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東方幻潜場

作者:月の部屋
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9.『変動』

 
前書き
 妖怪結社。
 人間界と霊界の狭間に位置している。
 結社では今、緊急の会議が行われていた。

「くそっ、返信しないどころか電源を切りやがった!従わねぇつもりか!」
「困った奴だべなぁ」
「おいおい、そもそもなんであの娘は急に向こうに飛んだんだァ?」
「わかんねぇ。あの子は15歳だ、能力の覚醒と言うにはちょっと年を取りすぎているが……」
「おやおや、結社の頭脳様(笑)がそうおっしゃられるのならそうなんだろうねぇ」
「(笑)ってなんだよ」
「べっつにぃ~?あたしゃしーらない。ふひゃははははは」
「てめぇは俺を怒らせた」
「なんで俺の方に指向けてんの!?」
「おめぇ昨日俺のプリン食ったろ」
「子供か!」
「……で、どうする」
「何が?」
「もう議題忘れてる!?」
「そもそもねぇ~。なんであたしら、こんなことしなきゃいけないのぉ?あの子らにとっちゃ、あたしら完全に悪役じゃない」
「悪役っつか、悪だな。あと、お前のオカマキャラなんとかしろや」
「仕方ねぇじゃん。妖怪社会から孤立しないようにするにはこうするほかねぇんだから。あと、そいつのキャラに関してももう仕方ない。そういうやつだ」
「孤立したところでどうなるってわけじゃねぇがな。それにそのうちバレる」
「とにかく、今は若木兄妹を連れ戻すことだな」
「じゃあ俺行くよ!」
「じゃああたしも~」
「わしも行こうかの」
「仕方ねぇな、俺が行ってやるよ」
「俺のことも忘れんなァ?」
「え……じゃあ、俺も、行くよ」
「「「「「どうぞどうぞ」」」」」
「どうせそうなると思ったわ!とにかく、俺が行ってくるからな!」
「困った奴だべなぁ」
「なんでだよ!?」


 

 

 東と絵文は、魔法の森の中にある比較的大きな一軒家を見つけた。
「ここが、私とお兄ちゃんの愛の巣?」
「違うわ!?というかどこで聞いたそんな単語!」
「広●苑で」
「載ってない!多分!」
 再開してからというもの、すっかりテンションがマックスになっている二人は元気が良い。いつのまにか、東の中にあった不安や焦りも消えていた。
「……。……とにかく、ここで少しかくまってもらおう」
「うん」
 扉の鈴を鳴らし、コンコンとノックをする。
 すると、眠そうな顔をした少女が現れた。
「どちらさま……ん、子供……?」
「すみません、追われている身なのです!かくまっていただけませんか?」
「ええ、構わないけど……」
 少女、アリス・マーガトロイドは突然の訪問者に困惑していたが、わりとすんなり家の中に上げた。
 人形が淹れてくれた紅茶は、非常に香ばしかった。
「……で、あなたたちは誰?見たところ普通の人間みたいだけど、追われている身って……」
「……」
 東はここに来るまでの間、その質問が来るのを予想していた。
 というのも、ここで適当に誤魔化して本当のことを伏せるべきか、本当のことを言うか。どちらも大きなリスクが付いているが、その場で考えてしまってはかえって怪しまれてしまう。
 だから、東は既に結論を導き出していたのだ。
 それは……真実を話すことだった。



「……なるほどねぇ。あんたたち、苦労したのね」
 思いのほか、アリスはあっさりと東の話を信じた。無論、嘘は話していない。しかし内容が、自分が幻想郷に危機をもたらす危険分子と捉えられても文句の言えないものであったため、何かせめて驚くぐらいはするのだろうと思ったが、アリスはむしろ「あり得ること」として聞き入れたのだ。
「それで、どこにも行く当てがないんでしょう?」
「ええ、まぁ……」
「なら、ちょうどいいわ。うちでしばらく働いてもらおうかしら」
「……!」
 東は素直に喜んだ。
 しばらくの安全が確保できるのだ。
 しかし、気になることが一つある。
 話がどうも、上手くいきすぎているのだ。
 アリスが妖怪結社に買収されて金目のものと自分たちを交換してしまう可能性がある。東はアリスが妖怪であることは既に見抜いていた。
 しかし、ここはその可能性があったとしてもあえて気にしないことにした。
 今はそんなことを考えている余裕はないのだ。
「さてと、じゃあ早速仕事していただこうかしら」
 アリスは押入れからひょいひょいと服を引っ張り出した。
「わぁ~っ、かわいいお洋服!」
「……これを、どうするんですか?」
 アリスはニヤリと微笑んで言った。
「私が作った試作の洋服約一万着……全て着てもらうわ」
「……あの、俺はどうすれば」
「無論、あなたもよ」
「ええぇ!?俺男ですよぉ!?」
「可愛いから問題ないわ」
 真顔でサラリと言ってのけるアリスに、東はいっそ清々しく思えた。
 
 

 
後書き
最後に「明日投稿する」と言ったな、あれは嘘だ。

というわけでもないんですけど、……二日連続で急用が舞い込むなんて聞いてないですよ。

とりあえずペース上げてじゃんじゃん投稿していきます!嘘じゃないです!
 
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