているので悪い事をやっている訳ではない。

「そう言う訳にもいかないのよ、犯罪を犯す者を捕まえてくれるのは良い事かもしれないけれど。悪人に勝っても負けても噂に尾びれが付くし、神皇帝がどこかのならず者に負けたと言う噂が流布して回ったら一誠らが困る事なのよ。ここにいない一誠らもだけど、朱乃も一緒に出ているから変な恨みを買うと一切得がないわ」

『・・・・と言っておりますけど、偽物ではなく本物ですよね?朱乃さん』

『ええそうですよ、白音ちゃん。平日だと放課後になるとあの村に行ってますし、本物が悪者に負けるはずがありませんわ』

旧校舎には本来だと一誠ら黒神がいるはずだが、最近忙しいのか放課後になると姿が見えなくなる。あのアザゼルでさえ見ていないと言うのだから、一体何をしているのは把握していない。神皇帝に勝ったと言う触れ回る輩はいないが、もし出たとしたら被害が尋常じゃないだろう。

「まだ冥界のマスコミにもバレていない極秘情報だから、この件が他に気付かれない内に話をつけましょう。他者に気付かれたら色々面倒な事になりそうだし、元々著作権を持っているのは蒼い翼だとしてもグレモリー領に関してノータッチだそうだから。偽物撲滅、取り締まりは強化していかないといけないわね。しかもグレモリー領でそのような事件が起こっている何て、次期当主の私としても見逃せないわ」

「母様経由から聞いていますが、人間界と冥界にて問題があるので一切触れていないらしいですわ。最もグレモリー領はリアスの管轄とされていますし、自分の領土となる場所を管理しないと上級悪魔として指導力を問われてしまいますの」

リアスと朱乃が言った事で、今の所バレていなかったが何時バレるか分からんな。白音の偽物と朱乃の偽物に対して、敵意満々とされていたが芝居であってヘルキャットと雷光の巫女としている。

「僕の偽物か。僕、テレビだと悪役の『ダークネスナイト・ファング』何だけどね・・・・。どう言う状況何だろう」

祐斗君も首を捻っていたが、神皇帝だと悪役幹部としている。神皇帝の偽物は変身セットや玩具に関しても冥界で品切れ状態だし、案外偽物が本物の一誠さんだと知ったらどう言うリアクションをするか楽しみですわ。善は急げと言う事で、私達は冥界に到着後に転移型魔法陣から空飛ぶグリフォンで移動にて現地まで向かう。今頃一誠さん達は、首を長くして待っていると思います。

『一誠さん、まもなくグレモリー領の辺境にある田舎町に到着されますわ』

『お、やっと来たか。にしてもここは何もないから文句言いたい程だ、コンビニやテレビもニュースしか無い程にな』

『俺っちとしてはラーメン店も無い程だから、楽しみが無い所だが自然豊かな土地だから食い物は美味いぞ』

『まあそうですが、親玉がなかなか出てこないので少々ストレスがあります。ここまで何もない町は珍しいかと』

ここに来るまで自然豊かな山々や大きな川をグリフォンで越えて来たが、辿り着くまで念話で一誠さんに知らせていた。リアスらは気付いていないが、辿り着いた場所この田舎町は風車と麦畑、絶景の山々を背景にしたのどかな場所とされている。

人気が少ないし、道も舗装されている所と土の部分が入り混じってた。遠目に古ぼけた外観の店も見えますが、一誠さんの報告通りデパートやコンビニは無い場所とされている。

「この町は小麦と伝統工芸品が特産だそうですわ」

「私、こう言う場所に憧れます」

特徴のある町で、私達の横を荷馬車がゆっくり通っていく程なのでホントにのどかな場所とされている。手を組みながらアーシアちゃんが目をキラキラさせていたけど、華やかな都市部よりも田舎町のような所が好きそうですものね。悪魔の生涯は長いですし、私と白音ちゃんはCB所属としてここに派遣されると思います。

