ソードアート・オンライン handle a system

アインクラッド百層
ここではリュウヤとクロノスが激闘を繰り広げていた。防御力を最大値に設定されているクロノスに魔法やソードスキル等で攻撃するが全く効果がなく今は相手の攻撃を防御するしかなかった。幸いにも相手の動きは単純で簡単にさばけるがそれも集中力がいつまで持つかどうかだ。十二星や数多くの敵将との死闘の末にリュウヤの集中力が途切れ始めていた。単純な攻撃をかわしていくうちついにクロノスの攻撃をかわすのに失敗してしまった。そのわずかにできた隙にクロノスの攻撃が来ることはなかった。
ーーリーファが見慣れない剣でその攻撃を受け止めていた。
「リーファ？！何でここに………」
「リュウヤに届け物だよ」
そういってリュウヤに持っていた剣を渡す。それを手に取った瞬間リュウヤの中にいくつかの映像が入ってくる。星、何処までも星が並んでいる。その中の１つに数多もの星の光が集まっていく。やがてその星は神によって１つの剣になった。
「サンキュー……リーファ……これがありゃ負けねぇな！！」
そういってリュウヤはクロノスに斬りかかる。単純ゆえに簡単にクロノスに攻撃を当てる。その瞬間HPが減少した。
「？！貴様………その剣は………七星剣」
「悪いがもうお前にはもう負けねぇよ！！」
そこからは一方的だった。戦闘能力の差にものを言わせたリュウヤはクロノスのHPをどんどんと削った。
「この私を………舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！」
クロノスが叫ぶとアインクラッドが振動を始める。
「スグ！！」
その振動に嫌な予感がしたリュウヤはリーファと共にアインクラッドから脱出する。それと同時にアインクラッドが光に包まれた。

「グォォォォォォォォォォ！！」
同時刻地上では妖精連合と交戦していたボスが雄叫びをあげ上空に飛び去っていった。
「逃げた………のか？」
「リーファちゃん！！」
ボスと入れ替わる形で地上に降りてきたリュウヤとリーファの所にレコンが駆け寄ってくる。
「リュウヤさんが戻ってきたってことは総大将は………」
「わりぃ……やりそこねた！！」
リュウヤがアインクラッドを見上げると何かが落ちてくる。ヒースクリフだ。どうやらアインクラッドが光に包まれた時に外に追い出されたみたいだ。上空に飛び去ったボスがアインクラッドを包み込むとさらにまぶしい光が辺りを包む。光がやんだ瞬間地響きと共に巨大なモンスターが地面に降り立った。
《The lost sang》ーー滅びの歌。新たなるボスモンスター。
「グォォォォォォォォォォ！！！」
ボスモンスターが叫ぶと空を飛んでいたプレイヤーが全員地面に落ちる。何人かが羽を広げようとするが広げる事ができない。
「おい………HPゲージがないぞ！！」
連合の誰かがそう叫びリュウヤも確認するが普段あるはず場所のところにHPゲージは存在していたいなかった。
「こんな……の勝てねぇよ……」
消耗し、空も飛べずボスのHPゲージは存在していない。その絶望的な状況にプレイヤーが諦めたように地面に武器を落としていった。中には地面に倒れ投降するものもいる。領主達でさえも武器に握る手に力はこもっていない。
「ユイ………あいつのHPゲージが見えない理由わかるか？」
「恐らく攻撃可能範囲にボスモンスターの弱点が存在しないからだと思われます。今の状況から考えると恐らくあの顔が弱点だと推測できます。ただ攻撃可能範囲に入るためには空を飛ぶ必要があります」
「リュウヤ！！飛べないのはアイツが呪いで羽を封じてるからだよ！！あの手みたいな所にある赤いクリスタルを壊せば呪いは解けて飛べるようになるよ！！手を降ろすには地面に接してる部分にあるクリスタルを壊せばいいみたい！！」
リュウヤはユイとストレアの説明を聞くと立ち上がる。
「全員聞け！！アイツの弱点が分かった！！そこに攻撃するためにはあの赤いクリスタルを壊す必要がある！！赤いクリスタルを壊すにはアイツの足元のクリスタルを壊せばいい！！たったそれだけで俺達は勝てる！！」
リュウヤが叫ぶが連合のプレイヤーは誰も剣を握ろうとしない。
「2435……今の妖精連合の生き残りの数だ。ALOのトッププレイヤーもいれば初心者、始めたばかりのプレイヤーもいる。あんだけいたプレイヤーがたった2000人ちょいまで減ったんだぜ。笑えるよな。皆デスペナくらって大損害だろうな……。確かにデスペナはとんでもない影響が出る。と言ってもお前らがアイツに抱いているのはデスペナを受ける恐怖じゃなくて勝てるはずのない敵にたいしての恐怖だな。確かにアイツに勝てねぇかもしれないな……。だからどうした？何で俺達が今まで100を越えるボスモンスターと戦ってきたんだ？この戦争に勝つためだろ？だったらここで諦めたら今までの戦いや散っていったプレイヤーの思いは何だったんだ？今お前たちがやっているのはその思いを踏みにじる事と同じだ。今のお前たちは仲間に笑われても何も文句を言えないそんな状態だ。だってよ簡単に諦めたんだからなぁ！！いいか、かつて起きたSAO事件が何で解決されたか！！それは中のプレイヤーが最後まで諦めなかったからだ！！この戦いもこれで最後だ………だから妖精連合戦闘部隊総指揮官として全員に最後の作戦を伝える……諦めるな！！たとえ最後の一人になって見苦しくあがいてもいい、最後まで諦めるな！！ 」
リュウヤの言葉を聞き妖精連合のプレイヤーがみな再び武器を握る。リュウヤは振り返り皆の顔を見るが誰も先程までの恐怖に負けていた顔をしていない。
「行くぞ！！目標lost sang！！全員突撃！！」
リュウヤの号令と共に雄叫びを上げ突撃する妖精連合。ーーラグナロク決着まで後三十分