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ソードアート・オンライン~隻腕の大剣使い~

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第22話二代目ビーター

 
前書き
醤「どうもお久しぶりです!」

ラ「そのセリフで始まるのがもはやお約束になったな」

ミ「そうだね~。ところで最近というか数回前から文字数少ないみたいだけどどうしたの?」

醤「いや~、やっぱり三人称sideになると時間掛かるのに完成したら結構短いっていうのが難点でして・・・」

ラ「案外そういうの多いみたいだな。ところで・・・今回のタイトルどういう意味?」

ミ「ビーターってキリト君のことだよね?二代目って何?」

醤「今回の話を読んでれば解るよ。それでは!第22話スタート!」 

 

ライリュウside

決着(ケリ)つけようぜ・・・!」

「イッツ・・・ショウタイム!」

オレの前にはあの忌々しい過去(トラウマ)の象徴を握る男、PoHがいる。それに対しオレはかつてのオレの愛剣、《ドラゴンスレイヤー》の力を受け継いだ新たな愛剣、《ドラゴンビート》を右手に握る。だけどーーー重い。剣の重さじゃない、この()その物が重い。
オレはついさっき、友達(リトルギガント)の仇三人をーーーこの拳で殺した。翼、かんな、亜利沙の仇を取った。悔いはない。悔いはない筈なのにーーーなんでこんなにも手が重いんだ。

「どうした、ビビって動けねぇのか?あん時みてぇに・・・」

「!!ミラ、下がってろ。・・・なるべく一人でやらせてくれ」

今は目の前のことに集中しろ。圏内事件の時とは少なくとももう違う。模造品を使った精神療法は捨てた。オレはもうーーー

「負ける気はねぇ、いくぞぉ!」

「負ける気はなくても死ぬ気はあるみてぇだなぁぁ!」

死ぬ気もない、あるのは戦意だけ。

「ぜやあぁぁ!」

「ふん!」

オレは右斜め上から振り下ろし、PoHはオレと同じ動作で右斜め上から振り下ろす。お互いまずは一撃ずつ。

「ほう・・・」

「あん?」

なんだ?今PoHがーーー笑った?

「なんだ?今の一撃がそんなにおかしかったか?」

「いんや、・・・何もねぇよ?」

マジでなんなんだよこの野郎ーーーオレをイラつかせて冷静な判断が出来ないようにする気か?そうだとしたら相当いやらしい戦法だなコイツ。いや、これはしょうがないかな。結局のところーーー

「はぁっ!!でやぁ!ぜやあぁぁ!」

攻撃を当てれば良い、コイツのポンチョの中に何か仕込んでるかどうかは知らねぇけどこの剣を当てれば大ダメージは免れない。当たるまで振り続ける。
PoHは自分に振りかかるオレの斬撃を友切包丁(メイト・チョッパー)で受け流し、終いにはーーー

「っ!?」

身体を仰け反らせて避けている。それも友切包丁(メイト・チョッパー)を使わずに。

「なんで?」

「覚えたぜ、お前のクセ」

オレのクセ?どういうことだ?

「お前は隻腕故に剣の振りが他の剣士より大きい。それも両手剣の重さも影響して次の攻撃まで少しタイムラグが出る。・・・いや、クセっつーより弱点だな」

「・・・言われて見ればそうだな」

PoHの言葉に納得するしかなかった、出来なかった。オレは剣やメイス、ダガーなんかの装備は出来ても追加装備の盾は持てない。盾は左手じゃないと持てないからな。だから筋力値(ストレングス)を重点的に上げて守りの概念を捨てて、一撃一撃が重い両手剣を振り続けてきた。でもそれが攻撃速度が落ちるという弱点を作ってしまった。