「冥界の田舎町、まるで故郷を思い出します!」

そう言えばロスヴァイセさんの故郷はここのような田舎にいる祖母がいるそうで、あとイリナさんは一誠さんらがいるけど『黒衣の神皇帝』では味方側として出演しているようですわ。

「この手の田舎町は、はぐれ悪魔や力のある魔物に狙われやすいんだよね」

祐斗さんがそう言いますが、はぐれ悪魔は極稀に人間界で退治される。主の元を逃れて悪魔の力を自分の好きなように使う危険な存在とされていて、人口が少ない領内の監視兵の目が届きにくい場所は悪者が潜伏するには良い場所。

「そうなのよ。凶悪なはぐれ悪魔は山間の僻地に潜伏しやすいわ。そこでじっくりと力を蓄えて、町人を餌食にする輩がいるのよ。もし見つけたら、手早く始末しなくちゃダメね。グレモリーの領土で大事な領民を犠牲する訳にはいかないわ」

田舎町を餌食すると言いますが、情報は常時更新されて蒼い翼に入ってくる。例え冥界の各領地の主が知る前には既に退治されているが、今回は完全に一誠さんの悪ふざけですからね。すると町民が何名か走ってくる。

「また神皇帝様が魔物を退治してくれたそうだぞ!」

「神皇帝様々だな!」

と言う会話をしながら、私達の横を通り過ぎていくが話題としては拡散しているようですわ。町民の会話から察するにそちらの方に目的の本物御一行様がいますけれど、通り過ぎていく町民の一人が祐斗さんを見る。

「あ、あれ・・・・?あれー?」

怪訝そうに首を傾げてましたが、コスプレファンだと勝手に合点して去って行く。どうやら祐斗さんと誰かを間違えたようですが、どうやらまた悪者退治をしたそうですね一誠さん達は。

「どうやら、早速お目に掛かれそうね」

リアスは町民が走って行った方向に目をやると、来て早々に偽物=本物と出会えそうで開けた場所に集まる人々。その中央で数名の男女が巨大な生物を横にして、声高らかに言う。

「この町を狙っていた悪い魔物は倒しましたわ!ご安心下さいませ、私らの攻撃にて倒して差し上げます」

聞き覚えのある声と見覚えのある黒髪のポニーテール姿である私、皆が私を振り返りますが本物だと見て再び前にいる私を見ていた。私そっくりではありますが、一つ違う点は衣装だけであり本物は制服を着ていてあちらはテレビで雷光の巫女と呼ばれている巫女服を着ています。

リアスはポカーンとしていましたが、もちろん私も小猫ちゃんも知ってますので驚いているフリだけをしていました。退治したであろう魔物、怪鳥を横にして私の偽物が叫びます。

「この魔物はこの村を狙う暗黒ドラゴン、クロウ・クルワッハの配下!この村に凶事をもたらす前に私達が退治しましたわ!」

「俺達は蒼い翼から派遣されて来た者らであり、グレモリー領を管轄している者らよりも素早く解決してみせた。グレモリー領を統括している者らがここに来たとしても既に解決済みであるが、問題が解決されなければ蒼い翼冥界支社に嘆願書を持って来ればすぐに解決しに行くぞ!」

それを聞いた町民達は大いに沸いていたし、後半辺りから蒼い翼に関してPRしていた社員達。

「さ、流石は雷光の巫女様だ。ありがたやありがたや・・・・!」

「神皇帝一行様のお陰でこの町は平和だ!」

「流石とも言えるが、蒼い翼冥界支社の者達が早々に解決してくれたのにグレモリー家は一体何をしておるのだ。領民の不満を解決するのは、本来グレモリー家ではないのかね?」

涙を流して喜ぶ町民もおれば、蒼い翼から派遣されて来た事でここを仕切っているグレモリー家に不信感を持っていた。本物が悪者退治しているが、残りの者らを見ると明らかに偽物だと思わせる者らがいた。

