Ｂｌｕｅ　Ｒｏｓｅ

「プリン体が多いから」
「痛風か」
「ドイツ人は痛風が多いけれど」
「うちに来てる留学生の皆も言ってるな」
　八条学園に来ている面々がだ、八条学園は留学生をかなり受け入れていて世界中から留学生が来ているのだ。全校生徒のかなりの割合が留学生だ。
「ドイツからのな」
「うん、そうだよね」
「ドイツでは痛風が多いって」
「ビールを飲むからなんだ」
「それでか」
「しかもビールと一緒にね」
　優花はさらに言った。
「ソーセージにハム、ベーコンで」
「ジャガイモにバターか」
「あと朝食欲ないと」
「あれらしいな、ビールに生卵入れて飲むんだよな」
「そんな食生活だと」
　それこそというのだ。
「痛風にもなるよ」
「そういうことか」
「ビールもね」
「飲み過ぎないことか」
「そう、それがね」
「健康の為か」
「そうだよ、龍馬もね」
　優花は彼にも言うのだった。
「お酒には気をつけないと」
「俺にも言うんだな」
「そうだよ、だって姉さんも龍馬もね」
　二人共、というのだ。
「大切な人だから」
「それでか」
「うん、健康には気をつけて欲しいから」
　だからというのだ。
「お酒にはね」
「気をつけろっていうんだな」
「日本酒もビールも飲み過ぎないでね」
　注意する顔でだ、優花は龍馬に言うのだった。
「本当に」
「お酒自体がか」
「うん、お酒自体を飲み過ぎないことだけれど」　
「飲むのならだな」
「ワインがいいから」
「ワインか」
「そう、ワインも飲み過ぎはよくないけれど」　
　それでもというのだ。
「日本酒やビールよりずっと身体にはいいから」
「飲むならか」
「ワインがいいんだ」
「じゃあ優花もか」
「うん、姉さんとお付き合いで飲むこともあるけれど」
　酒好きの優子は優花が八条町の条例で飲酒可能な年齢となった十五歳になった時から一緒に飲む様に誘いはじめたのだ。それで彼も飲んでいるのだ。
「その時にはなんだ」
「ワインか」
「お肉とかパスタには赤でね」
　そしてと言うのだった。
「和食や魚介類は白にしているんだ」
「それは誰でもだよな」
「そうだよね、赤ワインはお肉やパスタだよね」
「白は和食、それに魚介類だな」
「中華も大体赤だね」
　このワインだというのだ。
「そうして飲んでるんだ」
「そうか、御前はワイン派か」
「美味しいしね」
「じゃあ俺もワインにするか」
　優花の言葉を聞いてだ、龍馬も言った。