「こーゆーのを本末転倒・・・で良いのか?別に気にしちゃいねぇよ、オレの選んだスタイルだ」

「前から聞きたかったんだが、なんでこんなリスキーなスキル割り振りしたんだ?相手によっちゃぁ殺されるぜ?」

さりげなくスキルの詮索というマナー違反を犯したぞコイツ。でもコイツに言っても意味はないな。まぁいい、実に単純な理由だ。教えても問題ない。それはーーー

「ただの強がりだよ!隻腕の剣士舐めんなっての!!」

この時、ずっと後ろでオレの戦いを見守っていた妹の未来がーーー

「・・・プフッ!そこまで言って負けたら絶対許さないからね!」

笑った。それだけで心が軽くなる。

「面白ぇ!その余裕ぶっこいた面ぁ恐怖で歪ませてやる!」

なんでだろう。さっきから友切包丁(メイト・チョッパー)が目に入ってるのにーーー

「縁があったら地獄で会おうぜぇ!《隻竜》ゥゥゥゥゥ!」

目の前からトラウマが真っ直ぐ振り下ろされてるのに、ちっともーーー

「ちっとも恐くねぇ!」

オレは友切包丁(メイト・チョッパー)を握るPoHの右腕を掴む。それを目にした未来、そして右腕を掴まれたPoHの顔は驚愕に染まっている。

「よっと!」

オレは掴んだPoHの右腕を振り回し投げ飛ばす。だがPoHは体勢を立て直し着地する。

「フフフ・・・フハハハハハ!ここまでexcitingなbattleは初めてだ!ゼッテェ殺してやる!」

大分あいつの殺人衝動を刺激しちまったみたいだな。興奮して突っ込んで来たぞオイ。

「・・・そろそろ使うか」

オレの身に纏うマントに右手を掛ける。

「次こそ・・・イッツショウタイム!」

今こそ解き放て、奴に、PoHにーーー

「絡みつけ!」

「WaT!?」

オレの黒いマントはPoHの身体に絡み付きーーー拘束する。

「なんだこれは・・・!?」

「そのマント、《バインドマント》っていってな。脱ぎ捨てると半径2メートルにいるモンスター、プレイヤーを一分間攻撃不能に出来るんだ。《裁縫スキル》上げてたら偶然完成したんだ」

いや~、まさかこんな物が作れるとは自分でも思わなかったな。それ以降は同じ物が出来たことはあんまりなかったけどな。オマケに一分過ぎたら耐久値が切れてポリゴンとなってサヨウナラ。まだボス戦でも使ってないんだよな。

「随分めんどくせぇモン作ってくれたな・・・このチーター野郎」

「チーターねぇ・・・」

確かに《バインドマント》はかなりのチートアイテムだろうな。
あいつはーーーキリトはチーターでもないのにビーターなんて汚名被ったんだよな。

「そうだな、確かにオレはチーターだ。・・・いや、元ベータテスターだからオレは・・・」

キリトが知ったらメチャクチャ怒るかな。それでもーーー覚悟は出来た。

「オレはビーター・・・《二代目ビーター》、ライリュウだ!」

お前と一緒に汚名被るよ、親友(キリト)

「・・・そろそろ一分だぜ?二代目ビーター」

「あっ」

PoHの声で思い出した。そしてーーーマントがポリゴンとなって消えた。

「死にな!」

ヤバイ、もう流石に戦えないーーー

























「ライリュウ!」

「ミラちゃん!」

「!?・・・シット!」

オレと未来の名を呼ぶ漆黒の長いコートを着た少年と白を基調とした赤いラインが入った服を身に付けた美少女の声にPoHが反応し、この戦場から離脱した。
そんなことよりもーーー

「助かったぜキリト~・・・もう立てねぇ」

「ったく。お前コレ大分無茶したな」

「キリト君だって似たようなものでしょ?大丈夫?ミラちゃん」

「あたしは大丈夫だよアスナさん。それよりお兄ちゃんが・・・」

キリトとアスナさん、この二人の友達の救助が嬉しい。未来はオレの心配してくれてるけど、お前も精神的にーーーあれ?なんか、意識がーーー






キリトside

2024年8月5日、第47層・フローリア、ライリュウ&ミラ宅

「キリト、ライリュウの様子はどう?」

「まだ目を覚まさない」

先日のラフコフ討伐戦からもう3日が経つ。戦いが終決したあと、ライリュウは力なく倒れた。それから俺はライリュウをおぶってこのログハウスに運んだ。
看病に来たリズにライリュウの容態を聞かれたがーーー未だに目を覚まさない。