「今回も神皇帝の片割れである赤龍帝と白龍皇が、一撃粉砕となった!流石皆の神皇帝と仲間達である!」

偽物の私が全身鎧を着こんだ一誠さんとヴァーリを紹介するが、神皇帝の片割れと言うのは実際『黒衣の神皇帝』でも公式設定とされている。黒鐵改を呼ぶ事も多いが、最近では赤白龍神皇帝となるので二人が出演している。

「「「「「神皇帝!神皇帝!」」」」」

一誠さん達を称えるように町民らが名前をコールしてますけど、ギャスパー君が何か気付いたので祐斗さんが指先で何かを見つけたようですわ。そこには『黒衣の神皇帝』に登場する小猫ちゃんを模したキャラ『ヘルキャット』の衣装を着込んだ黒歌さんに、少し離れた場所にイリナさんとアーサーがいた所で黒神の仕業だと知った。

「はーい♪皆ー、お礼のおひねりを頂けると嬉しいにゃん☆」

「「「「「うおおおおおおおおっ!ブラック・ヘルキャット様ぁぁぁぁっ!」」」」」

ヘルキャットには猫又姉妹である黒歌さんと小猫ちゃんがやっているので、ブラック・ヘルキャットとホワイト・ヘルキャットと言うのが正式名称とされている。男性の町民達は目をハートマークにさせながら、黒歌の元にお金を放り込む。

「と言う事ですので、ここらで私らは退散しますわ。また何か不具合が発生したり魔物が現れたら、すぐにあちらにある詰所に来てもらいたいですの」

「俺達は今後も魔物が出現したり、何か娯楽が無いか考えようと思いたい。ではそろそろ俺達は宿屋にて退散する」

俺達はリアスらがここにいる事を知ったので、ステージの脇にある道にて退散していく。それを追うグレモリー眷属らであったが、俺らの宿屋に話を付けてあるのでリアスらを入れるようにしてある。田舎町の宿屋と言っても、我が社が建てた所に入る俺達と追撃して来たので待ち構えていた俺達であった。

「こら!待ちなさい、一誠!」

「もしかして偽物の神皇帝と言う噂はでっちあげでしょうか?」

宿屋前に到着したはいいが、駐屯隊員を配置しているのでここから先は許可書か蒼い翼の関係者を示す書類が必要だと知ったリアス。だが朱乃と白音が身分証明書として提示したのは、蒼い翼関係者のIDカードだったのでリアスらを引き連れて宿屋の一階に行くと俺らが首を長くして待っていた。

「よう、リアス。お前らこんな所で何をしているんだ?」

「何って・・・・もしかして貴方達の仕業なのかしら?」

「ま、そうだぜ。おっと、俺っちも正体明かそうかね~」

煙を立てながら朱乃の姿から元に戻った美猴で、孫悟空の子孫にして妖怪だから妖術の類で偽物に化けていただけ。赤龍帝と白龍皇である俺とヴァーリは、禁手化を解除して私服を着ていた。日本人特有の黒髪と黒い双眸の俺、ダークカラーが強い銀髪に青い双眸のヴァーリ。偽物を演じていた美猴とアーサーが居て、更には黒歌も居た事で半眼で睨みつけたリアスが一言聞く。

「どう言う事かしら?」

「どう言う事も何もだが、まさか今頃になってグレモリー眷属が来るとはな。正直言って来るの遅すぎ、ここがグレモリー領の辺境地で何もない所だから情報が遅れているんだよ」

と言う事で分かりやすく説明すると、俺ら蒼い翼冥界支社からの報告によってこの町に邪龍『三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)』クロウ・クルワッハがこの周辺に潜んでいると情報を元に調査として訪れた。この町は謎の魔物から襲撃受けている最中であり、俺らが来た時に丁度撃退した事で面白くなりそうだと思い神皇帝が現れた事にした。

