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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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10.可愛く迫られ男は落ちる。浅慮悔やんで男は育つ。

<妖精の国>

「ようこそ。可愛い戦士様。私が妖精の国の女王、ポワンです」
俺の前に、ポワンと名乗るエルフの女王がいる。
歳は20歳前後。
とても可愛い。
すんごい可愛い。
服装も可愛い。
若干控えめな胸を、花が可愛く飾る。
短めのスカートは、見えそで見えないいじらしさ。
俺はあまりの可愛さに、ただ見とれる。
「リュカ。あなたにお願いがあります。聞いていただけます?」
可愛く上目遣いで聞いてくる。
「はい。なぁ~んでも言って下さい」
俺は何も考えず全てを了承した。

因みに…
ポワン様のお願いは、次の通りだ。
春風のフルートを取り返す。
単純明快超楽勝!
事情を解っているベラと一緒に、妖精の国から外へ出る。



<妖精の世界>

『トンネルを抜けるとそこは雪国by川端康成』
なんてもんじゃねぇーぞ!
妖精の国を抜けると猛吹雪!
さみー!冗談じゃ無いくらいさみー!!
「してやられた!美人の色香に惑わされ、とんでもねぇー頼み事引き受けちゃった!あの女、それを承知で可愛く迫ったな!」
「ちょっと!ポワン様に失礼でしょ!あの人は、天然なのよ!」
それも失礼な気がする。

ダメだ!全然、前が見えない。
俺は歌を歌い、気分を紛らわす。
腹の底から声を絞り出し、『瞳を閉じて』を熱唱する…
(ゴー!!!ビューゥ!!)
…って、瞳閉じちゃったらダメー!開けられなくなっちゃうー!!
「もう無理。もうヤダ。もう休ませて!」
「休むっても、どうすんのこんな所で」
「かまくら掘る」
俺はふんだんにありすぎる雪を掘り、かまくらを作る。

中に逃げ込むと、燃やせる物を集め火をつけて暖をとる。
まだ寒い。
俺はプックルを抱きしめた。
「うわぁ、冷てー!!こいつ、びしょびしょじゃねぇーか!」
プックルを諦めベラに抱き付く。
最初は嫌がっていたが、ものっそい力で抱き付き震えていたら、諦めてたらしく抱きしめてくれた。
ベラの膨らみかけの胸が心地よかった。
体も温まり、余裕が出来た俺はベラの胸を揉んでいた。
おもっきしぶっ飛ばされ、かまくらの外へ放り出される。
さっきまでの猛吹雪が、嘘の様に止み視界が開け見渡すと、10メートルほどの所に、氷の館があった。
あれ?ビバーク意味無かった?


<氷の館>

そこは、ほぼ氷で出来てる館だ。
入り口も分厚い氷で出来てる。
しかも鍵がかかってる。
「ダメだ!開かね!どうする?」
「ふふ、この程度の鍵なら、私の鍵の技法で開けちゃうわ」
「何それ!便利ー………って、ピッキングじゃねぇーか!」
ベラはヘアピンで鍵穴をいじってる。
「前にドワーフのエーグさんに教わったの」
「何でそんな事教わってるんだよ!」
何企んでるの、この()!?

「ここを開ける為よ。(ガチャリ)開いたわ!行くわよ!」
「?何で前もって、ここを開ける方法を知ってんの?」
「呆れた、ポワン様の話、何も聞いてなかったの?」
そう言うと、呆れた様に(100%呆れてました)説明してくれた。

春風のフルートを盗んだのは、ドワーフのザイル。
その祖父さんが鍵の技法を生み出したエーグ。
その技法のせいで、エーグは前の女王に追い出された。
ザイルは、それを逆裏んでフルートを盗む。
でも、ザイル一人じゃ到底無理。
背後に誰か協力者がいる様なので、人間界に助けを求めた。
そして俺がここにいる。

「へー…」
「へー、じゃないわよ!(つるー!)きゃー!!」
どうやら氷の館は、床まで氷で出来ているみたい…
説明を終えたベラは、先へ進もうと1歩踏みだし滑って転んで、3メートル程先の壁際で尻餅をついている。パンツ丸見え!
「痛った~…」
チャンス!!
「ワァ、コロンジャッタ~」
ほぼ棒読みの台詞で俺はダイブした。
そして、そのままベラのパンツに向かって、頭から突進。
「ごめぇ~ん!ワザとじゃないの~!」
とか言いながら、ベラの股間へ顔を埋める。



