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オズのポリクローム

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第一幕その七

「私達もポリクロームさんと楽しく遊べますね」
「そうよ、ただね」
「お空の上ですから」
「そうは行けないわよ」
 ドロシーはこのことを少し残念そうに言いました。
「私達でもね」
「飛ぶ魔法を使えば」
 ジョージはここでこう言いました。
「行けますか?」
「魔法ね」
「はい、そうでないのなら」
「気球や飛行船を使ってよね」
「そうしたら行けませんか?」 
 こう言うのでした。
「どうですか?」
「そうね、それなら行けるかも知れないわね」
「あの、じゃあ」
「ふむ、気球ならね」 
 お話を聞いていたかかしも言いました。
「行けるかも知れないね」
「うん、そうだね」
 木樵はかかしのその言葉に頷きました。
「あれを使えばね」
「うん、行けるかも知れないよ」
「そしてお空でもね」
「ポリクロームに会えるかも」
「そうかもね」
 こうしたことをお話するのでした、そして。
 ドロシーは腕をです、こんなことを言いました。
「あのね」
「あの?」
「あのっていうと」
「いえ、気球なら魔法使いさんが持ってるけれど」
 こうかかしと木樵に言うのでした。
「あの気球でポリクロームのお家まで行けるかしら」
「その高さまで辿り着けるか」
「そのことが問題だっていうんだね」
「ええ、ポリクロームのお家は雲のところにあるわよね」
 こう言うのでした。
「だったらね」
「あの気球でそこまで行けるか」
「雲の高さまで」
「そのことがだね」
「問題なんだね」
「気付いたのよ」
 ふと、というのです。
「今ね」
「気球もそれ位の高さまで行けませんか?」
 ジョージはこうドロシーに尋ねました。
「あれだと」
「行けるかしら」
「はい、それで」
「どうかしら」
 ドロシーは首を傾げさせたまま言いました。
「行けたらいいけれど」
「やってみますか?」
「そうね、少し考えてみたいけれど」
 ドロシーは考えつつ言うのでした。
「どうかしらね」
「翼を生やすとか?」
「それはどうかな」
 ここで言ったのは臆病ライオンと腹ペコタイガーでした。
「そういうのはね」
「どうかな」
「それで鳥みたいに飛んでね」
「ポリクロームのところまで行く?」
「魔法で、よね」
 ドロシーは二匹のお話を聞いて述べました、
「オズマかグリンダの」
「魔法使いさんの魔法は少し違うからね」
「そういうのじゃないからね」
「だからね」
「オズマかグリンダにお願いしてね」
「それもいいけれど鳥はそこまで高く飛べないわよ」
 ドロシーは翼では、と答えました。 
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