「俺達は本物の神皇帝を演じていた訳だが、他は化けたりしているので助けた事でこの町限定のヒーローとなってしまってな。本物の『黒衣の神皇帝』一行としてだが、そちらに朱乃と白音がいるんで美猴と黒歌に頼んで化けてもらった訳」

「クロウ・クルワッハ。既に滅んだと言う噂もある伝説の邪龍でしたね」

「生きていると言う伝説も残ってるし、戦と死を司るドラゴン。キリスト教の介入により滅ぼされたと通説になってますが、どこかに逃げ延び深い眠りについたとも言われてます。そこで我が主により、しばらくここに駐留していたら貴方達が来た訳です・・・・無論我らとソーナ達もここにいますが、今日はいませんけどね」

ロスヴァイセが顎に手をやりながらそう漏らすと、アーサーが眼鏡を上げながら笑みを浮かべて俺を見ていた。伝説ドラゴンの大抵は引退したか滅ぼされたの二択であるし、ドライグとアルビオンは倒されて神器に封印されたが今代の俺によって肉体を得たからな。現存している力のあるドラゴンは数える程度しかいないが、黒神にはドライグにアルビオンとティアとサマエルがいる。

「複数の魔物を使役して、この町を狙っているドラゴンが近くの山に潜伏しているのは確か何だが、どうもクロウ・クルワッハがいないらしいんだよなー」

「では何故蒼い翼所属兼CB所属のお前達がここに留まっているんだ?用は済んだのだろう?」

「そりゃ俺達がここにいないと面白味が無くなるからな、グレモリー家よりも早く現着した俺達はすぐに覆面調査して価値のある場所だと判断した。それにここを管轄しているグレモリー眷属が、何時気付いてここに来るかちゃんと測定してたからな」

「魔物退治時に俺らを快く歓迎してくれた町民のお陰で、たんまりと食わせてくれたのさー。出来ればこの村を狙う親玉ドラゴンを倒すまで居てくれって頼まれちゃうと、俺っちらの主である一誠も文句無しで頷いた。一宿一飯の恩義とは行かねえけど」

と言う事で朱乃と白音をこちらに招いた事で、最初から知った口として話したらリアスらは一瞬固まった。フリーズか?と思いきや、私達よりも何故情報を知っていてここに居るかを問われたが蒼い翼冥界支社は全ての領地を監視している。どんな小さな町で辺境であったとしても、何か困り事が発生した場合は即座に行く事がモットーだからな。

『・・・・ドライグ、どうやら作戦は成功の様子だなー』

『ああそうだな、アルビオン。最近だと面白い事に口を突っ込む一誠であるが、聞いた時にこれは面白い事が発生するなと思ったからな』

天龍二匹はそれぞれ話していたが、俺とレイヴェルは机に座って情報端末を開いてから冥界支社に報告書を送る所だった。今日ここで起きた事とリアスらがやっと来た事でグレモリー領を管理している当主らは何をしているんだとな。リアスは息を吐きながら、俺らに頭を下げた。

「・・・・グレモリーの者として、領民を助けてくれた事には感謝するわ。この町が魔物に襲われていた事に気付けなかった私達に非があるわね」

「天下のグレモリー家でも田舎町一つ目を光らせてねえよな?この町はテレビも二局しか映んねえし、特撮番組である『黒衣の神皇帝』もやってねえらしいぞ」

「ついでに言えば『黒衣の神皇帝』の情報は、冥界第一放送のニュースかラジオしか知らされてなかったそうですわよリアス。情報格差はいけないと思いますが、そのお陰で他メンバーが変装してもバレていない様子でしたしね」

「・・・・そうね、電波塔を建てるべきね」

目元を多少ひくつかせるリアスであったが、朱乃や白音まで言われてしまうとグレモリー眷属『王』で次期当主とは思えない程である。報告書を纏めながら、俺らが言いたい事を代わりに黒歌と白音が言ってくれたようだな。