ベラにボコられました。


何とか氷の床のコツを掴み、ザイルの元へ辿り着く。(僕へっちゃら)
「何だ!お前達は!?さては、ポワンがよこした奴だな!」
「春風のフルート、返しなさいよ!」
「ポワンは祖父ちゃんを追い出した憎い奴だ!そんな奴にフルートは返さん!」
「ポワン様がそんな事する訳無いでしょ!前の女王様よ!」
「ふん!騙されるもんか!雪の女王様が教えてくれたんだ」
「その雪女が嘘吐いてるのよ!ばっかじゃないの!?」

…俺…いらなくねぇ?
ベラとザイルで勝手に話が進む。…俺…いらなくねぇ?(僕へっちゃら)
「雪の女王様みたいな、美人が嘘吐く訳無いだろ!雪の女王様に謝れ!」
何!!美人!?
是非見たいぞ、それは!
何処にいるの?ここにいるの?
「うっさい!どうせ、化粧厚塗りのイカサマ女でしょ!」
確かにあり得る…
「な、何だとー!」
ブチ切れたザイルは、俺たちに突撃してきた。
俺はベラを抱き寄せると、闘牛の要領でザイルをクルッとかわす。
氷の床に滑り、2メートル程先の壁に激突するザイル。
うわぁ!痛そ~…

ザイルは生まれたての子鹿の様に、プルプル震え片膝で立つと、
「ちきしょう…、ヤリやがったな…!」
え?何?
ギャグなの?ギャグパートなの今?
次の台詞は、『今日はこの辺で勘弁してやる。』かな?

「お~ほっほっほ!」
やっぱりギャグパート?
笑い屋が場を盛り上げた?
「子供を誑かすと言う、私の考えは甘かったようですねぇ。」
「雪の女王様!」
先程までザイルがいた所に、雪の竜巻と共に姿を現す。
この人が雪の女王!
確かに、いい女だ!
雪の様な白い肌、少しツリ目だがそれがまたいい。
雪を絡った様な白いドレスは、胸元が大きく開いてる。
その大きな胸の谷間は露出してる。
スリットは腰まであり、色っぽい太腿が俺を誘う。

「雪の女王様…このエルフが言ってる事は本当ですか?」
「お~ほっほっほ!馬鹿なザイル。私の言葉に騙されて、よくぞ春風のフルートを、奪ってきてくれました」
「そ、そんな…俺を騙してたなんて…」
「ザイル。あなたには褒美に一思いに凍らせてあげます。これでこの世は、もっとも美しい季節『冬』のまま!冬こそ美…ちょっ、なんなの!この子?」
「わぁ~、下着は黒なんだー!肌が白いから、すごくキレー!」
俺は会話の流れを無視して雪の女王に近づくと、勝手にスカートの中を覗く。
「あら、私の美を理解できるなんて、センス良いわね」
「うん!おねーさん、すっごい美人!オッパイも大きいし僕好きー!」
俺は露出した胸に飛び付くと、頬ずりをする。
いわゆるパフパフだ!

「何、この子ー!チョー可愛いー!」
「おねーさんも、チョー美人!これだけの美貌を維持するのって大変でしょう?」
「そーなのよ!やっぱり~、適度な運動?これが大変なの~!やりすぎると筋肉質になっちゃうしー」
「そうだよねー。でも食事も気を使うんじゃない?」
「あなた、よく解ってるじゃない!特に野菜!食物繊維は必要よ!」
「やっぱり野菜は必要だよねぇー!でも冬が続くと野菜は育たないよ」
「え!?」

「野菜だけじゃない、肉も魚も全部無くなっちゃうよ!」
「まぢ!?」
「うん!まぢ!」
どうやら雪の女王は、頭のネジが緩い女の様だ。
「ちょ、ちょっと…ポワンの奴は何やってんのよ!!春はあの娘の担当でしょ!サボってんじゃないわよ!」
「おねーさんが春風のフルートを返さないと、春を呼ぶ事が出来ないんだってさ。ポワン様に返してあげて」
「返せる訳無いでしょ!奪ったのよ!盗んだのよ!!あの娘、怒ってるに決まってるじゃない!………どうしよ…坊や?」
どうしよう、この女…めんどくせー!ベソかいて子供に頼るなよー…
「じゃぁ僕が一緒に行ってあげる。一緒に謝ってあげる。だから一緒にポワン様の所へ、春風のフルートを返しに行こう?」
そんで許してくれなくても、俺知らねー!
「坊や、チョー優しい!うん、一緒に行くぅ」
「うん!じゃ一緒に行こう!僕リュカ。よろしくね。おねーさんは?」
「私スノウ。よろしくお願いします」
俺はスノウの手を引いて、妖精の国への帰路についた。
ボロボロのザイルと、ぐったりしたベラ・プックルと一緒に………



 
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