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オズのポリクローム

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第七幕その二

「そして虹の精霊ポリクローム嬢」
「私のことはね」
「同じ精霊同士だからね」
「ここにもお邪魔したことがあるし」
「君のことはよく知ってるよ」
「私もよ」 
 二人のやり取りはかなり砕けたものでした。
「お互いにね」
「そうだね」
「それで魔法使いさん達のことをどうして知ってるの?」
「オズの国のお空からいつも見ているからだよ」 
 だからだというのです。
「皆のことを知っているんだ」
「それでなのね」
「そうなんだ、ではあらためてはじめまして」
 男の人はあらためて皆に礼儀正しく挨拶をしました。
「私が雷の精霊の長です」
「貴方がですね」
「そうです、ようこそ我が家に」
 男の人は礼儀正しくです、また挨拶をしました。
「おいで下さいました、それでどういったご用件でしょうか」
「はい、実は飛行船でポリクローム嬢のお家に遊びに行ったのですが」
「そこで、ですか」
「皆さんの雲が随分と雷が激しく鳴っていたので」
「そのことが気になって」
「お伺いしました」
 こう雷の精霊さん達の長にお話するのでした。
「そうなのですが」
「実はです」
「この雷が止まらない訳は」
「私達は雷の精霊で普段は雷を制することが出来ます」
 雷を司るだけあってというのです。
「それが出来るのですが」
「しかしですか」
「それがです」
 ここで長は困った顔になりました、そのうえでです。
 魔法使いにです、こう言いました。
「私だけが制御出来なくなってしまったのです」
「そういえばどうも」
 魔法使いは長の言葉を受けてでした。精霊さん達をあらためて見回しました。すると他の精霊さん達の身体の周りの雷は漂っていても落ち着いていますが。
 長のそれは激しく鳴っています、もう荒れ狂っている感じです。
 そのことに気付いてです、魔法使いも言いました。
「貴方は」
「それが雲全体にも及んでいまして」
「今の状況に至っているのですね」
「そうです」
 こう魔法使いにお話するのでした。
「正直困っています」
「どうしてそうなったのですか?」
「実は私達の身体の中には雷を制御出来る玉があるのです」
「玉がですか」
「雷玉といいまして」
 こうお話するのでした。
「それがあるのですが」
「長さんは今はですか」
「実は身体の外に出して磨いていた時にです」
 まさにその時にです。
「場所は家の外でした、そこで磨いていますと」
「落としてしまったのですね」
「はい、そうです」
 とても残念そうなお顔での言葉でした。
「それでなのです」
「雷が制御出来なくなって」
「この有様です」
「実はね」
 ポリクロームもお話してきました。
「私達精霊はそうなの」
「身体の中に玉があるんだね」
「それぞれが司っているね」
 こう魔法使いにお話するのでした。 
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