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オズのポリクローム

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第七幕その六

「それでお話したけれど」
「あそこまで仲良くお話したのははじめてだったわ」
 ナターシャが言いました。
「それはね」
「だからはじめてって感じがしたのかな」
「そうじゃないかしら」
「それでなんだ、けれどね」
 それでもと言うジョージでした。
「あの人もいい人だよね」
「ええ、お話しててね」
 それでとです、今度は恵梨香が言いました。
「とても楽しかったわ」
「帰ったらまたボームさんとお話したいね」
「そうよね」
「ボームさんがいてくれたからね」 
 トトが五人に言ってきました。
「僕達の数多くの冒険のことがわかったんだよ」
「あの人が書いてくれたからだね」
「そうだよ、僕とドロシーが竜巻にお家ごとカンサスから運ばれた時もね」
 ドロシーの最初の冒険の時です。
「そしてそれからの数多くの冒険も」
「ボームさんが全部僕達に紹介してくれたね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「あの人がいなかったら」
「誰が僕達に紹介してくれたかな」
「それはわからないね」
「そうなんだね」
「けれどボームさんがいてくれたから」
 何といってもというのです。
「皆も僕達のことを知ることが出来たんだよ」
「そうだよね、本当に有り難い人だよね」
「僕もそう思うよ、それで今はね」
「オズの王宮でだね」
「オズの国の歴史を編纂しているんだ」
 そのお仕事に携わっているというのです。
「楽しくね」
「あの人はずっとアメリカにいて」
 ジョージはここでこうも言いました。
「オズの国に入られたんだよね」
「そうなの、十四の冒険を書いてね」
 今度はドロシーがジョージにお話します。
「それからなの」
「アメリカからオズの国に入られたんでしたね」
「それからのお話は他の人が書いてくれているの」
「オズの国からボームさんが教えてくれてるんですか」
「そうなの、通信を入れてね」
「オズの国から」
「ボームさんが編纂した王室の歴史をね」
「本当にボームさんがいてくれてこそですね」
 ジョージもしみじみと思うのでした。
「あの人がいてくれるからオズの国のことを皆が知るんですね」
「そうよ、だからね」 
「ボームさんもオズの国の大事な人ですね」
「そうなの、私もオズマも皆もボームさんが大好きよ」
 ライマン=フランク=ボーム。まさにこの人をです。
「皆がね」
「そうですよね、じゃあ」
「エメラルドの都に戻ったら」
「そのボームさんともですね」
「楽しい時間を過ごしましょう」
「わかりました」
「雷玉を見付けて」
 ポリクロームがここでも踊っています、そのうえでの言葉です。
「その雷玉を長の人にお返ししたら」
「オズの国にですよね」
「戻るわ。それで私もね」
「ポリクロームさんもですね」
「お家に戻るわ」
 虹の精霊さん達のそこにというのです。 
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