「ついでに言えば、ここにコンビニやスーパーの一つでも設置する必要があるにゃ」

「仕入れの悪い店や移動販売ばかりでは、買い物にも格差が広がって町民から不満爆発しそうでした」

「・・・・も、最もな意見だわ」

「もう一つ言えばラーメン屋を建ててもいいんじゃないかと俺っちらはそう思っているんだぜ、蒼い翼冥界支社にそれも頼んでいいか一誠」

「・・・・そ、それは関係ないのではなくて?『実際俺らがここにいる時は、ラーメンも食えない町に来るとは思ってもみなかった』でも貴方達が居る時、不法入国で不法滞在だわ!」

怒りのボルテージが上がったのか、机を叩いて俺らの目をそちらに向けさせようとしていた。だが俺らの仕事を邪魔するようであれば、何時でも追い出す事も可能何だが俺らは不法入国も不法滞在もしていない。ちゃんと蒼い翼から派遣されて来たと言っちゃえば誰も文句は言えないが、親玉が来ないのであれば全町民を集めるイベントをやる事となった。

「ここにグレモリー眷属もいるからよー、勝負しねえか?親玉が来やすいようにして、ここの町民を相手にどちらが『黒衣の神皇帝』一行なのか決めてもらおうか。幸い俺とヴァーリを審査員とし、脇役や幹部を出した勝負をよー。出場しないなら、現当主であるケルディムにそのまま報告と言う事になるけど?」

「面白い事を言い出すわね、ええいいわよ。その勝負買ったし、こちらには本物の脇役がいるのだから見せてあげる!祐斗に皆、やるわよ!」

半分脅迫のように言ってみたら、案外すぐに買ってくれた事で『黒衣の神皇帝』らしいか三番勝負する事となった。ヘルキャットである黒歌と白音であるが、この町にはブラック・ヘルキャットしか知らないみたいだ。それにドライグもアルビオンもノリノリだが、本来だと実家に帰るとか言うアルビオンだが白龍皇に実家何てあるのか?俺達も暇であるが、俺らはここを狙う魔龍が気になってしょうがない。

「創造神としての仕事でもするか」

「久々に見れるがいいのか?蒼い翼から造らせなくても」

「たまには力を発揮しないと腕が鈍るし、横断幕だけを作らせるつもりだ。悪魔文字分からんからな」

「悪魔文字で『神皇帝一行らしさ決定戦!』と書かれていますね」

町民が広場に集結し、舞台に期待の視線を向けられていた。すると魔龍の親玉っぽいのを感じ取れたので、三番勝負が終わる頃に成敗してやるとするか。

『えー、レディース&ジェントルメン!第一回「どちらが本物の脇役か?」大会を開催したいと思いまーすっ!』

「「「「「おおおおおおおおおおっ!」」」」」

司会を受け持った蒼い翼冥界支社の調査員がマイクを震わせながら言うと、盛大な拍手と声援が飛んでいた。今回本物の神皇帝はいるが、脇役に関しては本物と化けた者がいるからな。町民は事の詳細を話した偽朱乃である美猴だったが、二つ返事で応じて横断幕だけを造らせたようだ。娯楽の乏しい田舎町の所為か、面白いイベントをやる事がないので盛り上がっていた。

『審査員は、町長!そして「黒衣の神皇帝」の主演をしております兵藤一誠さん、グレモリー眷属のロスヴァイセさんとアーシア・アルジェントさん、ゼノヴィアさん!となりますのでよろしくお願い致します』