「みんなありがとう、お兄ちゃんのために・・・」

「そんな水臭いですよ!ライリュウさんが助けてくれなかったら、あたしやピナはここにはもういませんよ!」

【キュウン!】

ミラの言葉にシリカと使い魔のピナが声をあげる。今年の始め辺りにライリュウに命を救われたらしく、その恩返しのつもりなんだろうーーー

「ところでミラ、コイツが言ったのか?・・・二代目ビーターって」

「・・・気にしてたみたいだよ?なんであの時一緒に汚名を被らなかったんだろうって」

まだ第1層ボス攻略のこと気にしてたのかこいつ。確かにあの場を静めるためについた芝居で俺は他人との交流がビーターだということを隠さないと出来なくなったしーーーそのせいで《月夜の黒猫団》が、サチが死ぬことになってしまった。だからこそライリュウにはーーー親友にはビーターになって欲しくはなかったのに。

「う・・・んん」

そんなことを考えていると、いつのまにかライリュウが小さく声をあげてーーー

「んあ・・・っておわぁぁぁぁ!?イテッ!」

「ライリュウ!みんな、目を覚ましたぞ!」

寝返りをうってベッドから落ちた。俺はすぐにみんなを呼んだ。

「ライリュウ!」

「ライリュウさん!」

「お兄ちゃん!」

「んあ?ここオレん家か?・・・ってお前らなんでここに?」

「お前の看病だよ」

お前って奴は人の気も知らないでーーーなんだ?急に黙り混んで頭書き出したぞ。

「お兄ちゃん大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ。それより・・・」

『?』

妹のミラに心配に対しそう答え、その続きにーーー

「PoHには勝てなかったけど・・・過去には勝てたよ」

そういい放つとーーーミラの目から大粒の涙が流れる。

「うわぁぁぁぁぁん!!変な心配させないでよ!バカぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「グヘッ!?ゴホッカホッ!悪かった悪かったって!反省してるから放せって!」

泣き叫びながら兄に抱きつくミラに、強く抱き締められて苦しむも満更でもないようなライリュウ。それを見守る俺とリズとシリカはこの微笑ましい兄妹の光景に頬を緩ませた。
ーーー兄妹、か。スグは、俺の妹は今どうしてるかなーーー

 
 

 
後書き

ア「お兄ちゃん目が覚めて良かったね、ミラちゃん」

ミ「うん!」

リ「妹だけじゃなくて、あたし達がこんなに心配してたのよ?ありがとうってちゃんと言った?」

ラ「えーっと・・・皆さんご心配お掛け致しました。ありがとうございます」

キ「リズ、その辺にしといてやってくれよ。・・・俺にもダメージが来る」

シ「なんでですか?」

キ「・・・俺、シリカやミラと同い年くらいの妹がいてさ。そいつはゲーム嫌いで、SAOにはいないんだけど、やっぱり心配掛けてるかなって・・・」

ミ「そうだったんだ・・・」

シ「妹かぁ、あたし一人っ子だから羨ましいです」

リ「妹ねぇ~・・・可愛いの?」

キ「え?いや~、どうかな?」

ア「キリト君ってもしかして・・・シスコn」

ク「勿体ぶるなよキリの字~~!!」

ア「クラインさん!?」

ラ「どっから沸いてきたオッサン!」

醤「はいクラインさんお疲れっした」

ク「あ!待て醤油!醤油様・・・」

クラインはログアウトしました。

醤「クラインは強制ログアウトした。そろそろ締めよう、みんな」

ラ「了解」

ミ「ラジャー!」

シ「はい!初めての後書きコーナー楽しかったです!」

リ「久し振りに本編でも出番が来たからもう満足だわ。終わりましょう!」

キ「助かった・・・」

ア「また今度妹さんの話聞かせてね?キリト君」

醤&ラ&ミ&キ&ア&シ&リ「ご観覧ありがとうございました!次回もお楽しみに!」
 
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