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オズのポリクローム

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第五幕その八

「このことだけでかなり大きいよ」
「それで速いと思ったのかな、いや」 
 ジョージはポリクローむのお家があった方を今も見つつ言ったのでした。
「ポリクロームさんのお家があっという間に見えなくなったから」
「速いっていうのね」
「やっぱりそう思います」
 こうポリクロームにも答えるのでした、
「馬車とか船と比べると」
「つまり飛行機やヘリコプターと比べると遅いんだね」
 魔法使いはジョージ達のお話を受けてこう結論を出しました。
「乗りもの全体としては速いんだよ」
「そういうことですね」
「そうだね、じゃあまたお空の旅を楽しんで」
 魔法使いはここであらためて皆に言いました。
「雷の精霊さん達のところに行こう」
「わかりました」
「まだ聞こえるしね」
 雷鳴がというのです。
「それも随分と」
「本当に何があったのかしら」
 ポリクロームも気になっています。
「一体」
「確かに気になるわね」
 ドロシーもポリクロームのその言葉に応えました。
「喧嘩してないといいけれど」
「喧嘩していたら」
 ポリクロームも少し心配になってきました。
「仲直りしてもらわないと」
「そうそう、喧嘩なんてね」
「しない方がいいよ」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーも言います。
「お互いに傷つくだけで」
「いいことなんて一つもないよ」
「お互いに抑えることは抑えて」
「それで仲良くしないとね」
「時々言い合いになってぶつかっても」
「深刻な喧嘩はよくないよ」
 激しいそれはというのです。
「若し雷の精霊さん達が喧嘩をしているのなら」
「相当激しい喧嘩じゃないかな」
 その雷の数と音が普通でないからです。
「だからね」
「ここは何とかしないと」
「大変なことになるよ」
「喧嘩ならね」
「そうね、じゃあすぐに行きましょう」 
 ポリクロームは言います、言葉を出すその間もひらひらと動いています。
 そうして動きつつです、こんなことも言いました。
「雷の精霊さん達のお家がある雲は私が知ってるから」
「教えてくれるかな、その雲の場所を」
「ええ、わかったわ」
 魔法使いに頷いてです、ポリクロームはその場所をお話しました。魔法使いはすぐに操縦席に戻ってです。
 その場所まで行く様にです、進路を決めてでした。皆のところに戻って言いました。
「これでいいよ」
「雷の精霊さんのお家まで」
「うん、自動操縦でね」
「じゃあ後は」
「そう、気楽に進めるから」
「安心ね」
「そうだよ」 
 このことはもう心配いらないというのです、このことを確かにしてです。
 そしてでした、皆はあらためてお話にしました、すると。
 もう夜でした、その時間になったからです。ドロシーはテーブル掛けを敷いてそこにお昼御飯を出しました。
 今日のお昼はお寿司です、そのお寿司を見てです。
 ポリクロームは自分が食べる朝露が入ったコップを手に取ってです、そのうえでこうしたことを言ったのでした。
「お寿司ね」
「ポリクロームさんはお寿司を見たことは」
「あることはあったわ」
 食べなくてもです。 
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