「皆さん、よろしく。町長です」

「やあ諸君、俺は黒神眷属『王』の兵藤一誠だ。よろしくな」

「こんにちは、ヴァルキリーのロスヴァイセです。審査をする以上は公正に行きます」

「ア、アーシアです!この町は素敵な所だと思います!一度は住んでみたいなーって思います!」

「私はゼノヴィアだ、よろしく」

審査員席に並ぶ町長と俺はいいとして、グレモリー眷属から三名が審査員をする事となった。大会は三番勝負の団体戦で、祐斗と白音と朱乃が出場するようだ。『ダークネスナイト・ファング』と『ヘルキャット』と『雷光の巫女』として、アーサーと黒歌と朱乃に化けた美猴となる。

『さあ、それでは大会スタートです!』

司会がついに開始宣言をした事で、ラウンドガールとしてイリナがバニーガールのコスプレをしていた。と言う訳で大会スタートしたが、初戦は悪役コスチュームに着替えた祐斗とアーサー。それぞれの胸に1と2と記されたバッジが付けられているが、どちらが本物らしいかを決める大会なのでな。本名は語らないで、番号のみで審査員席の者らは番号札で審査となる。

「「「「「キャーッ!どっちもイケメンよーっ!」」」」」

舞台上に立つイケメン二人に町娘達も黄色い声援を送るが、容姿だけだと二人共はこのような役柄が似合うんだよな。

『会場の女性限定でパネルが渡されております!裏表にはお二人の番号を記した1と2の文字!これからお二人にはカッコイイ台詞、カッコいいポージング等をしてもらいまして、最終的に審査員と観客席の女性の方々のパネルによる投票で本物らしさか決しようと思います!』

カッコイイ台詞にポージングは得意なはずであるが、マイクを手渡される祐斗。大きく息を整えた後にマントを翻しながら言った。

『神皇帝よ、よくぞ私の元まで辿り着いた。今宵、この場にて貴殿と私による最後の宴を開こうではないか。・・・・さあ、終局の幕を開けよう』

このセリフを言ってきたようだが、ダークネスナイト・ファングの台詞をそのまま言ったようだ。

「「「「「いやぁぁぁぁぁぁっ!きゃっこいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃっ!」」」」」

女性からの嬌声が響き渡るが、中にはそのセリフを聞いて気絶するヒトまでの破壊力。次にアーサーの番となったが、オリジナルではなく自分ではこう言いたいのであればアレンジして構わんと言ってあるがどう言う?

『黒鐵改・・・・一度、手合せ願いたいですが、二天龍と称された者が聖王剣の波動にどこまで耐えられるのか。出来る事なら、その強靭な精神力・・・・心まで刻み込んでみたいものです』

・・・・冷たい視線にぞくりと震えるが、アーサーはどうやら本物の敵意剥き出しの視線を向けたようだ。本音混じりな事を言ったが、黒鐵改に関しては『黒衣の神皇帝』だと敵役がロボットを使う時に召喚する神皇帝の別名である。

「「「「「うほぉぉぉおおっ!私にも刻んでぇぇぇぇっっぇっ!」」」」」

観客席の女性陣は目をハートマークでありながら興奮状態となるけど、イケメン対決とは如何にカッコイイかに関する項目を熟していくと同時に女性を大いに沸かせていたな。

「正直イケメンには興味ありませんね、はい」

「後程、番組で言われたい台詞ではあるな」

「イメージとしては木場なのだが・・・・」

「ダークネスと称されるナイトのイメージとしては、アーサーさんも悪くありませんね」

町長のコメントは正直であるが、俺としては番組内で言われたい台詞でもあった。ゼノヴィアとロスヴァイセも身贔屓せず、真面目に審査していたが結果的には同点となった。爽やかなイケメン祐斗と危ない雰囲気を醸し出しているアーサー、観客の女性陣と審査員でも票が割れていた。

次の対決はヘルキャットとしてだが、舞台上には黒歌と白音が衣装を身に着けている。公式設定では二人でヘルキャットなのだが、片方だけとなると衣装の色で判別している。それに体付きも真逆であり、ロリロリ体型の白音とボンキュボンの黒歌。二人の自前である猫耳と尻尾を出させて、それぞれのポージングをしていた。

「「「「「おおおおおおおっ!黒白ヘルキャット様っ!」」」」」

観客男性陣は黒歌のエロい体に夢中となっていたが、果たしてどうなるか楽しみだな。

『さあ、どちらがヘルキャットらしいかを今度は男性陣のみパネルが用意されております!ロリロリなヘルキャットか、それともエロエロセクシーなヘルキャットなのか。アピールタイムスタート!』

先にマイクを渡されたのは黒歌であり、手で自身の体を艶めかしくなぞっていく。太ももから尻・腰・胸となぞっていき、最後に口元で手を触れて舌で唇を艶っぽく舐めていく。

『お姉さんとヘルキャットな事してみないかにゃん♪』

恐らくだが男性の脳を激しく揺さぶる官能的なセリフに度胆を抜かされたのか、主に観客席の男性陣の鼻血が噴出しながら告げる。

「「「「「はい!喜んで!」」」」」

想像通りとなったが、俺は決して鼻血など出していないからか。代わりに親指を立てたグーサインを出した事で、流石姉とも言える台詞を考えたな。だが番組では言えない台詞なので、ここだけの限定だからか司会も警護していた者らも動画で撮影していた。黒歌の超絶アピールを受けた白音は、悲しい表情を浮かべていたがこれも策の一つとしてな。手渡されたマイクに一言呟く。

『・・・・私は片方のヘルキャットではありますが、背も胸もちっこい私にとってアピール出来にゃん・・・・ぐすっ』

猫又姉妹とて、この勝負は初めから企画された事なので黒歌がああ言うのであれば白音の台詞を考えた俺。すると予想通りに愛らしい白音の姿を見るときゅんとしていたようだ。

「「「「「きゃ、きゃわいい・・・・!ロリっ子も最高ォォォォォォォォォッ!」」」」」

観客の男性陣は電気が走った事で、鼻血を噴き出しながら狂喜乱舞していた。

「エロエロお姉さんとロリロリ少女の対決!冥界に生まれて良かった!」

天に向かって叫ぶ町長もノリノリであり、大人の男としては当然な反応をしたのだった。結果としては半々となり、黒歌に圧倒されながらも白音の嘘泣きのようなセリフで心奪われたようだ。要するに『可愛いは正義』とも言えるが、大人のお姉さんを好む野郎とロリコン好きな野郎が分かれたようだな。

「やるじゃん、白音♪」

「・・・・正直ここまでとは思いませんでしたが、一誠先輩に教わりましたので次はオリジナルで勝負したいです」

「そりゃ一誠が考えたセリフだからにゃ、番組では興奮しない所を屋外ステージでメロメロにさせるのも手の内だにゃ」

「今度は姉様と一緒にやりたいです」

猫又姉妹のバトルは終わると、戦いは最終戦となった。ま、本来だとスイッチ姫対決となるがここでは雷光の巫女としての対決でもある。リアスの胸が光出すと言う訳の分からん事であったし、第二フェーズ現象で胸が光るとかだったな。雷光の巫女が出て来たと思えば、観客の中に魔龍の親玉を発見した事で二人の朱乃が言った。

「そこにいるのは分かっておりますわ、さっさと出て来なさい!」

「出てこないのであれば、雷光にて姿をお見せなさいな!」

互いの雷光を浴びた事で観客の一人が苦しみ出したが、俺らの目的は魔龍の親玉をここに来させる事だからだ。ちなみに雷光を浴びたとしても、観客ら全員が塵になる事はないが魔を振り払う破魔の力を持たせている。容姿を変化させていき、体が巨大に膨れ上がり翼が生えて腕と脚が太くなり尻尾まで生えた。

『ゴァァァァァアアアアアアアァァッッ!』

咆哮が会場全体に響き渡り、観客席に現れたのは一匹の巨大ドラゴンだ。俺らの標的であったが、迫力もイマイチだし強さも感じない。

「「「「「うわぁぁぁっ!ドラゴンだーっ!」」」」」

「ここは我々に任せて、観客達は逃げて下さい!」

幸い警護をしていた者らが町民達を逃がした事で、ここに残ったのは俺達とグレモリー眷属と町長だけとなった。俺達の目的は親玉を片付ける事だから、作戦としては上手くいったな。

『おのれぇぇぇ、悪魔共め!最初から我の正体を破り、ここに誘き寄せる事だったとは失態だ!』

「当たり前だ、お前を呼ぶ為にわざわざ町民全員をここに呼んだのだからな。町民に混じっている事も最初から分かっていたし、お前がこの町にちょっかい出している元凶か。・・・・よく見ればただの魔龍とは」

雷光によって正体を現したドラゴンは憎々しげに漏らすが、俺らの策にハマったんだから当然の事。でもただの魔龍だと分かったのか、俺達は面白くなさそうに見ていたがコイツが魔物達の元締めか。二天龍や龍王やタンニーンの領地で暮らしているドラゴンよりも劣っているオーラの質。

『・・・・ああ、そうだ。よくも邪魔してくれたな。この村を支配下に置き、我が野望の足掛かりにする予定なのだ。貴様ら烏合の衆に邪魔などさせん!』

ドラゴンの言葉に俺とヴァーリは顔を見合わせて、中にいるティアとサマエルもしばらく考えたがもしかしてコイツは二天龍を知らんのか?天龍を目の前にしてそのセリフを言う事は、本当に知らないのだろうか。一応ドライグとアルビオンに聞いてみた。

『若造のドラゴンだな、恐らくどっかの魔龍一族の出なのだろう』

『だが中途半端に世を渡ってきた所為で、本物の強者に出会わなかったからああ言えるんだと私は思うぞ』

ドライグとアルビオンが呆れながら呟くが、俺らも呆れて言えねえがコイツの地元では番長だったのか長なのかまでは知らん。俺が相手したら一瞬で終わってしまうかもしれんと言うのに雑魚ドラゴンが言う。

『気に食わない顔だ!よかろう、我が配下の魔物達と共に本当のドラゴンを見せてやろう!』

ドラゴンの陰から魔物が沢山出て来たが、脅威レベル1としたプレッシャー具合だった。そんで俺らは最小限の被害だけでコイツを殴り飛ばした事で、事件は解決したが正式に『黒衣の神皇帝』のショーを観客席の後ろで見守ってた俺ら黒神とグレモリー。俺達を模した俳優が舞台上でショーを執り行い、町の子供達も楽しそうにしていた。

「にしてもよー、あの魔龍の処分はどうなったんだ?一誠」

「あの雑魚か?弱すぎて話にならなかったから、タンニーンの領地に飛ばしておいた。今頃、タンニーンらが暮らすドラゴン達に扱かれているだろうな」

「元龍王とそれぞれの強者ドラゴン相手をか、それに二度と町が狙われないようにグレモリーの駐屯兵を派遣されたんだっけ」

「元々蒼い翼冥界支社からだったが、今回はグレモリー側に非があるんでそうさせた。電波塔とコンビニとスーパーを建てたのはウチらだが、これで情報弱者にならないようになったしテレビの局数も増やしたからな」

今回の事で現当主であるケルディムから正式に謝罪があったけど、今後は蒼い翼冥界支社と連携して小さな町にも監視体制と娯楽施設をいくつか設けた。ショーが終了後にサイン会となったので、本人である俺とヘルキャット姉妹や味方として登場する奴らと一緒にしてから写真も撮った。

俺達は一度ゴールデン・ウイング領に戻ったが、ここを知ったソーナ達は何時か俺の口から出るまで閉ざしていた。そして秘書や護衛に関しての職務をしてから、本当の体験就職を終えたソーナ達だった。 
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